◆コラム・論評 ==============================================
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ほいみんの旅 第8回
『それは舞い散る桜のように』
──────────────────────────────────ボンディア! ほいみんです。部屋に冷房のない私は、この時期いつも
「ひーこら、ひーこら」言ってたりします。一応、人類の至宝「扇風機」
のお世話にはなっているのですが、あれって「首振り固定・風力強」以
上の力は出せないじゃないですか。まあ、この気怠い感じってのもそれ
はそれで悪くないんですけどね。――負け惜しみじゃなくて。さて。そんなこんなで今回はBasilの『それは舞い散る桜のように』につ
いてのコラムです。事前に配布された大ボリュームの体験版が各地で好
評だったようで、私もそれに追随した人だったりします。良作の大作っ
ぽさを体験版から感じとったんですよね。だから、購入しようと。そん
な動機です。▽Basil
http://www.basil.co.jp/* * * * *
|おっすオラ舞人! 1年くらい前に、この桜坂へ引っ越してきたんだけ
|ど、ちょっと過去の記憶が曖昧だったりするんだ。でも、まあそんな
|ことは気にせずに、平凡な日々を過ごしてたりする。もうすぐ、学園
|の2年生になるけど生活の方も大して変わらないだろう。受験生になる
|のは来年だし。さあ、そういうわけで、今日も安穏な1日が始まるぞっ。腕組みして唸りたくなるシナリオです。とにかく、後半の描写不足が否
めない感じで、前半を書き終えた時点で燃え尽きてしまったという感が
強いです。前半のシナリオでそれぞれのキャラが確立し、さあ本題へと
なるところであっという間に終わります。前半、あれだけじっくり描き
ながら、後半は実にあっさり。残念ながら、尻窄まりという表現がピッ
タリです。後半は時間がなくて、無理矢理まとめあげたとも邪推できて
しまいます。そういうわけで、大風呂敷を広げすぎた感があり、煮詰め具合もいまい
ちなわけですが、それでも溢れるんばかりのパワーは充分に伝わりまし
た。様々な部分に妥協を感じさせつつも、それなりのものを仕上げてき
たライターの手腕は見事だと思います。平たく言えば萌えに特化したアドベンチャーなんですが、その特化した
部分の出来が素晴らしいんですよね。テキストを読み進めるのが楽しか
った。何気ない会話シーンにも、プレイヤーを楽しませる仕掛けが施さ
れており、退屈しないでプレイできましたです。とにかくイベントを見たい。テキストを読みたいと思わせる吸引力。ま
た、思わずニヤリとするシーンから、大爆笑のシーンまで盛り沢山。ラ
ブラブのシチュエーションでは、机を「ばんばん!」と叩きたくなるほ
どに赤面、エロシーンではキスや愛撫など前戯描写の豊さ丁寧さに思わ
ず没入。この辺の良さが、この作品の真骨頂だと思いますです。ただ、リズミカルにテキストを読ませられなかったのが×。悪い意味で
語彙が豊富なせいで、テンポを崩しています。文系の知識が豊かで、そ
の類のシーンが結構あったりするのですが、そんなのスムースに読めな
いっす。ちょっと暴走しちゃったかなーと。1ページを読むのに時間が掛
かっちゃうんですよね。さっ、さっ、さっ、と小気味良く読ませること
ができれば、もっと楽しめたと思いますです。私が無知なせいもあるん
ですけど。で、そのテキストを引き立てているのが物語を彩る登場人物達。マニュ
アルに載っているキャラだけでも男6、女12の合計18名。この手の作品
にしてはかなり多いです。この辺からも大作っぽさを感じました。ちな
みに攻略可能なのは5名。半分以上がサブキャラという構成です。あま
りにサブキャラが充実しているので、攻略不可能なのがもどかしかった
くらいです。立っている割には、ほとんど見せ場のないキャラとかも多
かったのですが、この辺にも煮詰め不足、妥協を感じましたです。ただ原画が……。絵柄は好きな部類なのですが、基本的にデッサン狂っ
てます。「顔だけしか書けないんか」とか揶揄されてもおかしくない勢
いです。前作である『21-TwoOne-』の頃から変化していないのを見ると、
こういう作風ともとれるのですが、それにしても違和感ありました。ポ
ーズの取り方とか躍動感なくて、人形みたいでしたし。表情などは良く
描けているのですが、身体の動きとなると……う~んです。ですが、フルボイスへの拘りは見事だったと思います。主人公以外は野
郎キャラも含めフルボイス。チョイ役でも喋る。どの声優さんも巧かっ
たし文句なしです。Basilは今回初音声収録とのことですが、それは大成
功だったと思います。偽名ながらも緑川光氏とか引っ張ってくる力の入
れよう。これについては見事としか。度肝抜かれましたです。なんというか、完全版で見たかった作品です。シナリオの煮詰め不足を
個々のテキストで補えてしまってはいるのですが、仮にシナリオの方も
最後まで上手くいっていたとしたら。大風呂敷を畳みきることができて
いたら。ちょっと震えますね。この完成度で、すでにライターの目指し
た最高の形になっているとするなら、単に私の過大評価ということにな
りますけど、それはないと思いますし。というか、明らかに後半変でし
たし。何にせよ、これから先、どういう風にBasilが進んでいくのか非常に楽
しみです。頑張ってくださいです。【 ほいみん 】―――――――――――――――――――――――――
霊長類最強のエロゲーマー。淡々と物事を語ることから、冷たい
人物像を想像される方が多いが、実際は何も考えていないだけ。
特技は自分を必要以上に大きく見せること。苦手なのは現実世界
で「ほいみんさん」と話かけられること。E-mail: webmaster@hoimin.com(←今は使えません)
――――――――――――――――――――――――――――――――
2002年 7月10日 稿
2007年05月02日 / 『それは舞い散る桜のように』の感想
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コメント
これの続編、結局出ませんでしたね。もし出ていたら、ほいみんさんが言う様に凄い作品になっていたんでしょうか。
Posted by: 名無しホイミニスト | 2007年05月03日 15:53
『俺たちに翼はない』でしたっけ? が続編にあたると思うんですけど、未だに出ていないという恐ろしさ。↑が発売されたら、きっと凄い作品なのだと思います。
Posted by: ほいみん | 2007年05月03日 18:47