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2018年04月30日 / 『ランス10』の感想

 『ランス10』の感想です。ネタバレ全開なのでOKという方のみお進みください。

◎はじめに


パッケージ画像 いよいよ『ランス10』です。私が初めてランスをプレイしたのが『館456』に入っていた『ランス1』だったので、かれこれ20年くらいの付き合いになります。1から順番にプレイし続けているものが完結する。なかなかの感慨ですよ。

 よくこんなの作ったな、と思います。ボリュームがとんでもないことは想像できていましたが、それを上回る内容。めちゃくちゃ高いハードルをさらに超えてきました! 大万歳の拍手喝采。完結作品としてこれ以上のものはありません。

 問題があるとするなら、シリーズものなのでそれまでの作品を体験していないと真の面白さが味わえないことくらいでしょうか。本作だけでも面白いとは思うのですが、キャラの把握に関してはどうしようもないです。1~9をプレイするしかありません。数百人いますので、本作だけではとても拾えません。シリーズものである、ということが最大の弱点でしょうか。

 悠久なる旅路の終焉。それを味わえて幸せでした。

◎キャラクター

 歴代最高キャラ数。最初から多いんだろうな、とは思ってましたが、その想像を超える多さ。既存キャラだけでも多いのに、正史未登場キャラに加えて新キャラもかなりいます。作っている人達は絶望的な仕事量だったことでしょう。

 多いだけではなく、それぞれのイベントも豊富です。戦慄走ったのはケッセルリンクのメイド達にまで裸イベントが用意されていたことです。そこまでやらなくても誰も文句は言わなかったと思います(笑)。モブキャラ以外は全員にイベントが用意されているのではないでしょうか。『マグナム』のCITY漫遊も凄かったですが、今回は食券イベントに加えて裸イベントのおまけまで付いてる。誰がこの仕様を考えたのか。尋常ではない充実っぷりでした。食券イベントだけで200人オーバー×2~3、+裸イベント、書いても書いても終わらなかったことでしょう。

 『ランスクエスト』の時も出せるキャラは全部出すというコンセプトだった気がしますが、本作はそれを上回る集大成っぷり。キャラを多く出してRPGを作るってノウハウを『ランスクエスト』の時に得てるなあと。出せるだけ出して、尚且つイベントも充実させたっていうのですから、それはもう脱帽しかありません。

◎シナリオ

 『鬼畜王ランス』以降のシリーズで一番問題だったのがストーリーの小出し。何せスケールのほとんどは『鬼畜王』で見せてしまったので、『6』以降はそれをなぞっている感が強かったです。勿論、大幅な設定変更などで「おおっ」と思わせた部分はあったのですが、カミーラ倒してもザビエル倒しても「このあとケイブリスいるからなあ」というのがどうしてもあった。

 まあ『鬼畜王』が特別なだけで、元々はこれくらいのスケールで見せるシリーズなのですが、一旦やっちゃったからには引き返せない。それはどうしようもありませんでした。

 が、これで完結なのです。いよいよケイブリスをぶっ倒せるのです。出し惜しむ必要がないのです。これがね。物凄いカタルシスでした。正史でケイブリスを倒す爽快感。新しいストーリーが見られる満足感。そうだよ。私が知りたかったのは続きなのだ。プレイしている最中に気づかされましたね。というか、これだったら『鬼畜王』パートは8くらいまでの表現してその続きで9以降を展開することも出来たのではないか? と思ったり。まあタラればなのですが。

 何にせよ、魔人リミッター(魔人を倒せるのは1作につき2体まで(笑))が解除されたのは大きかったです。ばったばった倒していく感覚は『鬼畜王』を彷彿とさせました。1作で10体以上倒せる! …素晴らしい! 単に倒すのではなく、一人ひとりにボリューミーなシナリオが用意されており、大事に魔人を扱ったのも◎。

 あとはユーザーが『鬼畜王』で知っちゃっている「詰んでる世界」についての回答が用意されているのも良かったです。ここはどうしようもない(と思っていた)からスルー、もしくは適当な感じで流すのかな~と思っていただけに、割としっかり描いていてビックリ。

 ランスとシィルの関係についても踏み込んだなあと。ぶっちゃけ、当たり前の二人過ぎて変に弄ると違和感あるぞー! と思ってたのですが、素直に受け取れました。ランスのキャラではないのだけど、あのシチュエーションを用意されたら…感動せざるを得ないよ!! 『ランス』で感情を揺さぶられるとは思わなんだです。

◎システム

 大雑把に言えば『ランスクエスト・マグナム』からの進化系なのですが、ほぼ新システム。『ランス』『闘神都市』『DALK』『GALZOO』『大〇〇』『イブニクル』などこれまでのアリスゲーで培ってきたノウハウをフルに投入した渾身作。マニュアルに「ランス10は、難易度が高めとなっています」と書いてある挑戦っぷり。

 毎回新システムなのはプレイヤーのレベルを1に戻したいからなのかな、と思います。同じシステムだとゲームを上手くなった感が味わえないというか。プレイヤーに自身の成長を感じさせるって重要だなと。1週目に苦戦していたポイントがすんなりいけたときは嬉しいですから。

 『イブニクル』の時に「ヌルいのだけど、絶妙に調整されている感が凄い」と思ったのですが、本作はその逆。「この一撃で倒せないと全滅」で倒せたことが3回くらいあったのが凄いです。もうね、見られているとしか思えなかった(笑)。

 CPが0だろうが14だろうが難しい。敵のHPが億超えてわけのわからないダメージの削りあいになっているのにバランスが取れている! 比較的好きな順番に魔人が倒せるのにそれぞれが難しく感じる! 芸術作品みたいでした。なんという黄金バランス・・・!

◎絵

 『戦国ランス』超えの引き出し。立ち絵だけで1000枚超え。開発に3年ちょいかかっているようですが、実際はそれよりも前から動いていたとしか思えません。魔人やらケッセルメイドなどは『6』くらいの時から、「出すときはこんな感じにしよう」と描きためていたのではないかなと。それくらいの前準備がないとできない仕事量です。いや、前準備があって尚且つ超速筆じゃないと無理。

 なんだろう、不思議なことに全キャラのデザインが素晴らしいと思えます。魔物隊長部隊から各魔人、妖怪、人間、亜人、それぞれに個性を感じます。デザインにやっつけ感がない。『デアボリカ』の頃から速筆で凄いイメージありましたが、さらに磨かれて究極進化を遂げたという感じ。織音さん凄すぎっす。

◎音楽

 魔人戦でontology流して、どこかの大ボス戦ではRough Edge流すんでしょ? と思ってましたスイマセン。魔人戦で新曲が流れて、それが素晴らしかった時点で気合の入り方が違うなと気づきました。過去最高です。毎回凄いのですが、今回はさらに凄い。過去の思い出ハードルを超えるには、その数倍のクオリティが必要だと思うのですが、超えちゃってます。というか、私は超えたと思いました。
 いやー、今回本当に曲がいいです。敢えて一番を付けるなら『Majin-Boss』。魔人戦の思い出補正がプラスされてるってのもあるのですが、新曲でそれが素晴らしいと思えるって相当ですよ。
 あとは『血の記憶』とか『Grand Ending Movie』とか、これまでの感情がリフレインしたのもあって良かったです。
 初回盤のアレンジCDは…攻めすぎですかねえ。いや、おまけCDだから攻めてるのか…。本編一通り終えた後にこれ書きながら聴いているのですが、結構ギャップあってびっくりしました。

◎総評

 『ランスクエスト』や『ランス9』の時に感じたのが、製作期間、人員、予算がキッチリ決まっていて、その枠内に収まるように作ってきたな…ということだったんですよ。あまり無茶をしないというか。営利企業なのだから、予算内で頑張ろうみたいな。まあそれは正しすぎる選択だと思うのですが、この業界に語り継がれる名作っていろいろ無茶苦茶やってるのが多いじゃないですか。延期延期で悲鳴悲鳴、みたいな。それはそれでどうかと思うのですが、クオリティの高い作品がそうやって産まれてきたことも事実です。

 そういうわけでいくら完結作とはいえ、アリスソフトなのだから“枠内”で頑張ってくるんだろうなあと思っていたのですが、蓋を開けてみたら無茶苦茶やってるじゃないかと(笑)。らしからぬ入魂作になってました。それでいて、原画もシナリオも『鬼畜王』よりも人数減っているというね。勿論、開発期間を長くとってカバーしているというのもあるのですが、スタッフのレベルアップという面も大きいよなあと。頭の下がるところです。

 あとは完結作というメッセージ性について思うところを。もともとは『ランス6』のアリスの館内で「多分、『ランス10』で終わります」とTADAさんがコメントしていたのが始まりだと思うのですが、本当に終わらせたのが凄かったです。勿論、『真・鬼畜王』とか『ランス04』といった展開はありますが、『ランス11』が出ることはもうないんだなと。そう感じる内容でした。

 このご時世、物語を完結させる意味って薄くなっていて、人気のコンテンツが出来たら続編続編、スピンオフスピンオフ、メディアミックスミックスで稼ぎ続けるのがセオリーになってます。ヒットを出すのが難しくなっていて、そうしないと会社が持たない。

 だから、ランスシリーズにしても新しい敵を出すなりなんなりで、『ランス13』くらいまで伸ばすこともできた筈なんですね。が、それをやらないで完結させた。それは多分、次の新しいヒット作を出す自信があるからなんじゃないかと。私はそう思ってます。あとは、他の終わらない作品に対するアンチテーゼ。TADAさん自身が「物語は完結させたい派」だったのではないかと。エゴといえばそれまでなのですが、私は支持したいです。

 そんなこんなで。

 点数つけるなら300点。『ランス10』やって『ランス11』もやって、おまけに『闘神都市0』まで入れてくれたんですよ。こんなに贅沢なゲームはそうそうない。てゆーか、『ランス2』の25年後が『闘神都市』の舞台って設定を滅茶滅茶大事にしているのが妙に気になりました(笑)。YORAとかアレキサンダーとかバッチリ出てくるし。美樹にせよ、初期の思い付き設定を大事にするって素敵ね。

 アリスソフトはこの作品を出す為に作られた会社だったのだと思います。ゴールインしたというか、燃え尽きたというか、それくらいの熱量を感じました。

 ただまあ、会社は続いていくわけでして。これからはその先を見ていきたいですね! これからのアリスソフトも当サイトは応援しています。

コメント

こんにちは。

twitterでプレイ終わった報告があってから、いつ頃感想上げるのかなと待ってました。

>『ランスクエスト』や『ランス9』の時に感じたのが、製作期間、人員、予算がキッチリ決まっていて、その枠内に収まるように作ってきたな…ということだったんですよ。
 同感です。
 これらも、ゲームとしては面白かったですが、良くも悪くもこぢんまりとした作りがプレイしてて感じられて、物足りないというよりかは、ちょっと悲しくなってしまっていました。
 今の御時世、ランスシリーズですら制約の中でしか作るしかないんだなって…。

 そういう意味で、これだけ作り込んで発売してくれたアリスソフトにはただただ感謝です。プレイしててとても心が満たされました。

 ランスシリーズとしての続編はもう無いかもしれませんが、同世界観の外伝はまたやりたいですね。二部もとても楽しめた派なので。

わあ、ツイッターチェックされていたのですね。

大体の文章は書けていたのですが、
少し寝かせてからアップしました。

ランス04と真鬼畜王はでると思ってるので、
それに期待ですね。

ボリュームに関しては本当に頑張ったなあと。

あと、WAOさんやとりさんがいなくても
最後まで完成させたTADAさんは天才だな、と。

二部は私も楽しめました。特に闘神都市。
でもこれで闘神4もなさそうだな、と思ったり。

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