ドラゴンクエストV〜そして伝説へ〜
機種 スーパーファミコン
メーカー エニックス
ジャンル RPG
値段 8700円
| うーん。FC版は面白かったけど、ただの移植でしょ? ってな具合で、買う事を渋っていた私ですが、突然、なんらかのソフトがプレイしたくなったわけです。 まあ、発作的にゲームがしたくなるのは良くある事ですね(そうか?)。ってなわけで、こいつを買ったわけです。FC版にめちゃめちゃ填まり、3回も4回もプレイした私です。むろん、シリーズで一番好きです。SFC版でその感動というか、雰囲気というかが壊されていないか不安でいたが……。 うおー。懐かしー。 これだけの、すばらしい移植をするのは、任天堂とエニックスぐらいですよ。あとの所はベタ移植がほとんどで、●●●●●なんて会社なんか、ただCGムービー付けただけで過去の作品を出してますからね。しかも、そんなに値下げもせずに……。 やはり、演出面のパワーアップがすばらしいです。FC版では、カットされていた所や、説明不足だった個所もちゃんと手直しがされています。 はっきりいって、新作といっても良い出来でした。それほどの素晴らしさがありましたよ……。 キャラクター。 プレイヤーです。このシリーズのコンセプトは、プレイヤーが主人公を操るのではなく、プレイヤー自信が、主人公というところです。だので、当然、主人公は喋りません。これといって、個性というものもなく、性格的にもロボットみたいな奴です。 しかし、この作品では、それらの設定は決して、マイナスではありません。フィールドにいるのは、自分なのだ、ということを認識させてくれます。 昔のRPGではよく用いられた手段ですが、最近でこれをやっているのは、任天堂とアトラスくらいです。 こういった、形式を使うと、作品を作るのが非常に難しくなるわけですよ。だって、主人公、喋らないですから。 それ以外のキャラクターはどうでしょうか? まあ、とくに個性の強い奴とかはいません。強いて言えば「カンダタ」くらいなものでしょう(笑)。 それなのに、シナリオに説得力があるのは、世界観の設定がすごいからです。ってなわけで、次の項目に行きましょう。 「シナリオが命」の原点。 今までの、RPGはシステム重視でした。戦闘シーンを面白くしたり、乗り物を出したりといったことです。しかし、今作で一番褒めるべきはシナリオです。かなりいい。 まずは、世界観です。中世を舞台としたRPGは数多くありますが、このドラクエシリーズが原点でしょう。Fなんて作品も昔は中世でしたが、今では……。 世界観の違いとは、すなわち、人々の考え方も違うということです。すなわち、強引なシナリオ展開も許せるということです。主人公は勇者で、魔王を倒すという使命を全うしなければならない、はっきりいって強引です。でも、許せます。プレイヤーが主人公で、プレイヤーが勇者なのですから。世界観的にも、それらの強引さを和らげる役割があるのですね。 このなんともいえぬ世界観が、また、どことなく、かつての地球を彷彿とさせるものなんですね。この辺の仕掛けも素晴らしい。 ワールドマップも地球の世界地図と似てますし、各地の地名も似ている所があるのです。「ここは昔の地球なのでは?」、みたいな気分になるわけです。 どこから魔王がやってきて、なぜ魔王は世界を手に入れようとするのか? なんて疑問もこの世界観だからという理由で説明できてしまうわけです。 んでもって、この作品のすごい所は自由度の高さです。これだけ、自由度が高いゲームを、あの当時に発売していたとはとても思えません。ストーリーの中盤以降からは、強制イベントは、ほとんどなくなり、すべて自分の意志、あたかも自分で世界を旅するかのような錯覚におちいるような、そんな感じになります。自由なんです。 自由度もどこへ行ったらいいかわからなくなる、の直前のバランスになっています。 大抵のRPGは次はどこへ行けだのの、提示があり、それに従うのが定石ですが、この作品では、そういった、提示がまるでありません。ストーリーの最初の「バラモスを倒せ」と、ただ言われるだけです。自分の意志で行った場所に、イベントが容易されてあり、それをクリアする、の繰り返しによってストーリーが先に進んで行くのです。この仕掛けが面白いんですね。 そして忘れてはならないのは複線です。この作品は年代的な位置づけでいうと、ドラクエTよりも前の話ということになっています。つまりは、ドラクエV、ドラクエT、ドラクエUという順番で時代が流れていっているのです。このドラクエVはさまざまな個所に複線がばらまかれているのですね。その複線が非常に面白いのです。ああ、ドラクエTのあの場面は、こういう意味だったのだな、ですとか、少し反則かも知れませんが、面白いからいいのです。(笑)そう、これまでの、T、Uをクリアした人が思わずニヤリとするような、仕掛けでいっぱいなのです。 そして、意外性です。この作品ほど、プレイヤーを(いい意味で)裏切ってくれた作品はないです。これは、あの当時ドラクエVをプレイしていてかなり驚きました。まさか、こういうことだったのか、と衝撃を受けたくらいです。 ここからは、シナリオにダーク感が漂ってきます。くらーい感じがするのですね。世界の人々は脅え、いつ魔王に襲われるかわからない、もうおしまいだ、みたいなね。このダーク感がいい感じなんですよ。あのシステムをうまーく使ってね。 とかく、良いシナリオなのです。ってゆうか全員知ってますよね? グラフィック。 SFCになって、かなりパワーアップしました。奇麗です。FC版でわかりにくかった個所も訂正されていますし、SFCの技術では最高水準になっています。勇者の男と女のグラフィックもきちんと分けられて描かれていますし……。 戦闘の背景なども、かなり奇麗でした。 うーん、短いですけど、こんな所かな。 音楽もすげー。 FC版のアレンジがメインで、それにあと数曲が加わっているっていう感じです。この曲のパワーアップがすばらしいです。こんなにも、ドラクエVのBGMって良かったか? って思うほどです。さすがにハードが変わって、音源が増えているだけの事はありますよ。どの曲もすばらしい。 私の一番のお気に入りはラスボスの音楽です。これがすばらしい。FC版の時から好きでしたが、ここまでカッコよくなっているとは……。このシリーズの全ての音楽の中で一番好きな曲ですよ。ちなみに2位は「ドラクエY」のムドーとの戦いの曲かな……。 とかく、世界観にマッチしているのですよ。この中世の世界観を、ホントに良く曲に出してらっしゃる。グッドです。 演出。 SFCでしかやってないことを書いておきます。 まず、オープニングで、オルテガ(主人公の父親)が火山の近くで戦っているというシーンがでてくるのですがね、このシーンの出来がすばらしい。アクションゲームのようにオルテガが飛び回り、戦っているのですよ。これは凄かったです。 モンスターがアニメーションします。これは、ドラクエYでも、使用されていますが、この作品では、Yよりもぜんぜん動きがいいんですね。とにかく、いい動きします。1つのモンスターにつき、2パターン以上のアニメが用意されています。しかも、スライムとスライムベスなどの、色違いモンスターのアニメの動きが違うのも細かくて○です。 んでもって一番凄かったのは、ラスボスです。5パターンくらい動いていました。しかも大きな動きが多かったので、かなりの容量を食ったのではないでしょうか? 手が込んでます。グッド。 それから、ミニゲームとして、すごろく場なんて場所も加わっています。これも、なかなかよく出来てました。結構、難易度がありますけどね……。すごろくの中に盛り込まれたアイデアが良かったです(ここでしか、売っていない物がある店など)。 それから、ちいさなメダルもありました。作中に110枚あるのですが、私は109枚で断念しました(笑)。 あと、それから……、これはネタバレになるのでやめましょう。 FC版をやった人にプレイしてほしいですね。 システム。 性格システムなんていうのが、加わりました。ストーリーのオープニングに、心理テストのようなことをやらされるのですが(これがまた面白い)、それによって、主人公の性格が決定されるわけです。ストーリーには全然関係無いシステムですけどね。 あと、細かいところで、手直しがされていました。移動スピードがアップいていたり、「ふくろ」システムで、持ち物がたくさんもてるようになったり、買い物時に一度にたくさんの買い物が出来たりといったところです。 そうそう、昼と夜に分かれるっていうのも、このゲームの特長でしたね。このあとW、Xってこのシステムは受けつがれているのですが、Yではなぜか無くなっているのですね。なぜでしょう? 昼と夜で街の様子が違うっていうのは、結構面白い仕掛けでしたのに……。 夜のグラフィックのパワーアップが凄かったですね。窓から明かりがもれたりですとか、曲が静かになったりですとか……。 あと、AIないんですね、この作品。FCのWからでてきたシステムですが、Vでは採用されませんでした。いい事です(笑)。自分で考えて行動するっていうのも、なかなか良いですよ。あの敵には、こう戦う、みたいな考えをするのが楽しいんですな。 それと、独特なのは「ルイーダの酒場」ですね。仲間を手に入れることが出来る酒場とでもいいましょうか。ここで、仲間をエディットしてパーティーに加えられる、と。当時としては、いきなり4人パーティーでプレイ出来るっていうことが、どんなに嬉しかったことか……。 最後に……。 いやあ、面白かった。この作品は、FC版のVをプレイした方に是非ともプレイしてもらいたい作品です。ここが変わったなあ、なーんてことを楽しめることでしょう。 ホントにシナリオの完成度の高さは凄まじいものです。特にいいのが……。うーん、ネタバレになってしまう。 でも、この作品を未プレイの人(FCの方)っていませんよね。このシリーズで一番売れたのも、FCのドラクエVですし。 ENDINGの曲がなんとも、センチな気分にさせてくれるんですよね。ああいう演出の仕方もいいですし。ENDING自体も短くまとまっていて、とてもよい物でした。 今では、消えてしまった(?)SFCでのソフトですけど、SFC本体を押し入れから引っ張ってきてもプレイする価値はあります。それにFC版では、ころころセーブデータ消えましたけど、SFCではなかなか消えませんから……。 |
平成11年1月20日 記