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2007年05月02日 / 『それは舞い散る桜のように』の感想

◆コラム・論評 ==============================================
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 ほいみんの旅  第8回
                『それは舞い散る桜のように』
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  ボンディア! ほいみんです。部屋に冷房のない私は、この時期いつも
  「ひーこら、ひーこら」言ってたりします。一応、人類の至宝「扇風機」
  のお世話にはなっているのですが、あれって「首振り固定・風力強」以
  上の力は出せないじゃないですか。まあ、この気怠い感じってのもそれ
  はそれで悪くないんですけどね。――負け惜しみじゃなくて。

  さて。そんなこんなで今回はBasilの『それは舞い散る桜のように』につ
  いてのコラムです。事前に配布された大ボリュームの体験版が各地で好
  評だったようで、私もそれに追随した人だったりします。良作の大作っ
  ぽさを体験版から感じとったんですよね。だから、購入しようと。そん
  な動機です。

   ▽Basil
   http://www.basil.co.jp/

             * * * * *

  |おっすオラ舞人! 1年くらい前に、この桜坂へ引っ越してきたんだけ
  |ど、ちょっと過去の記憶が曖昧だったりするんだ。でも、まあそんな
  |ことは気にせずに、平凡な日々を過ごしてたりする。もうすぐ、学園
  |の2年生になるけど生活の方も大して変わらないだろう。受験生になる
  |のは来年だし。さあ、そういうわけで、今日も安穏な1日が始まるぞっ。

  腕組みして唸りたくなるシナリオです。とにかく、後半の描写不足が否
  めない感じで、前半を書き終えた時点で燃え尽きてしまったという感が
  強いです。前半のシナリオでそれぞれのキャラが確立し、さあ本題へと
  なるところであっという間に終わります。前半、あれだけじっくり描き
  ながら、後半は実にあっさり。残念ながら、尻窄まりという表現がピッ
  タリです。後半は時間がなくて、無理矢理まとめあげたとも邪推できて
  しまいます。

  そういうわけで、大風呂敷を広げすぎた感があり、煮詰め具合もいまい
  ちなわけですが、それでも溢れるんばかりのパワーは充分に伝わりまし
  た。様々な部分に妥協を感じさせつつも、それなりのものを仕上げてき
  たライターの手腕は見事だと思います。

  平たく言えば萌えに特化したアドベンチャーなんですが、その特化した
  部分の出来が素晴らしいんですよね。テキストを読み進めるのが楽しか
  った。何気ない会話シーンにも、プレイヤーを楽しませる仕掛けが施さ
  れており、退屈しないでプレイできましたです。

  とにかくイベントを見たい。テキストを読みたいと思わせる吸引力。ま
  た、思わずニヤリとするシーンから、大爆笑のシーンまで盛り沢山。ラ
  ブラブのシチュエーションでは、机を「ばんばん!」と叩きたくなるほ
  どに赤面、エロシーンではキスや愛撫など前戯描写の豊さ丁寧さに思わ
  ず没入。この辺の良さが、この作品の真骨頂だと思いますです。

  ただ、リズミカルにテキストを読ませられなかったのが×。悪い意味で
  語彙が豊富なせいで、テンポを崩しています。文系の知識が豊かで、そ
  の類のシーンが結構あったりするのですが、そんなのスムースに読めな
  いっす。ちょっと暴走しちゃったかなーと。1ページを読むのに時間が掛
  かっちゃうんですよね。さっ、さっ、さっ、と小気味良く読ませること
  ができれば、もっと楽しめたと思いますです。私が無知なせいもあるん
  ですけど。

  で、そのテキストを引き立てているのが物語を彩る登場人物達。マニュ
  アルに載っているキャラだけでも男6、女12の合計18名。この手の作品
  にしてはかなり多いです。この辺からも大作っぽさを感じました。ちな
  みに攻略可能なのは5名。半分以上がサブキャラという構成です。あま
  りにサブキャラが充実しているので、攻略不可能なのがもどかしかった
  くらいです。立っている割には、ほとんど見せ場のないキャラとかも多
  かったのですが、この辺にも煮詰め不足、妥協を感じましたです。

  ただ原画が……。絵柄は好きな部類なのですが、基本的にデッサン狂っ
  てます。「顔だけしか書けないんか」とか揶揄されてもおかしくない勢
  いです。前作である『21-TwoOne-』の頃から変化していないのを見ると、
  こういう作風ともとれるのですが、それにしても違和感ありました。ポ
  ーズの取り方とか躍動感なくて、人形みたいでしたし。表情などは良く
  描けているのですが、身体の動きとなると……う~んです。

  ですが、フルボイスへの拘りは見事だったと思います。主人公以外は野
  郎キャラも含めフルボイス。チョイ役でも喋る。どの声優さんも巧かっ
  たし文句なしです。Basilは今回初音声収録とのことですが、それは大成
  功だったと思います。偽名ながらも緑川光氏とか引っ張ってくる力の入
  れよう。これについては見事としか。度肝抜かれましたです。

  なんというか、完全版で見たかった作品です。シナリオの煮詰め不足を
  個々のテキストで補えてしまってはいるのですが、仮にシナリオの方も
  最後まで上手くいっていたとしたら。大風呂敷を畳みきることができて
  いたら。ちょっと震えますね。この完成度で、すでにライターの目指し
  た最高の形になっているとするなら、単に私の過大評価ということにな
  りますけど、それはないと思いますし。というか、明らかに後半変でし
  たし。

  何にせよ、これから先、どういう風にBasilが進んでいくのか非常に楽
  しみです。頑張ってくださいです。

 【 ほいみん 】―――――――――――――――――――――――――

     霊長類最強のエロゲーマー。淡々と物事を語ることから、冷たい
     人物像を想像される方が多いが、実際は何も考えていないだけ。
     特技は自分を必要以上に大きく見せること。苦手なのは現実世界
     で「ほいみんさん」と話かけられること。

           E-mail: webmaster@hoimin.com(←今は使えません)
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2002年 7月10日 稿

コメント

これの続編、結局出ませんでしたね。もし出ていたら、ほいみんさんが言う様に凄い作品になっていたんでしょうか。

『俺たちに翼はない』でしたっけ? が続編にあたると思うんですけど、未だに出ていないという恐ろしさ。↑が発売されたら、きっと凄い作品なのだと思います。

されど輝く夜空のような・・・

出るかも?

版権取り返したみたいだし

あごバリア氏次第

俺翼は正直なかった

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