天外魔境II 卍MARU



マニュ
(c) ハドソン

メーカー ハドソン(SCD)
ジャンル  RPG
値段 7800円
発売日 92/3/26



 ◎はじめに
 長かったけど、短く感じた作品だった。実は発売直後からプレイしたいしたいと思っていたのだけど、この92年当時はDUOを持っていなかったのだ。当時のDUOの定価59800円だっけ? お子様にはとても買えない代物だって。
 その後、95年くらいにDUOを入手した私だけど、プレイする機会の無いまま2000年を迎えてしまったのである。でも、今回プレイできて本当に良かった。
 というかこの作品、今改めてみると本当に滅茶苦茶豪華なスタッフだ……。プレイするまで全然知らなかったけど、久石譲さんとか、枡田省治さんとか、凄すぎる……。私の中で神の領域に達した方が、2人も参加されてるとは。
 総プレイ時間38時間58分。町の数100以上、ボス戦闘の回数100回以上、乗り物30以上、曲数60曲以上。これが発売されたのが8年も前というのがとても信じられない。

 ◎ストーリー紹介
 美しい島国ジパングで、今、激しい戦いが始まろうとしている。
 巨大な植物、暗黒ランの復活とともに、ジパング制覇をもくろむ「根の国」の王ヨミ。その強大な力に立ち向かう火の勇者、戦国卍丸と、その仲間たちカブキ団十郎、極楽太郎、絹
 壮大なスケールで物語は展開される。

 ◎キャラクター
 無茶苦茶多いなぁ。数え切れないほどのキャラクターがいて、それでもかなりの数が印象に残ってる。
 その中でも良かったのが敵キャラ。やっぱし、天外は敵キャラが良い。普通のゲームでは絶対に出てこないような、出てきてもヘナキャラとしてしか扱われないようキャラクターが、メイン級のボスになっていたりする。その代表格が菊五郎。派手なことが大好きで、菊五郎偉いと書かれた看板を村の家につけちゃったりするヘンなキャラ。でも、この菊五郎がメインのお話だけでも4時間くらいある。
 ニックこと地獄釜の肉助も良かった。アホ丸だしなんだけど、やってることは天外2の中でもかなり凶悪。でも、オカマ。このギャップが実に天外らしい。
 そして、天外シリーズではお馴染みのマントー。彼は非常に馬鹿で良かった。ゲラゲラ笑ったし。無駄にイベント多いのにもウケタし。
 最後に忘れてはならないのが、デューク・ペペ。卍丸に妻を殺された恨みのパワーで大暴走する。身体を機械化して、「もうシモの処理も自分でできないよ。これもすべておまえの為だよ、卍丸。愛してるよ、卍丸」とか言ったりする。ここまでマッドなキャラもそうはいないだろう。素晴らしすぎ。
 敵キャラばかり言うのもナンなので主人公達についても語る。まずは主人公の卍丸。長い物語の中で、卍丸に用意されたセリフは3つしかない。。このほとんどセリフ無しっていうは、枡田さんがそれが好みだからなんだけど、成功してるなーって思う。主人公喋りまくりのカブキ伝をプレイすると尚更。喋らない方が多くを語っているって感じ。
 ちなみにライターである桝田さん的にはすべてセリフ無しでいきたかったらしい。私もその方が良かったと思う(白銀城とか喋らない方が良かった)。でも、上からの要望でつけたのだそうな。……う〜ん。
 主人公以外の仲間、カブキ、極楽、絹。この方々もかなり良い。基本的にはスーパーなキャラなんだけど、それでも何処かしら欠点がある。そこがまた良いわけで。プレイ時間長いから、一人ひとりのキャラの話がじっくりと描けているし。
 これほどまでに豊かなキャラクター達を見たのは久しぶりだった。天外2はキャラクターのゲームなんだなぁ、とつくづくそう思う。

 ◎シナリオ
 最高だった。序盤は正直なところ、「それほど騒がれるようなシロモノかぁ? なんか古くさい感じもするし」って思ってた。だけど、菊五郎編くらいから「あれ? なんか、違うぞ……」、って思い始めてきて、それ以降ははまりまくり。
 最近のRPGをプレイしていて疑問に思うのは「なんでこの作品のジャンルはRPGなんだ?」、っていうことなんだけど、天外2のシナリオは見事にRPG向けとして完成されている。他のメディアで天外2をやっても面白さは半減してしまうだろう。
 ちなみに「シナリオ」のクレジットには他の方の名前が書いてあったような気がするけど、この作品の総監督は「枡田省治」さん。天外IIは枡田さんの作品といっても過言ではない……と思う。テキストも桝田さんが書いてるハズだし。
 超膨大なシナリオを、飽きさせずに読ませるにはどうしたらよいか? その答えがこのゲームにはある。
 中ボス、大ボス、ラスボスとランク付けすると、大ボスを各地に鏤めて、その各地にはさらに大ボスの部下である中ボスが散らばっている。
 大ボス、中ボスがいて、それを倒すという時点で、既に一つのRPGとして完成されているである。つまりは、小さなRPGをいくつも組み込んで、それでいてその小さなRPG同士をキチンとミックスさせて、大きなRPGとしているのである。それが成せる理由は”ヨミ”という敵の存在。話の根底にヨミを置くことで、ストーリーを調和させているのである。これは凄い。このやり方なら、長くても飽きることはない。また、長くしやすい。
 その小さなRPG同士の組み合わせ以外にも、ミニクエストが用意されており、それもまたアクセントになっていて楽しめる。
 そして、エンディング。これほどまでに完璧に組まれたエンディングを見たのは初めてかもしんない。想像はつくけど、これにはやられた。反則技でもある。誰もが認める、そんなエンディング。

 ◎システム
 まずは、機械的なことから。CDの読み込みについて。
 一度に読み込むデータ量は「町」「戦闘データ」「システムデータ」「フィールド」この4つ。つまりは、フィールド上で敵に出くわしても読み込みはないし、町に入っても読み込むことはない。装備を変えても勿論読み込まない。
 これは、フィールドを国単位で分けているから可能な技。でかいフィールドを1枚用意するのではなく、小さな国単位でのフィールドを複数用意するのである。CD-ROMのゲームで町に入るときに読み込みがなかったのは初めてだったよ。
 ちなみに雑魚戦闘では、背景が無しだったり、アニメーションもなかったりといった工夫がされている(ボス戦ではアニメする)。これは大正解。こちらが強いと3秒くらいで雑魚戦終らせられるし。
 続いて、ゲーム的なこと。
 喋りまくりのボス達。とにかく喋る。バンバン喋る。セリフのあるボスキャラはボイス部分が必ずあった。それくらいにセリフ量が多い多い。声優数は使い回して2役、3役なんて当たり前だったけど、それでも喋りまくりだったのは良かった。パーティーが全滅した時にも、わざわざボスのセリフが用意されてるし。
 そして、天外IIでは戦闘が凄い。これほどまでに作りこまれた戦闘ルーチンを見たのは初めてかもしれない。ドラクエ式の戦闘方式だけど、戦闘進行はアクティブ。ターン制ではない。難易度は最高級。滅茶苦茶難しい。クリアまでに100回は全滅したと思う。とにかく負ける。笑えるほどに負けまくる。今のゲームがいかにぬるく作られているかがわかる。
 だけど、面白い。常にギリギリのバランスになっており、楽させてくれない。雑魚戦でも、回復術や睡眠術を駆使しなければ勝てない場合もある。
 けど、負けてもゲームオーバーになったり、金が半分になったりとかの跳ねっ返りがないので、なかなかやる気が削がれない。
 凄いのはあまりレベルに左右されていないという点。つまりプレイヤーの腕さえあれば、かなりの低レベルでもクリアが可能になっているのである。それに、雑魚が学習的存在になっている。途中で気付いたことなんだが、この雑魚はこうやって倒すのが良いというのを自然とプレイヤーに学習させているのだ。そして、その学習は後のボス戦でも効果を発揮できる。勿論、そんなのを考えずに力押しで勝つことも可能。
 この辺の戦闘ルーチンは、作るのにかなり時間がかかったと推測される。開発期間2年だっていう天外だけど、少なくても1年はこの戦闘ルーチンに時間費やしてるんじゃないかなぁ……。
 あと、アイテム数が相当あって、意味不明なアイテムも多いんだけど、この辺かなり桝田的だと思った(思わずニヤリ)
 他にも言いたいことあるけど、とてもじゃないが語りきれん!

 ◎音楽
 久石譲さん。あとは、福田裕彦さん。
 あの久石譲である。
 トトロや、ラピュタ、紅の豚に、もののけ姫、エトセトラ、エトセトラ……。60曲近くある天外の中で久石さんの作った曲は9曲。勿論、最高
 どれも素晴らしいのだけど、その中でも卍丸のテーマとLマップ。この2曲がマジ頭の中に響いてる。鳴りっぱなし。
 音源は内蔵音源とCD音源を使っているわけなんだけど、勿論、久石さん曲はCD音源。CD音源を使用した曲は全部で17曲。他は内蔵音源で、そっちの方の出来はまぁまぁ。
 っつうか、久石さんを使いのはずるいって。

画面1

 始まりのシーン。卍丸が喋る数少ないシーンの一つでもある。他にもプログラマ岩崎氏の手腕がフルに発揮されたアニメーションの数々が入っている。
画面2

 ドラクエと同じ、見下ろし型のフィールド。それにしても、場面を見ると自然にLマップの曲が頭の中に響いてくるなあ……。

 ◎最後に
 ハドソンが「売る」為に作った作品。売るっていうのは「天外魔境II」のことではなく「PCエンジン」のこと。
 ただ売り上げの為だったら、ここまでやる必要はない。が、PCエンジンというハードを売るとなると、とにかく限界までやらなければならない。ハードの機能を限界まで使って、ハード買って貰うほどのキラーソフトにしなければならない。
 とにかく金と時間かけて作ってある。採算度外視。当時、ゲームの制作期間で2年(以上)なんてのは他にはなかった。ゲームの方で儲けるのではなく、将来的にハードが売れて、それで他のソフトが売れてくれればいいという考え。
 後に発売された”ナントカ伝”。天外2よりも明かに質で劣る作品だったが、セールス的にはこれと同じくらいだった。
 つまり……。
 もうこれ以上の作品はでないっていうことだな。無茶しないと出来ない作品。それこそ命を削らないと作れないような、そんな感じ。
 各地で天外IIIだしてくれぇ〜、って言われている理由がすんごく良くわかる。でも、無理なんだろうな。
 後に記すは、プレイ日記である。ネタバレ気味で。

 ◎プレイ日記(途中からだけどね)
 1月9日よりも前
 極楽太郎が仲間になる。暗黒ランの斬数は2本。う〜む、先は長い。

 1月10日
 越後まで進む。そのあと、発明家の爺さんを助ける為に、花を探す。 というか、とったハズの花が無くなっていたのはバグなのだろうか?
 あと、黄金虫の卵も何個もとれるんだけど……?
 その後、はまぐり姫を撃破。力王の巻物を使ったら結構簡単に倒せた。 暗黒ランの斬数3本。残り4本だ。

 1月11日
 比えい山の場所がわからず、四苦八苦してたんだけど、 灯台下暗しとはこのことだ。
 絹を仲間にする寸前だと思うんだけど、そのボス(名無しの18番)が強い。 ってゆうか、HP4000にはマイッタ。しかも、残りHPが少なくなると、無茶な攻撃してくるし。
 う〜ん、倒せない。しばらくレベル上げをしないと……
 現在のプレイ時間16時間ちょい。

 1月12日
 絹が仲間になり、天の橋立から次の国へ。
 やはり、仲間が3人だと強い。しかし、このゲームはバランスがとれているだけあって、なかなか楽はさせてくれない(涙)

 1月23日
 時間がとれたので久々にプレイ再開。因幡の国は、なんかあっという間 っていう感じでちょっと拍子抜け。骨壺4つとって、砂神城を落とすだけで、 もう聖剣手に入っちゃうし……、と思ったら肝心の暗黒ランが無いでやんの(笑) なるほどねぇ、こういうオチだとは気付かなんだ。
 その後、馬鹿の術を使ってくる強敵(爆)には大爆笑。ああいうのに限っていろいろと凝った作りになってるところも最高。3博士も実は間抜けなのか?
→マダム・バーバラ撃破 砂神城クリア
→マントー撃破 出雲に突入
→プレイ時間19時間13分

 1月28日
 ど〜も、絹が仲間になってから以降、ゲームバランスが簡単になったと 思ったら、シロを無視して作られていたということが判明。ってゆうか、 シロが爆死。悲しかった。首輪のことに気付かず、4500のHPを3000 近くにまで削ってしまったというのはここだけの話。
 シロがいなくなってから、難度が再び上がる。う〜む、死にまくり。土偶ロボを取りに戻るのが億劫だ……。
→プレイ時間20時間突破

 2月04日
 ぐはぁ。黄昏洞で迷いまくり。仕方ないので、綱の一本を先にとってくるもやっぱり黄昏洞を越えないことには始まらないので、 どうしようもない状態。

 2月05日
 ようやく黄昏洞を突破。地獄釜の肉助を倒す。カブキが再び仲間になった。かっこよい登場シーンだった。
 その後百鬼夜行の箱を開けて敵を倒す。思ったよりも楽勝だった。 ちなみに、そのときの段は49段。七福の玉を使い経験値を4倍にしたので、レベルが3くらいいっぺんに上がる。よしよし。
 浪華の国に突入。デューク・ペペ関係のイベントは面倒だった。あのエンカウント率は高すぎ。まぁ、そこに狙いがあるんだけど。
→プレイ時間25時間
→暗黒ラン4、5を断

 2月06日
 ふと、天外関係についての噂を知ったので書いてみる。
「天外魔境IIIの開発は島流し状態にされたスタッフが一人だけで行っていた」
「来年か今年には発表できるらしい」
 後者は嘘くさいけど、前者の方は少し信じたい情報じゃない?
 でもって、今日は魔海城をクリア。結構進んだぜ〜。
 それと、デューク・ぺぺを撃破。なんていうか、メチャ印象に残るキャラ だったなぁ。ちょっとやばいし。
→暗黒ラン6を断
→プレイ時間29時間

 2月07日
 ついにクライマックス。白銀城をクリア。”鼻”を倒し、絹の鎖引きちぎりイベントを見る。ってゆうか、絹強すぎ。卍丸の親父のカタキ(吹雪御膳だっけ?)は、見事にやられキャラだったし。ちょっとバイオハザードしていたかも。グロイし。けど”鼻”は滅茶苦茶強かった。こっちの段数は65くらいだったんだけど、ホントにギリギリでの勝利。ちなみ、絹に武器装備させたら攻撃力が卍丸&カブキを越えてしまった。
 そして暗黒ラン7を断。その後の展開は予想できなかったなぁ。SAGA2でも、同じネタがあったっけ。火の槌を入手。
→暗黒ラン7を断
→プレイ時間32時間

 2月08日
 ついにクライマックス2。地獄城をクリア。ってゆうか、剛天明王の強さは異常だった。死闘30分の末に撃破。スリルのある闘いだったぜ……。 
 その後悲しいイベントが続く。というかラストダンジョンへ入るためのイベントはマジ悲しかった。その前のイベントよりも相当。あと入手した聖剣がメチャ強いというか、強すぎ。卍卍斬りで1600くらい当たるし。
→ラストダンジョン突入
→プレイ時間35時間
→剛天明王撃破

 2月09日
 ついにクライマックス3。3博士をぶった斬り。強かった。
 一つ疑問に思ったんだけど、このゲームって復活の巻物あるのかなぁ? キャラが死んでも生き返らせる方法が無いからマジでしんどい。復活アイテム もみんな使っちゃったし。
 あとヨミ(いも虫型)が全然倒せない。一発の攻撃で卍丸が昇天しちゃうから、勝負にもならない。う〜ん、こういう時は何の巻物を使えばよいのだ?
→73段
→プレイ時間36時間

 2月10日
 クリア……。最高だった。あのエンディングには参った。これが、最高たる ゆえんなのか? グランディア以上に良かった。
 ちなみに、そのあとカブキ伝をちょっとだけプレイしてみたんだけど、あの センスの無さには絶望した。ゲームってやっぱり才能だと思う。
→クリア時間38時間58分
→クリア段75段





平成12年2月11日 記
平成13年6月18日 加筆修正