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2008年12月09日 / 『闘神都市III』の感想

◎はじめに

パッケージ画像 前作が発売されたのが14年前ということで、ここまで時間が流れてしまうと最早「待っていた」を通り過ぎて、「何もなくなって」しまうものなのですが、いざ作品が発表されますと、身体の中に眠っていた感情が呼び戻されたとでも言いましょうか、兎にも角にもワクワクワクワク期待と興奮で囲繞されてしまったわけあります。
 まぁ、あれですよね。ここにきて漸く作られたというのは、今まで作られなかった理由がクリアされたからだと思うじゃないですか。10年前くらいにアリスCDで書かれていた「これまでと似たようなプレイ感になってしまうのが気に入らない」とかそんなTADA氏の拘りがクリアされたのだろうと。何かこれまでのシリーズとは違う何かが閃かれ、実装されているのであろうと。
 ですが、蓋を開けてみますとプロットやらシナリオやらはTADA氏ではなく、ふみゃ氏となっており、これはまあ結局のところ、このままでは思い描いていた『闘神都市3』にいつまで経っても到達しないという結論に達したのかなぁと思ったりしました。だからまぁ、譲ったのかなぁと。まぁ、仕方がないですよね。あまりにも時間が経ちすぎてしまいましたし。
 あ、今回はそこそこのバレ内容になっておりますので、その辺を覚悟してお読みください。では。

◎キャラクター

画像 凄まじい程のキャラクターが登場し、主要キャラはフルボイス。でもって、殆どの女性キャラクターにエロシーンがあるという凝りよう。別に無くても問題なさそうなキャラにまで、エロイベントがねじ込まれており、スタッフの意地を感じました。「○○にエロシーンがないってのはどういうことだー」という意見を無しにしよう、みたいな拘り(まぁ、クリちゃんにはなかったけど)。これは感動に値するレベルだと思います。拍手喝采。
 どのキャラも特徴があり、感想が数行は書けそうなくらいに印象に残ってます。一朝一夕のアイデアではなく、練って練って練り込まれた結晶によるキャラクター群になっているなぁという印象。
 が、残念なことに主人公ナクト・ラグナード君のキャラクター像がイマイチでした。昔のギャルゲーの主人公を劣化したような感じで、空気が読めず、その場の感情に動かされて行動することもしばしば。そういった無鉄砲さ、青臭さというのは、コロコロコミックみたいな少年漫画の主人公ならアリなのかも知れませんが、エロゲのそれとしてはストレスの方が溜まってしまうかなーと。最初にそういった青臭さを見せておいて、段々と成長していくのかと思ったら、最後まで同じでしたからね~。何の為の時間経過だったのか。
 あとはあれですね。レメディアと羽純のダブルヒロインにあまり萌えられなかったのが残念なところかも知れません。別にどこが悪いとか、そういうのはなかったのですが、如何せん周りにいるキャラクター達の灰汁が強すぎるので、正統派ヒロインの存在感がなくなってしまったのでした。

◎シナリオ

画像 全体を通してみれば、とても良くできていると思いました。1年目で負けて、2年目に突入したり、さらにその後を用意していたりといったボリュームであったり、本編に厚みを増す為のサブイベントであったり、またアジマフ・ラキ、ぶるま大使といったナクトとは直接対戦しない大会参加者の描写などなど。また、個人的に大きかったのは『ランス』で今後描かれることはないであろう世界観の補完だったでしょうか。この設定を『ランス』で使われることはないだろうなぁと思っていた様々が使われており、コロンブスの卵的な感動を覚えたりしました。そうだよなあ。別に『ランス』だけでルドラサウム世界観を描く必要もなかったんだなぁと。尤も、テェロ・エティエノの性格があんな普通なのには疑問を覚えましたが(笑) あれではあまりにも普通すぎる。神様よりも悪魔の方がまともそう、みたいな。
 まぁ、2年目、闘神編になるにつれて、息切れしている感が強くなっていったのは残念だったところだと思います。全体的なボリュームは充分なのにも関わらず、その振り分けがうまく出来ていなかったことで、尻切れトンボみたいな感じに。特に闘神編のイベントの少なさは……゚:・( つдT)・:゚ 親父達が6年も探索して25階までしか達していないのに、ナクトは1週間で25階から30階まで到達してしまうというアンバランスさはどうにかならなかったのでしょうか。これだったら無理に闘神編は作らず、もう少し2年目のボリュームを増やして、闘神後はイベントで一気にラスボスとかの方が盛り上がったかと思います。恐らくはスケジュールの管理不足。プロット通りに制作するも、思ったよりも1イベントのボリュームが増えてしまい結果、最後までそのペースを維持できなかった為ではないでしょうか。
 ちなみに好きなイベントは、鉄騎臣さん関連とか、タタール家関連とか、シン回想関連(『ジョジョ』みたいな設定の有効活用)とか、ポロロムさん関連辺り。特にタタール家関連は良くできていたと思います。伏線の貼り方から落ちの付け方まで、『闘神3』で屈指の出来だったのではないかと。正直、このネタは最後の方まで取っておいた方が良かったと思います。この後に、カエルとか、扇風機とかやってもギャグにしか見えませんでした~。

◎システム

画像 ダンジョンを探索し、お宝を集めてレベルアップをし強くなりながら、闘神トーナメントを勝ち抜いていく…という流れのRPGです。今更ながらこの「トーナメントを勝ち抜いていく」、というのをRPGで採用したアイデアは凄いですね。
 ダンジョンは見下ろし型、戦闘は1vs1で敵が3Dで動きます。バトルのシステムはリアルタイム進行で行動ウエイトがなくなった方から攻撃できるという内容。エフェクトの間もウエイトはなくなっていくので、基本的に素早ければ素早い程有利になります。
 1vs1のバトルでも幅を持たせられるように用意されているのがスキルで、端的に云えばFF5のアビリティみたいな感じでしょうか。決められた数をセット可能で、状況に応じて付け替えることで戦略に幅…を持たせようとしたつもりなのでしょうが、実際のところはうまくいってません(笑) 強スキルを付けていけば、ゴリ押しでなんとかなってしまうという内容。イチイチ付け替える面倒さはなかったですが、それもどうなのか……と。まぁ、新しいスキルを覚えていく楽しみというのはありました。
画像 戦闘のシステムそのものは微妙なところだったと思います。雑魚相手ではまぁ良かったのですが、ボス戦となるとどうしても大味になってしまいます。1撃でやられさえしなければ、勝ててしまうシステムですし、緊張感に乏しかったかなーと。というか、今回、作品を通して1回しか全滅しませんでした。これもゲームとしてどうなのかと。
 それとですね。3Dにして一番残念だったのが、敵のバリエーションに限界があったということだと思います。女の子モンスターのパターンも7つ(×2で14種類)しかありませんでしたし、雑魚敵も色違いのパターンで数を増やしているのが多かったです。昔のファミコンみたいな。
 で、本作の肝になってくるのが付与システム。『D&D』であったのを改良した感じですね。アイテムを武器に付けまくっていくことで、攻撃力、HP(本作では活力)等々がバンバン上昇していくというシステムで、主人公が弱くても剣さえ育っていれば強くなってしまうという、なんとも反則的なシステムとなっています。
 …これがですね。結構問題とでも言いましょうか。や、システムそのものは面白いものだと思うのですが、『闘神』に合っているのかと言えば疑問が残らずにはいられません。だって、あれですよ。主人公を育てて強くするから楽しいのに、それが剣の力によるところの方が強い…って風になると、なんだかモチベーションが下がってしまうじゃないですか。「おまえは弱い、剣が強いだけだ」とか言われても。その通り過ぎて。
 まぁ、尤も『闘神3』そのものが付与システムありきで始まったプロジェクトのようなので、改善の余地はなかったのかも知れませんが。
 あとですね。全体的に作りが温すぎます。キチンとフラグを立てないと先に進めない辺りが親切すぎるとでも言いましょうか。や、勿論構わないのですが、それによって窮屈な感じになっているのが残念なのであります。これまでのシリーズの場合、フラグを立てずともトーナメントで闘うことが可能だったわけで、「なぜ勝てないんだろう? 何かイベントを進める必要があるのかな? だったら、それは何処にあるのかな?」みたいな楽しみが結構あったわけなんですよ。それが今回、全くないわけであり。ここまで簡単にしなくても…とは思いました。

◎エロ

 イベント数、かなり多かったです。CG枚数も多く、アリスのRPG、SLGの中では過去最大級なのではないでしょうか。全体的に描写も丁寧で、良い出来のものが多かったです。なんというか、ここまで盛り込まなくても…と思うくらいのイベント量。毎日、毎日、エロが氾濫しまくりで、カオスな感じでした。この世界は…一体何なのだ!
 まッ、そういう風にエロで溢れているからこそ、後半の展開に納得ができないのでありますす(笑) 囚われた羽純や京子がなぜ無事だったのか? まるでわからない(湯浅準教授)。黒幕がそっち方面に興味がなかったから、となっていますが、天使でハーレムを作ったボルトもいますしねえ。そのボルトは親父を街に出してエロ三昧させたりしましたし、羽純と京子が無事だった理由付けが甘すぎます。レメディアはまぁわかりますが。
 ぶっちゃけ、本当のところは「『陵辱はつけないで』というユーザーの声が大きかったとわかってるんですけども、すげー違和感があったので書かせて頂きました。

◎どうでもいいこと

 ラスボスの一部が女性の身体になっているグラをみて吹いたのは僕だけでしょうか。最早、お約束の造形だもんな~。

◎音楽

 Shade氏が担当。街の曲のアレンジが流れてきた時点で、涙腺が緩んでしまいました。これも歳かねえ。個人的にはトーナメントのバトル曲が一番好きかも。アップテンポではないのだけど、なぜか燃えるという不思議な感じ。全体的な出来はまぁ良くもなく、悪くもなく。まぁ、ラストの盛り上がりは『ぱすちゃ1』の頃から鉄板でしたね。

◎声

 鉄騎臣の声優が大塚明夫氏にそっくりでビックリ。良くここまで似たような人を捜してきたものだなぁと感心することしかり。あとは子安武人が出ていても、もはや誰も注目していないことにビックリ(笑) 普通になりましたなあ。数年前なら、「子安ww」みたいな感じで弄られたというのに。

◎総評

画像 プレイ時間は30数時間くらいだったでしょうか。なんだかんだで、とても楽しめたと思います。発売から一気にエンディングまでプレイできたのがその証拠。ただ、プレイ後のやりこみ要素という点で残念なところはあったかも知れません。1回クリアしたら、もうそれで充分、みたいな。強敵は用意されており、成長させた主人公を活躍する場はあるのですが、ダンジョンに潜りレベルを上げ、アイテムを集めるという行動をする気になれないとでも言いましょうか。シナリオを進めていく過程においては、問題なかったのですが、それ単独となると出来ないという…。ちょっと残念ですね。
 何にせよ、じっくりチマチマと進めていくのが楽しい作品かと思います。

コメント

レビュー待ってました。

戦闘システムに期待してたんですが、シナリオの方が良いんだったらやってみようと思います。

最近の場合、とりあえず私がクリアしてレビューを書けたという時点である程度の及第点には達していると思って頂いて結構です。
戦闘は、ちょっと経験値アイテム稼ぎをすると強くなってしまうので、ゲーム進行なりに進める(経験値稼ぎをしない)ことが重要です(笑)

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