◎はじめに
この作品は2005年の5月27日に発売されているのだけど、なんとその日は『マブラヴ オルタネイティヴ』が発売予定だった日なのである。『オルタ』をプレイする為に他の予定を入れなかったり、学校を休んだりといった有姿がいる中で、事前に有給を使って休みを入れていた猛者も当然ながらいた。さらには志半ばでお亡くなりになった方もいた。
『オルタ』をプレイすることが出来ないフラストレーション。切なかった。無念だった。何の為に予定を開けていたのか。何の為に有給を使ったのか。考えれば考える程、虚しさだけが残るわけであり。内容がエロゲであるから尚更。
そんなストレスを少しでも解消する為には、他のエロゲをプレイするしかなかったのである。何か話が飛躍しすぎているような気もするが、細かいことを気にしてはいけない。
まぁ、例えるなら、外食へ出かけたら目当ての店が休みだったので、仕方なく他の店に入った、と言ったところだろうか(全然違う)。
しかしながら、そのお店が思いの外美味しかったのである。日常生活では割と良くある話だけど、エロゲの世界ではかなりのサプライズ。
というわけで、『プリンセスうぃっちぃず』のレビューです。
◎キャラクター
全体的に明るい感じで◎。ボケと突っ込みと観客に区別されており、わかりやすい。あまり悩まず、深く考えず、ただひたすら爽快に。読後感のことよりも、活躍している最中を見るのが楽しい。
少年漫画みたいな世界に憧れて突っ走る主人公、それに呆れる幼なじみ。それを傍観している者。ドジな先生。そして、主人公が憧れていたそのまんまのヒロイン。
各々がそんなに悩まないのも◎。アクシデントが発生しても、そんなに悩まないでなんとかしてしまう(笑) そういうノリ。
◎シナリオ
ドタバタ青春活劇。『きんぎょ注意報』みたいな感じで明るく楽しく元気良く。一応、敵も現れるので、そこはバトルで撃破。
お話は基本的にギャグ。そこらかしこに笑わせる要素が盛り沢山で、『それは舞い散る桜のように』みたいな感じ。マニアックなネタもあり、NHK教育で昔放送していた『安全パトロール』の歌を唄ったりもする。
勿論、それだけだと話が終わらないので急展は開する。大風呂敷が広がって収集つくのか? と心配にさせる。けど、基本的な明るさは変わらない。最初から最後まで変わらず。一直線に突っ走って収束する。
これはね。ギャグのノリのままで、物語をキチンと終わらせた点が凄いと思う。鬱だとか、悲惨だとか、そういう負の要素を極力省いている。制作側の「プレイしていて楽しい作品にしたい」という意図がガンガン伝わってきた。そういう明るい内容。
◎システム
オーソドックスなエロゲAVG+カードバトル。大体はAVGなのだけど、たまに敵が現れて戦闘になる。戦闘はカードバトル。連鎖の要素があり、爽快感を大事にしている感じ。エフェクトも派手。カードバトルそのものはFFのミニゲームクラスの出来だけど、エロゲということを考えたらかなり頑張っていたと思う。
バトルルールは『アカギ』で例えるなら相手牌のみが透けているクリア麻雀みたいな感じ。主人公側が超有利なルール。ただ、点棒の差がかなりあるので、それでバランスを取っている。
AVGのシステムも結構凝っていた。セリフウインドウが変化したり、様々な動きがあったり、絶妙なタイミングで効果音が鳴ったり。動作もサクサクで◎。
あとはアニメの次回予告風のアバンタイトルが用意されてあったり、オープニングムービーが凝っていたり。大作感のあるデコレーションだったと思う。
◎音楽
曲数が多くて良い感じ。これを見ると、本作が大作として作られているのがわかる。勿論、作品テーマに沿った明るい感じの曲が多い。バトル音楽ではファミコン風の音楽も用意してあり、作者の拘りが感じられる。
◎絵
かんなぎれい氏の原画。あとモンスター原画のところに元タクティクスの娘太丸さんの名前を見かけたりして、なんだか懐かしい気持ちに。
ぱっと見て印象に残るデザインの方だと思う。現在のエロゲ市場で受けやすい絵柄とでも言うか。まぁ、ロリ要素が強いというのもあるのだけど。
◎エロ
唐突感は拭えない(笑) 明るく楽しく元気良くのノリそのままで、エロにも突入しちゃう。けど、手を抜いているわけではなく。作品の世界観の中で、最大限の努力はしていたかなーと。
◎総評
初期版は既にロットアップしているけど、現在は追加要素を加えて値段が安くなった『プリンセスうぃっちぃずEXCELLENT』として発売中。
発売直後は評価良くなかったけど、今ではそれなりに良作として認識されている感じ。その後、スタッフが『ぱじゃまソフト』の別ブランド『リリアン』を立ち上げたところを見ても、本作は大成功だったんだろうなぁと思う。
何しろ発売してから2年経っているのにも関わらず、次回作『ティンクルくるせいだーす』が発売されていないくらいですよ? ってか、1月には発売予定だった筈のなのに随分と余裕あるなあと。資金面で随分と余裕ができたのね。
本作では納期を意識してシェイプアップしたなと感じる部分が、結果的に作品のクオリティを上げていたけど、そういうのがなくなると……どうなるんだろ? ……注目です。
コメント
個人的に演出がやたら凝っていた印象があります。特にバトルのスピード感はエロゲにしては珍しいんじゃ。
あとタイトルの「うぃっちぃず」が巧いなぁと。後半のムービーで「おぉ」とか言ってました。
Posted by: 名無しホイミニスト | 2007年07月29日 21:25
あの演出で確実にゲームとしての寿命が増してましたね。実際はスピード感もクソもないのですけど、良い演出でした。
うぃっちぃずは確かに上手かったです。なんというか、全力投球な内容でしたね。
Posted by: ほいみん | 2007年07月30日 21:08