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2007年05月30日 / 友達の山田君(仮)

 ――僕は、童貞です。

 未だ、童貞。

 童貞だから、人間として未熟。

 故に、とても恥ずかしい。

 今考えてみると――これについて深く考えるようになったのは高校1年生のときからでした。友達の山田君(仮)に付き合っている彼女がいまして、まぁ会話の最中からそれについての話題が提供されるわけです。

 キスしたとか、乳揉んだとか、そういう話は今考えればアホらしいのですが、当時の僕にとってはかなりドキドキするものでした。女体の神秘とでも言いましょうか。想像力豊かとでも言いましょうか。めくるめくワンダーランド。まぁ、高校生ってそういう生き物ですよね。ガツガツしているんですよね。

 でもって、ある冬の日。唐突に山田君が言ったのです。

 「週末、彼女とエッチするんだー」

 なんていうか、とても衝撃的な告白でした。自慰経験すら数回しかなかった僕にとって、エッチなんてものはリニアモーターカークラスの近代科学、摩訶不思議、有り得ないことだったわけです。AVすら見たことがなかったわけで、具体的にどういった行為なのかすら知りませんでした。もちろん、なんとなくはわかるのですが、その場で相手を用意されて「ヤレ」と言われもできなかったでしょう。そんなシチュエーションあるわけないけどね!

 そんなこんなで、週末を終えて、翌週の月曜日。

 彼からの報告は

 「生理中でできなかった。乳揉んだだけだった」

 というものでした。すげー、リアル。

 その時の僕の心情は「安堵」。別に山田君の彼女とは面識もなく、何に安堵したのかはわからなかったのですが、今考えれば彼がまだ自分と同じ童貞だということに対する安堵だったのでしょう。

 自分だけ童貞だと莫迦にされる――そんな劣等感。脱童貞した瞬間、彼は遠くに旅立ってしまうのではないか? 僕は仲間外れになってしまうのではないか? それが怖かったのです。

 そういうわけで、彼がまだ童貞だと知って、僕はほっと胸を撫で下ろしたのでした。良かった。良かったよー。

 だが、しかーし。結局、一週間遅れただけで、彼はすんなりと脱童貞してしまいました。

 そして、どこか遠くへ行ってしまいました――。

 現実って、とても無情です。

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