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2007年04月02日 / ほいみん クリスピー・クリーム・ドーナツを食べるの巻(『ちびまる子ちゃん』風に)

 皆さんは、クリスピー・クリーム・ドーナツ(crispy cream doughnut)というのをご存じでしょうか? 端的に言えば、アメリカ生まれのドーナツで、最近話題になっている物です。雑誌やらテレビで話題になっており、中身は知らずとも、名前くらいは聞いたことのある方が多いのではないでしょうか?

 僕が初めてクリスピー・クリーム・ドーナツの名前を聞いたのは、とあるテレビ番組の特集でした。どんな番組で、どんなコンセプトだったのかとかは忘れてしまいましたが、ハワイにある人気のドーナツ屋ということで、その紹介とお客さんの流れなどを映していました。

 これだけだったら、割と良くある光景なのですが、今でも目に焼き付いているのが、その購入量。1箱に12個のドーナツが入っているのですが、それを5箱も6箱もみんな買っていっているのです。ちょっと普通ではない購入量。ファーストフード的なお店構えだったので余計にショッキングだったのかも知れませんが、買い方がみんな仕入レベルというのは絵としてはインパクトがある。当然、行列が出来ているわけですが、一人ひとりがみんな仕入れていく光景。今までのドーナツに関する固定概念を見事に覆してくれましたよ。

 日本ではドーナツといえばミスタードーナツが主流で、購入量も精々10~20個くらいが普通です。家族でオヤツみたいな感じで、ちょっとした軽食感覚。単位がダースになるなんてことはないわけです。ですが、これは下手をすりゃグロス単位ですよ。

 でもって、その紹介の仕方が上手なわけです。まぁ、この辺はテレビだから当たり前なのかも知れませんが、クリスピー・クリームの名前の通り、外がサクっと、中がとろけるような食感で……とかうんたらかんたら。なんか凄そうなイメージ。『美味しんぼ』のフグの白子か! 兎に角、今まで食べたことがないような感じで紹介しているわけです。というか、ドーナツ食いてーという欲求で一杯になったわけです。

 また伝説っぷりも大したもので、あまりの人気ぶりでお土産に買っていく人が多く、空港ではドーナツの持ち込み数に制限がかかったとかなんとか。まぁ、これは都市伝説に過ぎなかったらしいですが、もうインパクトは充分です。

 narinari.comでも特集されており、これまた美味そうな感じ。

 しかし、日本にはない。まさかハワイまで行くわけにもいかず、結局南極僕は指を加えてドーナツの絵を見ていることしかできないのでした。

 しかーし。それから数ヶ月後。偶然にもハワイに行くチャンスが生まれたのです。なんという奇跡。なんという偶然。なんという機会! これはもうクリスピー・クリーム・ドーナツを食べるしかない。カリっとフワっとした食感を楽しむしかない。そして、うーまーいーぞーと大声で叫んでドーナツに変身して、小麦畑を口からビームを出して破壊するしかない。

 というわけで、僕はハワイのお店でクリスピー・クリーム・ドーナツを食べたのでした。

 「……」

 が、何かおかしい。なんというか、普通。普通のドーナツ。日本のドーナツよりも甘めのいかにも海外の食品です的な大雑把な味。これがクリスピー・クリーム・ドーナツの真の力なのか?

 疑問に思った僕は店外に出て、店の名前を確認した。そうしたらそこにはダンキンドーナツという看板が。オーノー。クリスピー・クリーム・ドーナツだと思ったら、ダンキンドーナツだったよ。日本から撤退したダンキンドーナツだったよ!
 いやあ、ハワイといってもなかなか広いわけで、クリスピー・クリーム・ドーナツが何処にあるのかわからなかったのさ。充分に調べておけよって話ですが、まぁ誰にでもイージーミスはあるよね。しゃあないよね。

 というわけで、ハワイでのクリスピー・クリーム・ドーナツ食いはならず。

 OTL

 そうして、また月日が流れました。あのドーナツを求める日々が懐かしい、などと思いながら日々の生活に励む僕。時々、ミスタードーナツを食べながら、ポンデリングを食べながら、クリスピー・クリーム・ドーナツのことを思い出す僕。

 そんな時、クリスピー・クリーム・ドーナツの日本出店の話が耳に入ってきたのです。
 「あのクリスピー・クリーム・ドーナツが? 日本に?」

 おおおお。ハワイに行かなければ食べられないと思っていたクリスピー・クリーム・ドーナツが、日本にやってきてくれる! これはチャンス! あのテレビの特集を見てから数年。数年越しのチャンス到来!

アメリカ東海岸発祥の「クリスピー・クリーム・ドーナツ」が、昨年12月に東京・新宿に初上陸 (後編

 新宿って遠いよ……゚:・( つдT)・:゚

 ここは東京都ではなく群馬県。群馬県っていうと、北関東って感じで格好悪いから以下はGNMと表記するが、とにかく東京の新宿は遠い。いや、ぶっちゃけ3時間もあれば到着できるから、そんなに遠いという程でもないのだけど、近いということはない。気軽に立ち寄れるという距離ではない。

 お前のクリスピー・クリーム・ドーナツに対する情熱はそんなモノだったのか? と言われちゃうかも知れないけど、ぶっちゃけ3時間かけてドーナツ買いにはいけねーよな。

 というわけで、クリスピー・クリーム・ドーナツの日本上陸を機に食すという気にはなれなかった。まぁ、GNMにも出店してくれれば話は別だけどね。けどまぁ、それが何年先になるのか、それはわからない。

 と、そんなある日のことだった。家に帰り、何気に台所のテーブルを見ると……

 く、く、く、く、クリスピー・クリーム・ドーナツ!? しかも、ダースで! 無造作に置いてあるー!

 「お、お母さん! こ、これは何よ!」

 『ちびまる子ちゃん』のように訪ねる僕。レア度の高いドーナツが目の前にある謎。『ドラえもん』のグルメテーブルかけでも使ったのか?

 「ああ、アンタの妹が買ってきて貰ったらしいよ。食べる?」

 アンタの妹とは、即ち僕の妹のことなわけです。15歳で妊娠、16歳で出産したという江戸時代の農民みたいな人。最近は躁鬱病に悩まされており、橋から飛び降りたという伝説があったり。他にも武勇伝沢山。

 まぁ、そういう背景のある人物なわけで、僕は大嫌いだったりするのだけど、この時ばかりは良くやったと思いましたよ。まるでプライドのないリアクションで恐縮だけど、そんな小さなプライドだったら捨てちまえ、というヤツです。

 そういうわけで、数年越しの悲願。クリスピー・クリーム・ドーナツを食す。パクリと。

 !?

 あ、あ、あれ? なんかおかしい。サクっとフワっとしない? あ、甘いすぎる? というか、ちょっとベタついてる? これはクリスピー・クリーム・ドーナツではなく、クリスピー・オイル・ドーナツの間違い?

 いや、確かにクリスピー・クリーム・ドーナツと書いてある。間違いない(長井秀和風に)。

 「なんかソレ。雑誌とかで話題のドーナツらしくて買ってきて貰ったらしいんだけど……ちょっと甘すぎるわよねえ

 いやいやいやいや。そんな馬鹿な筈はない。あれだけの人が箱買いしていたドーナツだぜ? こんなこと、あるわけないよ。何かの間違いに違っている。そうだそうだ。

 ! 箱を見ると、「レンジで少しチンしてから食べると良い」的なことが書いてあるじゃないですか。そうだ。作ってから時間が経っているからマズかったに違いない。レンチンをすれば蘇生するに違いない。いやあビックリした。そんなマズい筈はないよね!

 チーン。

 というわけで、食べる。うへぇ、甘さが際立って余計マズくなった……。

 ……。

 何か悪い夢を見ているようだった、とはこういう時のことを言うのでしょうか? あれ程、美味そうだったドーナツが。見る影もなく。過度な期待をし過ぎてしまっただけに落胆も大きかったです。

 「みんないらないっていうから食べてよ」

 僕は落涙した。『ちびまる子ちゃん』の松茸の回を思い出していた。そして、モリモリとドーナツを食べた。食欲さえ満たされれば、空虚になった心が少しでも埋まるかもと思ったからだ。

 ~♪

 これがカリっとフワっとクリスピー・クリーム・ドーナツさ! ハワイではみんな箱買いする程の人気で、日本の新宿店でも1時間待ちは当たり前。レア中のレアフードなのさ~♪(良く分からない曲)

 ――そして、完食した。お腹いっぱい。ゲップ。

 ……。

 みんな並んでいるから、マスコミが取り上げているから、といった話題先行型には注意が必要ということなのでしょう。もしかしたら、僕や僕の家族の舌がおかしいだけという可能性もあります。そうだったら、どんなに幸せなことだろう。

 夢を叶えてしまったら夢ではなくなった、と言ったのは誰だったでしょう。幻想のままの方が良いということもあるんだな、とセンチメンタルジャーニーに浸る僕。

 しかし、事態はこれで終わりではなかったのです。

 も、もう1箱あるッ!?(声を裏返しながら)

 そ、そうだった。みんな箱買いしているということは、我が家が2箱買っていたとしても何の不思議もないわけで。折角、話題のものを買うのだから2箱くらいはキープしておこうという心理状態になることは想像に難くなかったのです。

 唯一、想定外だったのはクリスピー・クリーム・ドーナツの味だけ。

 結局、残ったクリスピー・クリーム・ドーナツは近所の人に配られたのでした。「雑誌やマスコミで話題のドーナツのお裾分けです」という枕詞付きで。

 お終い。

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#080806

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