※ テキストサイトを読む感じでお読みください
話題のラーメン屋があった。
それは地元のローカル雑誌で何度も取り上げられて、新聞でも特集されて、兎に角その評判をやたら耳にするラーメン屋だった。
なるほどなるほど、そんなに評判良いなら食べにいこうじゃないか、ということで3人で食べに行ったのです。
そこにはガソリンスタンドを改装したお店がありました。どう考えてもガソリンスタンド。ポルナレフ風に言うなら「俺はラーメン屋に行こうとしていたんだ。けど、気付いたらガソリンスタンドにいた。何を言ってるのかわからないかもしれねーが、俺にもさっぱりわからないのだが……」 っていうか、この店の前しょっちゅう通っていたけど、まったく存在に気付かなかったよ! これがラーメン屋なのかよ! ガソスタじゃねーか!
けど、ラーメン屋。高名な建築家がリフォームした……とかではありません。ガソリンスタンドの跡地を再利用したラーメン屋だったのです。まるで素人の日曜大工。強引に椅子や机を並べ、お店にしている感じでした。勿論、綺麗とは言い難い。でもまぁ、ローカルのラーメン屋ならこういう店構えもありかなとは思ったんですけどね。ワイルドな感じっていうのでしょうか(便利な言葉だ)。
でもって、店内にはラーメン王の……なんだっけ? あの有名人。ことある毎にテレビに出ているあの人。“ラーメン王”の名前で有名な。昔『テレビチャンピオン』で優勝したこともなるあの人。あの人のサイン色紙が飾ってあって「おいしいです」とか書いてあったんですよ。
店構えの不安さとは裏腹に、これは評判通り期待できるのかも? と思ったわけです。我ながらミーハーな思考回路に辟易なんですけど、ラーメン王のお墨付きがあるなら問題ナッシング。へいき、へっちゃら!
で、次にメニューを見たわけなんですけど……高い。普通ので945円。グレードがアップした奴はみんな1000円オーバー。ラーメン屋でこの価格設定はゴイスですよ。ここがザギンなら、この価格設定でも許されるかも知れませんが、ここは群馬の片田舎。表参道ではなく、表農道がある街なのです。500~600円がいいところです。そこを945円に設定しているのだから、これは強気。余程、味に自信があるに違いない!
というわけで、注文。運ばれてきました。
「……こ、これは!?」
昆布と鰹の濃厚なダシの香りが漂ってくるではありませんか!
けど、美味そうなラーメンの臭い……というよりは、みそを入れる前のみそ汁の臭い。独創的なのは間違いありませんが、とてつもない違和感がそこにはありました。しかも、臭味が残ってる! かなり残ってる! これでは第一印象が最悪になってしまいます。第一印象が大事だって、高校の面接練習の時に習わなかったのでしょうか。
麺は手打ちだというのがひと目でわかるランダム麺。細麺とうどんの中間くらいのサイズの麺です。けど、太さがバラバラです。ランダムです。
でもまぁ、肝心なのは味。仕舞いよければ全て良し。問題ナッシング。そう思って一口麺を啜る――!!
「……」
「……」
「……」
誰も何も言えませんでした。本当に、文字通り、何も言えない。店内では何も言えない。
一言で言えば凄い味でした。みんなも凄い味と言っていました。なんというか、それしか言葉が思い付かない。様々な味が口の中で爆発する……というのは、こういうことを言うんですね。とにかく……いろんな味が口の中で広がるんです。
僕は塩を注文したんですけど、他の面子が注文した醤油やみそも食べてみたんですね。そしたら、醤油やみそはもっと凄かった。ラーメンの固定概念を覆すとでも言うのでしょうか。とにかく凄かったです。
会計を済まし、店から出た途端、口を合わせて言いました。
「もう二度と来ることはあるまい」
ま、そういうわけだからいいのです。僕達とその知人が犠牲者になることはもうないわけですから。
けど、他県から来た人がこれを食べて「群馬県民ってレベル低いなー」って思われることがとても無念。無念なのです。
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◎思ったこと
1、宣伝すればお店は繁盛する
→ ローカルメディアでもいいから、じゃんじゃん使ってバンバン宣伝すれば、お客って来るのだなぁと思いました。僕が来たときも結構混んでいたものですから。大事なのは宣伝してお店のブランド力を高めることみたいですね。有名になれば、お金を取っても許される、みたいな感じはしました。
2、“ラーメン王”は嘘吐き
→ あの麺を美味しいと思うのは、相当舌がアレな人だと思うんです。“ラーメン王”を名乗っている人は、アレを美味しいと言ってはいけない。
けど、もしかしたら、当時と味が変わった可能性もあるんですよね。僕としてはそっちの可能性の方を信じたいというか。変わってしまったのだとしたら、それはそれで問題なんですけど……どうなんだろうなあ。
3、基本的に人はミーハー
→ 日本人的なナショナリズムかも知れませんが。評判のお店という括りに興味を惹かれてしまうのかも。みんながメガマックを食べたように、バーガーキングに2時間並んだように、クリスピー・クリーム・ドーナツに1時間並んだように、話題のラーメン屋があればそこに行ってしまう。
◎まとめ
まぁ、アレだ。今回の件で僕が思ったのは、こんな稚サイトでも宣伝すればアクセス増えるのかなぁということですよ(結局それか)。でも、ネットにおいて宣伝と魂を売るは紙一重。取り敢えずは、今のままやっていこうと思ったのでした。