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2007年03月31日 / 出られない!!??

 さすがに30歳過ぎてオッサンと呼ばれる歳になってくると、事実は小説より奇なりな出来事と言いましょうか、嘘のような本当の話というか、『世界仰天ニュース』やら『世界丸見えテレビ特捜部』とかで紹介されそうな出来事に一つか二つは遭遇します。

 そういった出来事は、テレビ画面を通して一視聴者として見るのなら娯楽として楽しめるのですが、もし事件の当事者になったとしたら? それはとても恐ろしい経験なわけで、笑い事では済まされません。他人にとっては笑い事であったとしても、本人にとってみれば洒落にならない話。他人にとって面白ければ面白い程、本人にとっては戦慄が走るのです。

 今日はそんな不思議経験について回想してみたいと思います。というわけで、開けてみましょう。世にも奇妙な世界への扉を!(先日のオンエアに影響を受けた)


 あれは確か5年くらい前の出来事だったでしょうか。5年前だとするなら、上記の定義に当てはめるなら、そんな不思議経験には遭遇しない時期の筈なんですけど、まぁそれはそれで。

 当時、僕は……まぁ今とあまり変わらない生活をしていたんですけどね。インターネットしたり、稼業したり、漫画読んだり、ゲームしたり、寝たりと、まぁ気楽な生活というヤツです。今でいうスローライフ。モラトリアムにも近いモノがありました。

 そんな生活はとても楽しいわけですが、どうしても不摂生になってしまいます。生活リズムはメチャクチャになりますし、コンディションの方も悪くなってくる。体重も8キロくらいは増えたでしょうか。その体重については後に3ヶ月で全部落とすことになるのですが、それはまた別の話。

 当然、部屋の方も汚れてくる。『こち亀』の両さんばりに散らかってくる。個人的には効率的な配置と自負しているのですが、人から見れば単なる夢の島。家電製品全般は埃が積もっていますし、モノも散らかり放題。本が山積になっていたり、エロゲが身長よりも高く積んであったり、ゴミ箱からゴミが溢れていたり、蛍光灯にはなぜか羽ムシの死骸が詰まっている(どうやって入ったのか不明)。エアコンのフィルターも埃だらけ。……ごめんこれは嘘。だって僕の部屋エアコンないの。

 幸いにも五木ごきヒロシ君は登場しませんでしたが、掌サイズのムカデが登場してマジ悲鳴を上げたりしました。いやあ、人間って驚愕と恐怖が混合すると、本当に悲鳴が出るものなのですね。あの時はかなり驚いたですよ。

 ここは二階の部屋なのに、何処から侵入してきたんだ、コイツは。

 いくらスローライフを満喫中とはいえ、さすがの僕もこれではいけないと思ったわけです。ここをゴミ屋敷にしてはならない。リアル日暮の部屋にしてはならない。テレビの取材を許してはならない。掃除をしようと思ったのです。

 そんなわけで、さあ掃除をしよう――。不精な僕ですが、いざスイッチを入れ替えてしまえば、意外とスムースに事は進みます。そりゃあ、もうモリモリ掃除をしましたよ。モリモリって、あの方の影響を受けすぎな書き方ですが気にしない、気にしない。細かいことを気にしていたら、人間大きくはなれません。

 あっちこっちのゴミをちぎっては投げ、ちぎっては投げ……じゃなかった。ゴミ袋に封入し、いらないグッズを処分し、漫画やゲームはわかりやすいように整理。高く売れそうなモノはオークションへ。

 そんなこんなでやっていたらね。まぁ、それなりに綺麗になっていったんです。松居一代もビックリする程の掃除っぷりとでも言いましょうか。ほいみん棒とかの小道具はなかったですけど、テキストサイト運営者特有の細かさとでも言いましょうか。日々更新し、リンクを整理し、人々と交流してくという能力は、掃除にとても役だったのでした(本当か?)

 しかし、掃除っていうのは不思議なもので進んでも進んでも終わらない。キリがないことに気付きます。ある程度で妥協しないといつまで経っても終わらない。また、少し綺麗になってくると、この先もっと綺麗になるのが楽しくなるという、ナントカっていう心理効果も働いて、挙げ句の果てには模様替えまで始まってしまいました。

 テレビはこっち、パソコンはこっち、タンスはこっち。額に光る汗を拭いながら、せっせと働く僕。タンスは邪魔なので、一端部屋から出し、全体のレイアウトを考えます。ついでに絨毯を剥いで、床の掃除までしちゃいます。これをこうすれば良いな、ということで配置考察は終了。

 と、そんな時でした。ピーゴロロとお腹に激痛が。僕は生まれつき、腸が弱く下痢体質にあるのですが、そんな悪い体質が発症したのです。何の前触れもなく襲ってくる激痛。お腹痛い。ポンポン痛いよお。でもまぁ、トイレに行けばいいのだから問題はない。これが学校の授業中であったなら、大変な事ですが、今は自室にいる。ドアをオープンしてトイレに駆け込めばオールオーケイ。何の問題はない。

 そういうわけで、外に出ようとドアノブを捻っ――開かないッ!?

 ガチャガチャとドアノブを捻るのですが、なぜか半分ほど下がった状態から下に行かない。ドアの向こうにつかえているものがあるなら力押しで押し進めればいいのですが、ドアノブそのものが動かないとなるとヤバイ。

 し、し、したに、さ、下がらない~~~。

 グググ、と力を込めますが、どうにもこうにもI can not。動かない。これは参った。どうしたら良いのかわからない。なぜにドアノブは動かないのか? 

 ……どうも、何か変な手応えみたいなものがある。ドアの向こう側のノブの下に何か引っかかるようなモノが置いてあるような感じ。しかし何だ? そんなモノを置いた記憶はないし、家には誰もいないから置くような人もいない。

 「あ……」


ドアの向こう側のイメージ図

 さっき部屋の外に出しておいた・・・・・・・・・・・・・・タンス・・・・!! それの大きさが丁度ドアノブの位置と合致するっ・・・・! ドアは部屋の外側に向かって閉じるから、タンスをドアのすぐ近くにおくと、ドアノブが引っかかってしまうッ・・・!!

 なんという失態ッ!! もうちょいドアから遠い位置にタンスを置いておけば、こんな事態にはならなかったのに、僕がちょっと不精してしまった故にっ・・・!

 説明が難しいので皆さんに伝わっているかどうか心配ですが、要するにウンコを我満した状態で自分の部屋に閉じこめられたということです。これはなんて間抜け。まさか、自分で自分の部屋に閉じこめられるとは!

 「――なんて、コト」

 例によって月姫風に呟いてみるが、状況はどうにもならない。ヤバイ。家に誰かしらいるのなら、助けを呼ぶこともできるが、生憎と誰もいない。というより、腹痛により思考回路がうまく働かない。思考回路は~ショート寸前、今すぐー、ウンコしたいのー♪ という感じなのである。

 この下痢による腹痛状態というのは、とても辛い。ぶっちゃけ、我満のできる痛みではない。肛門に全開で力を入れてウンコが漏れないように弁をし、尚かつ腹痛による痛みを我満しなくてはならない。例えるなら大洪水の中の水門。溢れだそうとしているウンコを必死扱いてつなぎ止めていなければならないのだ・・・! ごめんよ、汚い話で・・・!

 5分我満するのも辛い。10分は無理。無理とは……文字通りの意味である。堤防の決壊であり、最悪の結果。綺麗になりつつあった部屋が一気にレベル∞まで汚染される。というより、自分の部屋でウンコを漏らすなんて経験は、赤ちゃんかご老人以外そう簡単にないだろう。

 しかし、今それに近い経験を僕はしていた。まさか、家にいるのに、トイレがすぐ近くにあるのに、ウンコが漏れてしまいそうなんて…。

 僕はかつて野糞をしたことがある。その状況を思い出していた。まさかアレに近い状況になるとは……思いもしなかった。なんていうか、とても空しい。空しいというのは、こういう時に使う為にある言葉なんだろうなと思った。なお、野糞経験については、長くなるのでまた別の話。

 そういうわけで、どうにもこうにもI can not。ドアからの脱出は無理らしい。ドアを壊すことも一瞬脳裏を掠めたが、後の修理代が馬鹿にならないし、何よりドアを壊す工具がない。それにドアを壊したところで、ドアノブを下げることが出来るのかも怪しい。このドアを開ける為には、ドアの向こう側へ行き、タンスを動かすしかないように思えた。

 しかし、ドアの向こう側に行くためには、このドアを開けるしかない。大いなる矛盾。というか無理だった。だので、僕はドアからの脱出を諦めた。

 となると手段は窓しかない。が、ここは2階。窓を開き外を見るが、結構高い。3階ではなかっただけ良かったのかも知れないが、2階でも充分に高い。飛び降りるには勇気が必要だった。そして、その勇気が僕にはなかった。

 「これまでか」

 まるでトドメを差される寸前。くたばる目前。

 腹痛を我満した所為で、視界が歪んできた。ゆらゆらと揺れて、とても辛い。脂汗が滲み、肛門がプルプルしてくる。これはもう末期の状態だった。いつイッてもおかしくはなかった。

 だが。

 ふと見ると、窓の横には雨樋が伸びてた。長年、この家に住んでいるが、こんな部分に注目したのは初めてだった。ここをつたわって下に降りれば・・・・・・・・・・・・・・、脱出することが可能なのではないだろうか?

 その様子を近所の人に見られたら、それは奇行にしか見えないだろうが、背に腹は替えられない。決死行さながらの動きで、僕は雨樋に手を伸ばした。当たり前だが、グラグラする。本来、雨を屋根から逃す用途のものであるから、頑丈なわけはない。体重をかけたらポキリといってしまいそうな感じ。

 だから、僕は慎重に慎重に。雨樋をつたわって、下に降りていった。その姿もとても間抜けなモノだったと思うけど、誰か見ている人がいたなら間違いなく泥棒だと思ったけども、そんなことは気にしない。気にしている状況じゃない!

 そして――。遂に――。


ドアの向こう側のイメージ図

 ゚+.(・∀・)゚+.゚キタワァァ ゚+.(・∀・)゚+.゚キタワァァ ゚+.(・∀・)゚+.゚キタワァァ

 この気持ちは……みんなわかるよね? スッキリ、爽快、さやわか、たおやか――そんな言葉では伝わない、この感じ。起死回生。

 そういうわけで、僕はこの危機を乗り切ったのである。ごめんね、漏らしたというオチではなくて。

 人間諦めたらいけないのである。最後の最後、あがきにあがけば、きっとそこに道はある――。そう信じて進めばどうにかなるという話。

 ま、ダメな場合もあるけどね。

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