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2007年05月16日 / 『I-DOLL』の感想

◆コラム・論評 ====================================
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 ほいみんの旅  第9回
                       『I-DOLL』
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  ジェアグゥィチエルモジン! ほいみんです。いやー、暑い日々が続い
  てますね。暑かったなー、とか思ったら次の日はもっと暑くて、その次
  はもっと暑くて……の繰り返しで、その内、地上が干上がってしまいそ
  うな勢いです。

  さて。そういうわけで、今回取り上げる作品はIMAGE CRAFTの『I-DOLL』
  です。マニュアルを見ると「3年半掛かった」とか、「過去に出した作品
  の6倍の時間を費やした」とか書いてあって、驚嘆しましたです。開発
  期間1年でも長いと言われているこの業界で3年って。

   ▽IMAGE CRAFT
   http://imagecraft.product.co.jp/

             * * * * *

  |主人公といつも一緒にいた幼馴染みの汐音愛。彼女の夢は世界中の人
  |に愛を与えることのできるアイドルになることだった。しかし、その
  |夢は愛の事故によって消え去ってしまう。それから2年後。ある日何
  |気なく撮った写真に愛の幽霊が写る。降霊術師いわく、愛はアイドル
  |の夢を捨てきれずにこの世をさまよっているとのことだった。彼女の
  |夢を叶えるため、主人公は降霊術師の力を借り、愛の魂を生命人形に
  |宿す。しかし、生命人形として愛がこの世にいる時間は限られている。
  |その限られた時間内に、愛をアイドルとしてステージに立たせること
  |はできるのか。

  力作です。凄いです。そうとしか表現できないのは貧弱な私の語彙が貧
  弱だからなのですが、とにかくこのマンパワーのかけ方は半端じゃない
  です。最初の5分をプレイしただけで、それとわかります。こりゃ時間
  掛かってるなぁと。

  大体において良くアニメします。目パチ口パチは勿論のこと、ヒロイン
  が振り返ったりだとか、ガバッと抱きついて来たりだとか、車移動のシ
  ーンでは背景が動いていたりだとか、みんな動いてます。これは確かに
  3年半掛かりますですよ。作画枚数5000枚は伊逹じゃないです。

  形式の方は、オープニングだけはmpgのムービー再生なのですが、他はみ
  んなプログラムで動いています。凝った服を着ていたり、髪の毛なども
  結構描き込んであるキャラが動いているのは感動的でした。特に凄かっ
  たのが、フリフリのアイドル服でのエッチシーン。技を通りこして、意
  地を感じたくらいです。

  そういったわけで、エロシーンのアニメも力入っており、「キス→愛撫
  →胸揺れる→フェラ→クンニ→挿入→ピストン運動→フィニッシュ→精
  液飛び散る」といった一連の動きも網羅されています。キャラによって
  過程に大小があることは確かですが、概ねこんな感じ。まぁ、枚数が少
  な目であったり、同じアニメの使い回しなどがあったりはしますが、気
  にならない程度です。

  攻略可能なのは8人。ここで言う「攻略」とは「行為可」という意味で
  す。いやはや、8人分ものエロアニメを作ってきたのはさすがに凄いで
  す。この仕事っぷりは、ホント見事としか言えないです。

  しかし、アニメーション以外の見所はというと……。――う~ん。良く
  も悪くも普通なんですよね。シナリオ、キャラ、しっかりと作っている
  ことは確かなのですが、及第点程度かなぁと。なんか突き抜けているも
  のがないんです。そういうことで、以下はそれらについて書いてみます
  です。

  まず、舞台が芸能界です。それは良いのですが、その芸能界というのが、
  フリフリのウンコもしないようなイメージの清純派アイドルが売れ線と
  いう芸能界です。登場人物も、その清純派に、元気天然系、耽美、キザ、
  何か影を持っている事務所の社長、嫌がらせをするライバルたち……。
  一体何年前の出来事なのかと。ちょっと古臭いイメージが付きまとい過
  ぎます。というか、この手の芸能界物の世界観ってみんなこんな感じじゃ
  ないですか。ですから、画一的なものも感じてしまいましたです。

  そして、奇跡から始まる奇跡のストーリー。起承転結しっかり作られて
  おり、山あり谷ありのストーリーで悪くないです。愛の復活から、アイ
  ドルデビューへの道、他いろいろ、ラストへ……と丁寧に描写されてま
  す。ラストも結構盛り上がりますし、感動もできます。――ですが、抜
  けているものがありません。特筆すべきものがありません。何か1つで
  も、印象に残るイベントがあれば良かったのですが。それがありません
  でした。

  でもって、一本道です。バッドエンドがあったり、他のキャラとの蛇足
  的エンドがあったりはしますが、基本は一本道で愛とのストーリーです。
  愛に萌えられなければ、面白さが半減してしまう内容です。しかし、そ
  の愛のキャラがまた癖あるんですよねぇ……。「ドジでおっちょこちょ
  い。人の言うことを聞かない。天然で頭が悪い」キャラ萌えなんて、人
  それぞれなんですけど、この愛に関してはマイノリティにしか受けない
  キャラなんじゃないかぁと思いましたです。

  それとは逆に、印象に残っているのが凄惨なバッドエンドでしょうか。
  サスペンスなお話でもないのに、やたらと主人公が死にます(笑) 文
  字通りのバッドエンドばかりで、これはこれでアリのような気がしまし
  た。選択肢一つミスっただけで死。その落差が面白かったです。

  そんなわけで、締めなのですが、「金と時間にゆとりがあったら買い」
  という感じです。あとはアニメゲー好きな方。この手の込んだ作品を多
  くの人に見て貰いたいなぁという気はするのですが、シナリオやキャラ
  という点で「是非に!」というところまではいかないんですよね。

  【 ほいみん 】―――――――――――――――――――――――――

     記事を書くにおいて、一番時間の掛かっているスペースがここ。
     次に時間が掛かっているのが編集後記。次に時間が掛かっている
     のがあらすじの部分。そんな風に、割とどうでも良いことに全力
     を費やすのが好きだったりする人。

           E-mail: webmaster@hoimin.com(←使えません)
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2002年 7月19日 稿

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