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2008年04月13日 / 『RanceVI ランス6 ゼス崩壊』の感想

◎はじめに

パッケージ画像 良く考えてみたら、『ランス6』の感想を書いていなかったので、せっかくだから記しておきます。正式なナンバリングタイトルとしては実に……何年ぶりなのでしょうか(笑) 『4.1』や『4.2』『鬼畜王』『5D』は正式なナンバリングとは意味合いがチョイ違いますからね。…えーと、これが発売されたのが2004年8月27日で、『ランス4』が1993年12月11日だから……実に11年ぶりですか。よくぞここまでっていう感じですよね。

◎キャラクター

 あのランスが帰ってきた! 懐かしい! という感情は『5D』の時に使ってしまったのでありませんでした(笑)なんだろう、表現するのが難しいな。と書いていて気付いたのだけど、あの当時のままのLP4年のランスワールドが再現されていたと思います。ランスがバカやって、他がそれを正して、大事件が起こるけど、結局どうにか一件落着みたいな流れとでも言いましょうか。だって、『4』から10年以上経っているわけですよ。時代だって随分と変わりましたし、作っている人達だって色々と変わった筈なんです。だから、普通だったら当時と同じようには作れないと思うんです。ですが、その辺りの齟齬が全くなかった。普通にランスしてたのが凄かったです。ぶっちゃけ、ファンタジーエロゲは当時は結構あったような気がしますが、今は殆どないわけで、そういう意味での古臭ささえ感じてしまったくらいですよ。金髪モコモコのシィルとか今のエロゲのトレンドとは全くずれていますが、当時のままでしたからね。逆に「これは今のユーザーに受け入れられるのか?」と心配してしまうくらいなわけで。だからこそ、表現するのが難しいと。あれですね。現代用にアレンジするのではなく、敢えて当時の設定そのままで勝負してきたところに面白さを感じました。
 まあ、個人的にはランス君は鬼畜王Verが好きなので、本作のは微妙なところがあるんですけどね(笑)

◎シナリオ

 言わずと知れたランスワールド。ルドラサウム大陸を舞台に繰り広げられるランスとシィルの冒険活劇。と、書くともの凄くベタなファンタジーを想像してしまいますが、既存設定をカリカチュアライズしたとでもいうか、独自の味付けをしたとでもいうか、デタラメな要素を数多く組み込むことで新しい世界観を作ってしまっているというミラクルな内容です。大勢のキャラクターが入り乱れる超大作。超大作ですが、物語の舞台は大陸の4分1程度しか出てこないという風呂敷の広さ。ゼス一国だけが舞台なのに、良くここまでできるよなぁと思ったわけで、あと20年後くらいには完結しているのでしょうか、とか思ってみたり。
 でもまぁ、大体はサブイベントです。大まかなストーリーは至ってシンブルでわかりやすいです。ただ、ゼス一国のみが舞台になっている故の弊害はありますね。魔人軍の総大将ともいえるケイブリスがいるのにも関わらず、本作では四天王カーミラまでしか出てきませんし、その他、いろいろと制限があって爽快感に欠ける部分は多いです。ケイブリスを倒さないと、平和になった気がしない(倒しても平和にはなりませんが)。けどまぁ、シリーズ物でその中の一節が『ランス6』なわけだから、仕方がないことは確かなんですけどね。これを覆す為には作品の度に「実はもっと凄い奴がいた」を繰り返さないといけませんし。

◎システム

画像 RPGとはいってもフィールドマップはありません。『ロマサガ』みたいなMAPでAVGのような構成になってます。『俺屍』みたいな感じで拠点があって、そこからイベント選択してストーリーが進行していく…というシステムですね。
 ダンジョンには『ウィザードリィ』『女神転生』ライクな3Dダンジョンシステムを採用しています。これがまた渋い。「この手があったか」という感じで、とても懐かしくもあり、逆に新鮮でもあり。当時のダンジョンシステムに現代のアレンジがされており、なかなか通好みな内容にはなってました。ただ、これは人を選ぶと思います(笑) 楽しさを理解するのに少々の時間が必要で、少し取っ付きにくいです。というのも、ダンジョンがサクサク進めるようなものになってないからなんですね。じっくりと一歩一歩イベントを潰しながら進んでいき、何回か撤退→回復→再度突入を繰り返すことで、ようやく攻略可能なバランスになっているのです。この辺りの時間のかかり方はテンポ悪いです。好きな人には溜まらんバランスなのですが、好みに合わないとあっという間に投げてしまいそうな、そんな危険なシステムです。
 戦闘のシステムは……あまり印象にないかも。前衛3人、後衛6人の6人パーティーで色々とスキルなどがあって、戦略の幅を広げることのできるシステムにはなっているのですが、どこかで見たことのあるような感じは否めないです。多分、わざとそうやっているのだとは思うのですが、それだったら『ランス4』みたいなタクティカルバトルの方が楽しめたかも知れません。

◎絵

 織音氏がメイン原画です。あとはモンスターとか、パットンとか、ちょっとしたキャラで他の絵師も参加してます。この頃になると、織音氏の仕事は職人芸というよりはプロ中のプロになってますね。どれだけの引き出しがあるのか。一人で凄まじい量の原画をあげ、尚かつ塗りの仕事までやっているわけですから、完全なるプロフェッショナルですよ。この手の仕事って普通は枯渇していくものだけど、織音氏は未だ現役ですからねえ。それは凄まじいもんがあります。

◎音楽

 ドラアタ氏が担当ですね。ドラアタ節とでも言えばいいのか。渋めの音楽が揃っている感じです。テイストは『大悪司』に近いと思います。ああいう感じの任侠がテーマになってますかね。

◎総評

画像 プレイ時間は恐らく30時間以上かかるかと思います。一気にプレイするとシンドイので、1日2時間くらいずつちょっとずつプレイすると楽しいかな、という内容ですね。ちょっとずつ、じわりじわりとプレイすることで楽しめる一作。逆に連続で10時間とかプレイしちゃうときっと詰まらない。そういう感じの足枷要素満載。
 根底にあるのは「昔のRPG」なのかも知れません。あの当時にあったお使い要素、繰り返し要素、ゲームテイスト、そういうのを古臭く感じさせないように、現代版として持ってきたのかなぁと。
 何にせよ、貴重な存在だと思います。他に追随を許さない、ここだけが作れるゲーム。まぁぶっちゃけ、DSゲーム向きなシステムのような気もするのですが、それを言っちゃうときっとアリスソフトのアイデンティティが崩壊してしまうので、この辺りで。

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