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2007年07月13日 / 喧嘩を目撃した

 いつの話だったか。酔っぱらって、23時くらいに駅の周りを歩いていたんですよ。そしたら、タクシー拾って、公園にでも行って花火でもしようか――みたいな話になったんです。花火なんて中学生の時に学校の校庭で遊んで大目玉くらった時以来じゃん――と思いつつも、そんなもんだからワラワラと歩いていたわけです。ワラワラと。4人くらいで。

 ここがいわゆる繁華街だったなら、この時間でも人通りが多くて賑やかだったかも知れないんですけど、まぁそんなトコではなかったわけですよ。もう終電も終わっていたし、人通りなんてまるでなかった。殺人事件とか起きてもおかしくないくらいの不気味な雰囲気がありました。

 けども、僕ら一行は酔っぱらいなわけですから、殺人鬼とか放火魔とか通り魔とか、なんでもゴザーイというテンションなわけですよ。この世界で一番タチの悪い生き物が酔っぱらいなわけですから、それは仕方のない話なわけです。

 周りがいくら静かでも関係ない。だって、怖いものなんて何もないわけですから。

 だもんで、闊歩していたわけです。端からみたら、迷惑集団に極まりないんですけど……まぁみんな若かったんだと思う(便利な言葉だ)。っていうか、周りには人なんていなかったんだから、迷惑も糞もないよね。

 そんなこんなでタクシー乗り場へ。普段だったら、タクシーなんて高級なモノ使うわけがありませんが、この時は無敵だったので大丈夫。平気、へっちゃら! というわけです。

 駅のタクシー乗り場には、一台のタクシーが止まっていました。終電を逃した客を拾う為に待っているのか? それともただ単に待っていたのか? そういうのはわからないんですけども、一台止まっていたわけですわ。

 これは丁度いい。と、僕たちはそのタクシーに向かってテクテク歩き始めました。

 そしたら、乗り場に近づくにつれて、シルエットに違和感を覚えてきたんです。建物があって、タクシー乗り場の看板があって、タクシーが停車している。そんな光景に違和感が。

 良く見るとオッサンとOLが何やら話していました。話の内容はよくわかりません。内容がよくわからないよう。……ごめんなさい。えーとですね。話の内容はわからなかったのですが、ただごとではない雰囲気を放っていました。……喧嘩?

 男の方がもの凄い剣幕ですし、女の方は何やら泣いている。これは恐らくマジ喧嘩。端からみると恋人同士……というよりは、上司と部下の不倫カップルにしか見えなかったわけですが、真相はよくわかりません。

 兎に角何やら言い争いをしている。「わかれる!」「わかれない!」とか、そんな内容。こんな夜中に何をやっているんだか、という感じなのですけど、男女の世界っていう奴は複雑なのでしょう。

 何やらヘンテコリンな場面に出くわしてしまったな、と僕は思いました。昼ドラか何かで出てきそうなチープな場面。喫茶店で水をかけられる男、みたいな。ここでは男が女に別れ話をしているような感じでした。でも、女は男と別れたくない、みたいな。

 まぁ、そんな言い争いがいくらか続いていたのですが、やがて女が何か喋ると、男がいきなり女を殴りました。

 「!」

 まさしく昼ドラ! こ、これは! 不倫の別れ話のもつれ!? 傍観者の下世話な想像が膨らみます。当事者にとってみれば、これほど腹立つ話もないわけですけど、他人の不幸は密の味とかなんとか。

 ただ殴られただけならまだしも、何やら血まで垂れています。鼻血だ。当たり所が悪かったみたいだ。ポタポタと垂れる血を手で押さえ、床に座り込む女。駄々をこねるこねる。いい歳こいた女が子供のようにごねるごねる。

 そのままの硬直状態が1分くらい経ったでしょうか。男は埒があかないと判断したのか、女を引きずるようにしてその場から去って行きました。会話は断片的にしか聞こえてこなかったのですが、最後のセリフは「わかった! 取り敢えず警察行こう!」でした。自分で相手を殴っておいて、警察に行くなんて非効率な話にも程がありますが、それが男女関係のもつれという奴だったのでしょう。

 そんなわけで、タクシー乗り場はいつもの雰囲気を取り戻しました。僕達は気を取り直して、タクシーへと乗り込みます。

 「何か喧嘩みたいなのやってましたね」
 「男女のもつれみたいっスよ。いやあ、去ってくれて良かった。あんなの乗せたくなかったから」

 アリーナにいたタクシー運転手はごもっともな感想を僕達に述べてくれて、話の内容を終始教えてくれました。まぁ、大体は想像通りの展開。

 世の中では色々なことが起きますが、傍観者は気楽。なるたけ傍観者でいたいものです。

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