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2021年03月15日 / 『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の感想

 というわけで、『シンエヴァ』の感想です。まあまあネタバレもありますので、OKという方のみどうぞ。

 ちなみに『Q』の感想がこちらで、『破』の感想がこちらで、『序』の感想がこちら

 「生きる気力を失ったまま放浪を続ける碇シンジ。たどり着いた場所が彼に希望を教える。ついに発動する補完計画。ファイナルインパクト阻止のため、最後の決戦を挑むヴィレ。空を裂くヴンダー! 赤い大地を失踪する、エヴァ8+2号機! 次回『シン・エヴァンゲリオン劇場版:▏▍』さぁ~て最後まで、サービス、サービスぅ!」

 2012年に公開された『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の時に流れた予告がこれでした。当時、『シン・エヴァ』は2013年公開となっておりましたが、結局のところ公開されたのは2021年の3月8日でした。庵野監督も60歳。当時10代、20代、だったファンも今や30代、40代に。結婚して子供が生まれ、子供と一緒に『エヴァ』を観た、なんてそれくらいの年月が流れたわけです。

 これは人生の節目のイベントで例えるなら、お葬式…ではなく、同窓会になるのかなと思いました。これを観ないと終わらないとか、答え合わせだとか、とにかく気になるとか、そういうモヤモヤが当時はみんなあったと思うのですが、これだけの年月が経つと結構どうでも良くなっているんですよ。なんだかなー、という気もするのですが、月日が流れるパワーってのはそういうものですよね。

 だから、本作において「受け取れなかった忘れ物を取りに来た!!!」みたいな感慨はありませんでした。この長い時の中でそんなものはとうに乗り越えてきたわけで、多くの人もそうだったのではないかと思います。冷めているとか、そういうことでもなく、ただ単純に時が流れて希薄になったということです。

 こういうユーザーの変化を監督は汲み取っていたのかわかりませんが、本作は素直に面白い作品だったと思います。元々はユーザーも監督も尖りまくっていたことで、すべてが精神崩壊するというバッドエンドだった旧劇場版(97年)。それから9年経って、今だったら素直にエンターテイメントとして完結できるかも知れないと思って始まった『新・劇場版・序』(2006年)。その劇場版が予想よりも好評だったことで、またそれがプレッシャーになってしまい、生み出すことが困難になってしまった、私はそう解釈していました。

 ただ、それも時が流れることでようやくここに至りました。もういい加減に終わりにする! いや、もう終わってるんだけど、ユーザーに文句を言われない形で決着させる! そんなケジメみたいなものを感じました。この25年でユーザーは成長し、どんな球でも受け取れるようになっていました。本作で投げられた球は直球のドストレート。最高の解でした。

◎パリ、ユーロネルフ奪還作戦

 事前に公開されたパート。コア化した花の都パリを開放しユーロネルフ支部から予備パーツを奪還する作戦。なんか良くわからない敵相手にマリが大暴れ、途中でてくるボスキャラも倒す。

 新劇場版になっていつも思うのが「見たことのない映像表現が毎回入ってくるなあ」ということです。兎に角カロリーが高い。回転が凄い。序盤から派手な戦闘シーンで視聴者のハートをひと掴み。これだけ待ったのだから期待しかない。ストーリー的にはなくても大丈夫なシーンだと思うのですが、エンタメとしてとても大事。爽快感抜群。

◎古き友人との再会、同窓会

 アスカ、レイ、シンジの三人は第三村と呼ばれる集落に辿り着く。そこでトウジ、ケンスケ、ヒカリらと再会する。

 医者になっていたトウジ、彼と結婚していたヒカリ、相変わらずのケンスケ。割とガッツリ出番があって驚きました。庵野監督はこういうサービスは好きではないと思ってました。まあ、25年の時が流れるってのは、こういうことなのでしょう。
 それに対して、終始ピリピリムードのアスカ。人外になっている描写もチラホラ。エヴァの呪縛とは、最初人間が物理的に成長ストップする現象だと思っていたのですが、どうやら間接的な表現だったみたいですね。シンジは当時の姿でサルベージされたからそのまま。アスカは『破』の時に使徒化していた。レイはそもそもクローンなので。マリは…んー、やっぱりエヴァの呪縛なのかー?(笑)。

 シンジがなかなか喋らなかったのが面白かったです。「…っ!」「ぁ…」「んんゥ!!」みたいなセリフしかなくて。お前主人公なのになかなか喋らせてもらえないな! みたいな。

 いろいろあって、前を向いていこうとするシンジでしたが、目の前でレイがLCL化して消滅(ネルフで処置を受け続けないと原型を保てない為)。再び絶望するのでした。

◎ネルフvsヴィレ 最終決戦

 フォースインパクト阻止の為にエヴァ13号機に挑むアスカ。やっぱり敗北

 アスカは負け癖あるので、今回もそうなるのだろうなと思ってました。この辺りのシナリオは正直、よくわかってません。〇〇インパクト沢山あるなーとか、槍があれば何とかなるのかー? とか。なんとなく、こういう感じなのかな? というニュアンスで汲み取ってますね。

 ヴンダーに一人残るミサト。爆死

 アスカ死亡以上にシーンを確信していたミサトの死。本作は旧劇場版とは別物ですが、繰り返されるものっては絶対あって、それがミサトの死なのだろうなと思ってました。ただ、今回は優しかった。前回のラストキスは悲しかったけども、今回の「お母さんこれしかあなたにできなかった」は息子リョウジと共にシンジへと向けられた言葉でもあって優しかったです。やっぱり、ミサトはシンジのことを思っていたのだなって。

◎ゲンドウvsシンジ 補完計画の決着

 ゲンドウにとっての人類補完計画とは、ユイとの再会であった。だが、そんなまどろっこしいことをしなくても、シンジと向き合ってさえいればそれが叶ったことに気付いたゲンドウはすべての選択をシンジに委ねる

 こんな感じの解釈で合ってますかね? 当時のシナリオにあったという月での最終決戦を期待していたのですが、本作はマイナス宇宙での概念バトルでした。碇ゲンドウとは何だったのか? 結構深堀されていて驚きました。かつて描きたかったけど、描けなかった部分だと思います。ゲンドウって『何考えているのか良くわからない』ってのが個性そのものでしたから。

→巨大アヤナミが出てくるのは、いつになってもトラウマのままですね(笑)。今回は大丈夫でしたが、うん、あれは驚きます。

 そして、旧劇場版ラストシーンを思わせるアスカとの再会。「おおおお」と思いましたよ。こんなん描いてくれるん! めっちゃサービスやん! と。あの「気持ち悪い」からの解放。全国のオタク少年に突き付けた「お前ら家に引きこもってないで外に出ろ」から24年。これも優しかったー。
 ただ、それは今回がアスカルートではないことの証明でもありました。アスカとの別れ。それはそれで寂しさを覚えた自分もいましたね。

 →八方美人とか言わないで。

◎すべてのエヴァを破壊し、新世界を創造するシンジ。ネオンジェネシス! さらば、すべてのエヴァンゲリオン

 宇多田ヒカルの『one last kiss』のイントロが流れ始め「あ…終わってしまう…」と切なさ大爆発。
 大人になったシンジ、エヴァのいない世界が想像され少年は神話となったのでした。

→うん、ちょっと『マブラヴ・オルタネイティブ』みたいだなと思っちゃった(笑)

 まさかのマリエンド! 今回はアヤナミルートだとばかり思ってましたが、いやー、マリルートだとは。アスカルートでも、アヤナミルートでもダメならばのマリエンド。これがトゥルーエンドへの道筋だったんですねえ…。

 自分は凄い体験をすることが出来ました。こんな体験をさせてくれてありがとう。カラーの次回作は『ナウシカ』だと確信してます!

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