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2007年03月17日 / 森進一問題について-川内康範はなぜここまで激昂したのか?

 ◎森進一と川内康範かわうちこうはん問題について考える

 今、世間を賑わせている森進一『おふくろさん』騒動。端的に言えば、森進一氏が持ち歌である『おふくろさん』の歌詞を一部付け加えて紅白で歌った、それを作詞の川内康範氏が知らなかったことから仲違いになったという問題である。

 この事件、最初の僕の印象は作家先生が今更出てきて狭量な…というものであった。その当時は森進一氏も川内康範氏もあまり知らなかったし、まぁ作家先生というのは基本的にとても頑固で著作権にストイックというイメージがあったからだ。テレビに出ていた川内康範氏が如何にも頑固親父みたいな容姿をしていたというのもあるけどね(笑) 耳毛凄いし(関係ない)。

 興味を持ったのは先日も書いたけども、『たけくまメモ』のエントリーを見たからだ。

しかも相手はあの川内先生ですよ? 「おふくろさん」「骨まで愛して」「伊勢佐木町ブルース」「死ね死ね団のテーマ」など幾多の名曲を作った芸能・歌謡界のドンであるばかりか、「月光仮面」「レインボーマン」などヒーロー番組を生んだ「オタクの父」でもあり、政界にあっては右翼・民族派の論客として歴代総理大臣の私設政策顧問をつとめ、70年代には当時の警視総監から乞われて「警視庁の歌」を作り、同時に「稲○会の歌」も作って週刊誌ネタになると、「裏と表があってこその世の中だ。どっちもお国のためには大事なんだ!」と啖呵を切った人ですよ?

 なんか凄そう。この川内康範氏というのは、そんなにも凄い人物なのかと思ったわけで。自分が思っている以上に、とんでもない大御所なのかと。それならば、なぜ森進一氏はその先生を怒らせるような真似をしたのだろうと。

 そういうわけで、おじさんはちょっと調べてみたのである。すると、事件のイメージは一変した。世間では著作権の同一性保持権だのと難しく言われているが、本質は別なところにあったのである。

 ◎時系列で整理してみると、こんな感じ

 1、森進一氏が紅白で台詞付きの『おふくろさん」を歌う。

 2、川内康範氏がそれに怒り、森進一氏に事情を求める。

 3、森進一氏は体調不調を理由にそれをキャンセル。

 4、体調不良と言うが、電話越しに森が元気で談笑する声が聞こえてしまう。川内康範氏切れる。この時点で森進一氏は川内康範氏が激怒していることに気付いていない。

 5、マスコミが騒ぐ。

 6、川内康範氏がマスコミの前で激怒。

 7、同じくマスコミの前で森進一氏、台詞付きの『おふくろさん』は30年前から歌っており、今更言われても……うんぬん言う。自分で言うのも何ですが森進一の『おふくろさん』になってますので……うんぬん言う。

 8、川内康範氏、日本一有名な天下り団体である日本音楽著作権教会(JASRAC)に、自分の歌を森進一に歌わせないように要請。また、民放各局に以下のようなFAXを送信する。

もともと森は、私が親しくしていたチャーリー石黒が連れてきたもので、(中略)私がビクターレコードより売り出した歌手です(中略)。
そればかりか、渡辺プロを辞め、民放各社からその存在を否認されていた頃、(中略)泣きついてきた森を拒否できず、「命あたえて」でNHKの古賀政男記念音楽大賞に挑戦させ、民放出演が可能になったことは、貴局も御存知のことと思います。
また、森の母親が他界した折には、僧侶もおらず、私が枕経まくらきょうをあげたという経緯もあります。
こうした関係にある私に対する、十年以上にわたっての森の背理、情の無さは、現代社会の歪みを増長させるものとして、かくの如く小生の作品を唄うことを禁じました(中略)。
尚、如何なる立場の人が、今回の件に関して仲介に入っても無駄です。
よって、貴局におかえれましても、森が出演した際に、私の作品は唄わせませんようお願い申し上げます。
なお今後、「おふくろさん」は別な形で他の歌手を起用します。  川内康範

 これはキツイなあ。というよりも、こんなにエネルギーのある文章を見たのは久々だよ。川内康範氏の激昂具合が良くわかるというか。良くここまで怒らせたものだと感心すらしてしまう(笑)。

 9、6のVTRを見た森進一氏が事の深刻さに気付き謝罪するが、時すでに遅し。青森の実家まで訪ねるも門前払い。

 10、森進一氏、『おふくろさん』を封印する。(今、ここ)

 ◎なぜ川内康範氏はここまで激昂したのか?

 8のFAX文章を見ると、氏が鬼神の如く怒っているのが良くわかる。まったく知らない人物なら、ここまで怒らせることも可能かも知れないが、森進一氏と川内康範氏の仲は枕経まであげた仲だという。恩師以上の存在と言えるだろう。当然、人となりだって良くわかっている筈だ。だからこそなぜ? である。

 そんなに『おふくろさん』に台詞を付けて唄ったことが気に食わなかったのか? 確かに自分の著作物を改変されて喜ぶ人はいないだろう。しかしながら、台詞付きの『おふくろさん』は30年以上も前から存在する物である(台詞を付けた人は既に他界)。

 それに川内康範氏は自分の著作物に対して、そんなに頑固な方ではない。wikiによれば「永井豪の「けっこう仮面」(「月光仮面」のパロディ)執筆を事前に報告(許可願い)した際には快諾している」し、嘉門達夫の『替え歌メドレー』では漫画日本昔話のOP曲を「ぼうや~、良い子だ金だしな」と唄うことを許可しているのである。松本零士みたく狭量ではない。

 そういうわけで、このタイミングで怒る理由としては薄い。勿論、伏線はあった。森進一氏は10年以上も前に同じ件で注意を受けたことがあったという。が、それでも絶縁状を書くまでにいたるのだろうか? 僕は妙な違和感を覚えた。

 ここで時系列の流れをもう一度見てみたい。川内康範氏はどのタイミングでプッツンしたのだろうか? 「森進一の『おふくろさん』です」発言か? 違う。4番である。紅白後の森進一氏の対応。事情を求めた川内康範氏との面会をキャンセルしてしまった辺り。

 森進一サイドの言い分では、事務所の人間が勝手に対応してしまった、という話もあるのだけど、そんなことは関係ないわけで。電話には出ずに談笑していた話(仮病説)も事実とは異なるのかも知れない。本当に体調不良だったのかもしれない。けど、川内康範氏がどう思ったのかが重要なわけで。もし森進一氏が空気を読める人間であったなら、今回の騒動は起きなかったであろう。

 紅白で歌った段階では、そんなには怒っていなかったのに違いない。けど、伏線はあったので、半ギレ状態ではあった筈。でもまぁ、この時点できちんと謝罪したなら許してくれたのではなかろうか。しかし、呼び出した筈の森が空気を読めずにボイコット。川内康範氏の心情はどうだっただろう。散々面倒みてきたのに、ピンチも救ってあげたのに、そんな自分を邪険にした。このザマはなんだ、と思ったかもしれない。

 右側の人間というのは恩義を大事にする。川内康範氏はその恩を返せとまでは言わない。けども、森進一氏がその恩を忘れてしまった…と認識したとしたら? 散々面倒を見てやった奴が自立した途端に恩を忘れて我が物顔をした…と思ったとしたら? 自分はナメられていると感じたとしたら? ブチギレの原因になりうるのではなかろうか。

 ◎まとめ

 塵も積もればなんとやら…というわけで、様々な要因が重なって、最後の最後に爆発してしまった今回の事件。まるでミステリーの犯人の動機である。こうなってしまうと修復は困難。男女関係みたいなもので、何をやってもダメなものはダメなのではなかろうか。

 なにせ

尚、如何なる立場の人が、今回の件に関して仲介に入っても無駄です。

 である。歴代首相とも顔が通じているという川内康範氏。つまり、たとえ首相が仲介に入ったとしても許しはしない、という意思表示である。まさに絶縁。断絶。

 それに

なお今後、「おふくろさん」は別な形で他の歌手を起用します。

 である。もう言葉もない。実際に別の歌手を起用することはないだろうけど、これはまぁ本当にスゴイよ。

 この問題が解決することがあるとするなら、それはこの事件そのものがドッキリだった時くらいだろう。それくらいに根は深い。

 あとは森進一氏がどう落とし前をつけるかである。今後の動向を見守りたい。

コメント

てすと

テストに協力

>ほいみそさん
コメントサンクス。
がんばります。

>たとえ首相が仲介に入ったとしても
安倍さんが仲介に入っても、あの顔じゃ迫力不足だもんなぁ……。

どうも、こんばんは。
安倍さんの顔はブルドックみたいで迫力あると思いますが、川内先生の迫力には適いませんね……。

森新一さん
あなた歌手では一流でしょうが、一流であればあるほど 昔の人の言葉で(実るほど頭のたれる稲穂かな)だったでしょうか こういう事を忘れてはいけません。決して天狗にならないようお願いします。一フアンより

森新一さん
あなた歌手では一流でしょうが、一流であればあるほど 昔の人の言葉で(実るほど頭のたれる稲穂かな)だったでしょうか こういう事を忘れてはいけません。決して天狗にならないようお願いします。一フアンより

この話題もすっかり息を潜めてしまいましたね……。今後、展開があるのかすら。

せんせーくたばったんで無問題です。

ちゅ

ちゅ

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