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2008年06月15日 / 『ザ・マジックアワー』の感想

 ◎最初に
 いわずもがな、三谷幸喜映画監督作品の4本目です。『みんなの家』で一軒家を作り、『有頂天ホテル』でホテルを作り、今作では街を作ってしまったというデタラメさ。スタジオを3つぶちぬいてそこに3ヶ月かけてセットを作ったというのだから、なんともゴージャスな話。映画で世界征服しそうな勢いがありますなあ。
 監督自らがテレビに出て宣伝しまくりだったので、多くの方がストーリーの断片を知っていることでしょう。1本目の『ラジオの時間』が1997年公開ということで、4年に1本ペースですね。ただ3本目の『ザ・有頂天ホテル』の公開が1996年だったことを考えると本作は有頂天が終わってからすぐにとりかかった計算になります。なんというか、凄まじい仕事量ですよ。『みんなの家』から『有頂天』までは5年かかってるのにね!

 ◎内容
 ヤクザのボスの愛人に手を出してしまった備後(妻夫木聡)がその罪を帳消しにする為に言われたことは伝説の殺し屋「デラ冨樫』を探してくることであった。が、そう簡単に伝説の人物が見つかるわけもなく。備後が考えたのは売れない役者・村田大樹(佐藤浩一)を騙しデラ冨樫殺し屋の代役として連れてくるというものであった。確実にバれるという状況下の中にありながら、村田の役者魂と奇跡の連発で危機一髪の状況を乗り越えてゆく。

 ◎感想
 監督自身がテレビに出演しまくり「最高傑作」と連呼した結果、ハードルを上げに上げまくってしまい正当な評価ができない状態になってます(笑) 正しい評価が下されるのは1年後くらいになるのではないでしょうか。…と、なぜこんなことを書くのかというと、現時点での私の評価がそれほど高くはないからです(笑) や、決して詰まらなかったわけではないのですよ。爆笑できるシーンもかなりありましたし、全体的なまとまりもあった。あの設定、あのキャラクター、あのシナリオの作品として考えれば、95点以上の内容にはなっていると思います。中期以降の三谷作品に見られる「設定だけで後は尻窄み」ということもなく、最初から最後までジェットコースターの如く駆け抜けています。これまでの三谷映画の中では最高傑作…というのも間違ってはいないでしょう。作品の完成度は高いです。練って練って、試行錯誤を繰り返して…というのがとてもよく伝わります。
 しかしながら、なぜに奥歯に物が挟まったような物言いをしているのかと言いますと、それでも『王様のレストラン』や『古畑任三郎』のクオリティには達していない悲しさがあるからなわけですよ。千石武や古畑任三郎のようなキャラがいるわけでもなく、「殺しのファックス」のようなシナリオ的な面白さがあるわけでもなく、「ヘルメットの首相(隕石の回)」のようなぶっ飛びがあるわけでもなく。
 それもこれも敷居を上げまくった三谷幸喜が悪いと思うんですけどね(笑) 1年後くらいに見たら、また違った印象になったかも知れません。
 それとあれですよ。「ボスに偽物とバレると殺される」という緊張感が笑いの足枷になっていたように思います。一歩間違えれば殺されてしまうような緊張感が走っていると、観ている側もハラハラドキドキしてしまうというか。笑いよりも安堵の方が先行してしまうわけですね。もうちょっと平和さがあった方が楽しめたかなと。
 そういうわけで、期待して見に行くと「あれ?」と思うかも知れません。古畑とか王レスとか知らなくて、コメディとか殆ど観たことがなければ◎。

 ◎最後に
 しっかし、三谷幸喜さんは相変わらずの売れっ子ぶりですね。やはりコメディ書く人が他にいないってのが強みなのでしょうか。今回、興行収入的には『有頂天』を超えられるか微妙なところですけど、それでも大ヒットには間違いないわけで、これからも東宝は三谷幸喜を伊丹十三の如く使っていくのだろうなぁと思いました。

 ◎どうてもいいこと
 あ、あくまで個人的な話ですが、コメディ映画の最高傑作は洋画では『ホームアローン』、邦画では『ぼくらの七日間戦争』だと思います。

コメント

厳しいなぁw
でも三谷愛が溢れてるので分かりする。

僕的には、佐藤浩市が面白かったので◎

 ですかね? 『有頂天』も最近みたら面白かったですし、この作品も1年後くらいにまたみたら評価があがると思います。

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