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2008年12月31日 / 『428 封鎖された渋谷で』の感想

◎はじめに

パッケージ画像 ふと思ったのですが、ここ数年は「○○年ぶりの続編! 新作!」みたいな作品ばかりをプレイしている気がします。『大悪司』しかり、『ランス6』しかり、『闘神都市3』しかり、『To Heart2』しかり、エトセトラエトセトラ。「○○年ぶりだ」のバーゲンセールとでも言いましょうか。そんな懐古的なのもどうかと思うのですが、新しいものを探求していく力が衰えているのだから仕方がありません。この作品も『街』から10年ぶりですよ。10年て。まだこのサイトすらなかった……いや、ありましたね。

◎キャラクター

画像 今回のメーン主人公は5人ということで、前回よりも3人減っています。これは人数を減らした分、各々のボリュームがアップされている、というわけではありません(笑) 全体的にコンパクトに。身の丈にあったボリュームになっているとでも言いましょうか。ですがまぁ、これは仕方のないところだと思います。採算の合う可能性はなかったと思いますし、取り敢えず形にしてくれただけでも有り難かったです。限られた枠内で精一杯のことはやっていますし、印象は悪くないです。むしろ良い。
 何よりも役者さん達の演技がいい。それは『街』の時にも思ったことですが、やはり実写の良さというものを改めて実感しました。「正義感溢れる刑事」なんて、オーソドックスなキャラだとしても、役者さんが演じることでリアリティが生まれ、印象の深いキャラになってます。てーか、これ、実際に演技をしながら撮影していたんですね。メイキング観ると、実際にセリフを声に出していますし、もう映画の撮影と何ら変わりのないわけで。実際は止め絵で、音声も入らないのにも関わらず。贅沢にも程があります。
 ちなみに個人的に一番気に入ったのは御法川。彼がいなかったら、作品の評価は下がっていたでしょう。『街』と対比されないような作りの中で、唯一『街』に出てきそうなキャラを作ってくれたことに感謝です。

◎シナリオ

画像 概ね、良作エロゲレベルのシナリオだと思います。や、貶めているわけではないですよ。色々とアイデアが盛り込まれており、それなりにハラハラドキドキ、ビックリ仰天な展開も用意されているのですが、『劇場版名探偵コナン』みたいに優等生過ぎたのが個人的には残念でした。今の時代にドンデン返しで吃驚させるは難しいとでも言いましょうか。普通だったなー、と。
 上でも書きましたが、基本的に『街』とは対比されないようなシリアス色の強い内容です。『街』ではそれぞれの主人公でバラバラの事件でしたが、今回は主軸が同じ。また5日間ではなく、10時間のストーリー。当然、ボリューム的には『街』よりもダウンしています。まぁ、メインのライターが一人しかいないのですから仕方ありませんが。
 一番残念だったのが「遊び」の部分が少なかったことでしょうか。5日間の渋谷に無限の宇宙が広がっていた『街』に対して、単に濃密な10時間に過ぎなかった『428』。や、『街』とは切り離してセールスしている以上、比べるのも間違っているとは思うのですが……ごめんネコ。

◎システム

画像 概ね、『街』と同じシステムです。演出面でパワーアップしてはいますが、内容は一緒。「ザッピング」のことを「ジャンプ」、「続く」のことを「キープアウト」と名称を変更してはいますが、やっていることは変わってないです。やー、懐かしい。10年前の感覚が蘇りましたよ。この震えるような感覚を味わう為に、数年ぶりのゲームを買うのだろうな、と思いました。
 それとキモなのがバッドエンド集めですね。バッドエンドを回避して、グッドエンドを目指すのが普通の作品ですが、この作品ではバッドエンドを収集することをゲームシステムに組み込んでいるという逆転の発想。それも優れたバッドエンドが多数あればこそですね。バッドを観るのが楽しいから、わざと間違った方向に主人公を導くというサディスティックさがなんとも言えません(笑) まぁ、『街』の時よりもエンド数は減っていますが、あの独特の感じは健在でした。

◎音楽

 映画やらドラマやらでお馴染みの佐藤直紀氏が担当。そう言われてみると、ゲーム音楽というよりは邦画音楽という感じが強いです。これはこれでなかなか良かったのではないでしょうか。

◎総評

画像 撮影期間2ヶ月、撮影枚数12万枚とか、凄まじい程に金がかかっているのにも関わらず、『街』よりもスケールダウンを感じるのが悲しいところです。てーか、『街』って一体いくら掛かったんだろうと。
 まぁそれは兎も角として、この作品に関してはプレイできたことに感謝したいと思います。インタビューの映像とかを見ている限り、セガの偉い人に『街』ファンの人がいたっぽいですね。それでプロジェクトが始まった、みたいな。恐らく、採算が合わないこともわかっていたのだと思います。それでも(『街』ほどではないですが)これだけの金をかけて作品を出してくれたのだから、それはもうアプリシエイト。男の浪漫ですよ。
 『街』が好きだった人でWiiを持っているなら、取り敢えずやっておくべき作品だと思います。

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