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2014年07月05日 / 『ランス9』の感想

◎はじめに


パッケージ画像 というわけで、『ランス9』の感想なのであります。私が初めて『ランス』シリーズに触れたのが1998年にプレイした『ランス1』だったので、それから16年が経ちました。ゲームのシリーズでこれだけ長くプレイした作品は他にないです。『ドラクエ』も『FF』もやらなくなってしまいましたし、本当にこれだけ。

 そう考えると感慨もひとしおと言いますか、随分と長く付き合ってきたなあと。そのシリーズがあと1作で完結するというのは、寂しくもあり、TADAさんお疲れ! でもあり。とにかくまあ、いろんな気持ちがコントラストしているわけなのですよ。

 そういう意味では、ニュートラルな感情で感想を書けるわけがなく。基本的にアリスソフト寄りになってしまうのは仕方のないことであります。

◎キャラクター

 主人公ランス。こちらの見方の問題かも知れませんが、やはりとりさん時代とは違いますね。『ランスクエスト』の時はとりランスの流れを引き継いでいましたが、『ランス9』ではまた違うランスになってます。具体的には「強すぎる」「格好良すぎる」「運が良すぎる」ですかね。『ランス01』の時にも思ったのですが、『鬼畜王』で神格化されてしまったランスを『ランス6』で戻した筈が、また元通りになっちゃったというか。スーパーマンっぷりが半沢直樹みたいです。やられたらやり返す(以下略)。昔の「他のゲームだったら、確実に悪役として登場している」的な極悪さはもうありません。常にヒーロー。時代の流れとか言いたくないけど、時代の流れか。

 もう一人の主人公がパットン。出番は多いのですが、戦闘面でのパフォーマンスが微妙なのでイマイチ存在感がないという…。ガード職の性能が生きるようなシステムになっていれば、また違った感想になったと思います。

 あとは全体的にキャラを絞って、一人ひとりにスポットが当たるようにしたのは面白い試みだったです。謙信とかメリムとかバッサリカットしたみたいですし、その分、キャラ描写が濃くなっていたかなあと。

 ただ、基本的には『鬼畜王』からあまり変化なかったのが残念なところ。や、勿論いろいろ変わってはいるのだけど、マイナーチェンジに過ぎないというか(シーラ除く)。『6』のラガールやラインコックが衝撃的だったので、それクラスのものを今回も求めてしまったのかも。ミネバが途中であっさり退場する、くらいの覚悟はしていたのに~。

◎シナリオ

 いろいろずるいよな~。そもそも『ランス3』が終わったときから伏線張りまくりだったわけで。そのときから、パットンはヘルマン革命へと向けて動いていたわけで、それがようやく回収されるというのだから、面白くならないわけがないとでも言うか。ナンバリングの『ランス』だけならまだしも、様々なところでパットンが出ていた分、得られるカタルシスは大きいですよ。

 そして『ランス3』から『ランス9』への繋ぎ方が秀逸。いろいろと思いつきの部分が多かったであろう物語を、よくぞここまでブラッシュアップしたというか。世界観の設定こそ、『ランス3』の時点で完成されていたものの、細かいテキストについては稚拙だったわけで、その続編となると色々とやっかいだった筈なんですよ。ゴールデンランス作戦で敵を出し抜くとか、勢い重視のテキストだから許されたわけで、今だったら絶対に無理。

 ストーリー全体としては良い話が多い印象。ちょっと感動させるいい話というか。恐らくはぷりんさんがずっと暖めていたネタが放出されたんだろうなあと。

 これまでのシリーズはシステム>シナリオな印象でしたが、今回は逆。それはそれで良いのですが、レリューコフやバステト(ついでにネロ)とのバトルまでテキストで済ませちゃうのは勿体なかったです。シミュレーションゲームだから、なんとかならなかったのか。

 あと『戦国ランス』で健太郎が魔人になった時は「この物語にHAPPY ENDINGはないな」と思ったのですが、この作品を見ていると、ちゃんと収束させそうな希望が見えたのは良かったです。

 ただ、未消化の伏線多くて『ランス10』で完結できるとは思えないというか。勿論、全部が全部、きっちり纏めて終わらせろ、とは思いませんが、それにしたって押さえなければならないポイントが残りすぎているという印象。大丈夫なのだろうか…。

◎システム

 『ママトト2』です。『ランス9』のロゴの影が『ママトト2』になっているのではないか? と確認したくらいです。『DALK』『かえるにょぱにょーん』『ママトト』『かえるにょ国にょアリス』『ままにょにょ』『わいどにょ』を経て、ここに至ったのかなあと。『ママトト2』を出すならこんな感じのデザインになるのではないか? そのままの形ですね。

 キャラの方も『ママトト』に寄せており、真田透琳を『戦国ランス』で生存させたのもこの日の為だったんだろうなあと。いろいろ細かいところまで『ママトト』オマージュしていて凄いです(オルオレ・ザ・サードとか)。

 今回のテーマである「少人数が大部隊を倒す」にピッタリのシステムになっており、ギリギリで敵を全滅させた時の爽快感はなかなかのものです。ただ基本的には温めのバランスなので、個人的には物足りなさを感じました。『ランス6』のマヒや付与、『戦国ランス』の足軽、『ランスクエスト』のインパルス(初期)、みたいな“気付かせる仕掛け”が無かったのは残念。

 そして、ボス戦が面白くないです。沢山のHPを削っていくのが作業になってしまうというか。当たり判定があるマスを減らしたり、全体攻撃でバランスを考えてはいますが、いろいろ窮屈な印象は否めなかったです。だからこそ、レリューコフ戦やバステト戦もカットだったのかも知れません。

 あと今回、レベル制ではなく熟練度ポイントを振り分けて個別のパラメータを上げていくという成長システムになっているのですが、これがまた困ったもので…。才能限界が枷になっているから、仕方なく採用したとしか思えない完成度。これだったら普通にレベル制にして、才能限界を超えるアイテムを敵がドロップする…みたいな方が良かったかなあと。ほぼ、攻撃だけ上げていればそれで済むシステムなんですもの…。

 ただ、操作性は本当抜群で『ママトト』の時に「移動やり直し」という画期的なシステムが生み出されましたが、今回は「1クリック攻撃」が素晴らしかったです。敵を選択すれば、移動+攻撃が1クリックで済むというのは、長年培ってきた制作ノウハウがあってのことだなあと。

 そうそう、全然関係ないのですが、名前の表記がフルネームではなく「ステッセル宰相」とか「パットン」なのは、ステッセルの本名が別の名前になっていたというのをメタ的に驚かせる為だったのかな~と思ったり。

◎絵

 相変わらずかっけーです。ヘルマン仕様のランスの立ちCGだけでもう魅了されるというか。1軍から5軍までの1枚絵も格好良いです。

◎音楽

 『戦国ランス』のときに『鬼畜王ランス』のアレンジがあったので、今回は『ママトト』のアレンジがあるのかと思ってましたが…ありましたね! キターって感じでテンション上がって良かったです。やはりjusticeは名曲だと思いまする。

 で、justiceのアレンジが入っていたので、shadeさんなのかな~と思ったら違ったのですね。もう退社されているとはいえ、寂しいものがありました。

◎声

 相変わらずないです。ふと思ったのですが、『戦国ランス』の時は「声ないのか~」という意見が結構あったのですよ。それが今回は殆ど聞けてないのですね。それはつまり、新規のお客さんがいないのかな~と推測されるわけで。もう声無しに慣れている既存ユーザーのみが本作のユーザーなのかな~と。そう考えたら、少し寂しくなりました。

◎総評

 一つだけ致命的にダメだなと思うところがあって、それは「ラスボスの存在感のなさ」。ステッセルやミネバが超強化された存在とかがラスボスの方が印象強かったのではないかと思う。MMルーンというのもシリーズの中ではキーパーソンというか、割とデカイ扱いなのは間違いないのだけど、どうにも存在感が薄かったです。

 この作品だけなら満足できるボリュームなのですが、横と比較するとどうしてもスケールダウンは感じてしまいます。ゼスの将軍達や四天王がいて、レジスタンスのアイスフレームがいて、その対抗のペンタゴン、さらには魔人、無茶苦茶モードまであった『ランス6』、群雄割拠で妖怪がいて、魔軍までいた『戦国ランス』、カラーとAL教関連を纏めた『ランスクエスト』、それらと比べるとヘルマン革命だけの『ランス9』では些か物足りないです。例えるなら、闘神大会だけで終わってしまった『闘神都市』とでも言うか。

 思うに、『大帝国』以降のアリスソフトは作品のコストダウンが顕著なのです。OPムービーないですし、(構想は長いかも知れませんが)制作期間も短くなりました。これに関してはどうしようもないところがあって、もうこれ以上業界全体の売り上げが見込めない以上は、ある程度までいったら下がるのは仕方ないわけです。売り上げ見込みに見合ったコストでしか作品を提供できないのは仕方のないことなのです。

 そんな中でも「かけられるお金は少なくなったけど色々頑張ろう」というのが感じられる作品なわけで、CGやマップ数には十分なボリュームを感じましたし、これからも応援しようという気持ちは続いていくのであります。や、なんか不満っぽい感じで書いてるけど、そんなことはないのですよ。

 次回作は恐らく『ランス03』ですかね。トーマを強化したり、『ランス9』に繋がるパットンにしたり、色々見所が多そうなので楽しみ。ただ『01』みたいな感じで『03』やろうとすると、フルプライスなボリュームになりそうで、コスト的にいろいろ心配です。がんばれアリスソフト~。

コメント

このサイトがきっかけで鬼畜王をプレイしたなー、なんて思い出
積んでたけれど早くプレイしないと…

ランスクエストからドハマリした新参ですが、やり込み要素が突き詰めると攻撃力上げだけになってしまったのは残念です。それでもやっぱり面白かった。
シーラという存在は、ヒロインの形のひとつの極致だなと思いました。最終攻略目標が最速攻略目標で、一緒に戦い、物語と共に徐々に救われ、肌色差分で二度美味しい。各国の姫の中で一番好きになりました。

☆ななしさん

 何者なんすかw 鬼畜王リメイクはいつか
出ると思うので楽しみですね~。

☆アゴさん

 これまでは変化球でしたが、シーラは直球
でしたね。今回はゲーム部分よりもお話しを
楽しんで欲しかったのかな~と思いました。

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