| ◎はじめに 5年ぶりくらいのシリーズ最新作。プラットフォームをSFCからプレステに移しての登場。 正直、待ちに待ったという感情はなかったかな。それは、私の中ではドラクエは3で終わっているからであって。 今回もこれまでのシリーズ同様、いやそれを陵駕するくらいに延期に延期。確か最初に設定された発売日は去年の年末だったハズ。それがこのザマはなんだ? もっとも、この発売日延期に関しては何も思うことがなかったりする。いつものことではないか、と。 ◎ストーリー紹介 物語の主人公アルス(名前変更可)は、フィッシュベルの町に住むごく普通の猟師の息子。 周囲の人間からは、いずれは父親のあとをついで立派な猟師になるだろうと思われているが、今はまだグランエスタード城の王子キーファとフラフラ遊んでの毎日。 しかし、主人公とキーファのちょっとした好奇心が、世界の人々を壮大なる真実へと導くことになる……。 ◎キャラクター まずは主人公や仲間から。 主人公はいつもと同じの無個性派。用意されているセリフも無きに等しく、プレイヤー=主人公という図式が成り立つ。まぁ、これについてはシリーズの伝統みたいなものなので言及することも特になし。別にいいんじゃないの? っていう方向性で。そういえばドラクエ1が出た当時、周りのRPGはみんな無個性派だったんだよな。それが今では、無個性派の主人公なんて無きに等しい。そういう意味では稀少な存在。 仲間はこれまでのシリーズと違い、みんな人間味に溢れている。っていうか、これまでのドラクエの仲間キャラって、ほとんどセリフ無かったでしょ。それはそれでイマジネーションでみるという意味では面白かったのかもしれないけど、今回はとにかく喋りまくり。セリフ量膨大。 敵キャラ。 なんか倒される為に用意されたような奴等ばっかりで。印象に残るような奴がほとんどいない。 それで……だ。 一番問題はそれ以外のキャラクター。つまりは、町の住民とかそういう奴等のことなんだけど、とにかくプレイヤーのやる気を削ぐようなセリフが多すぎ。もうこちらプレイヤーとしてはイライライライライラ……。 1、とにかく主人公達に依存(○○を倒してくれ)。 2、主人公達が問題を解決する(結構大変) 3、放置される。 とりあえず泣きたくなった。 みかえりを求めるってわけでもないんだけど、ここまで非道いとどうしようもない。勿論、宴会を開いてくれたり、お礼を言ってくれたりするパターンもあるんだけど、根本的に自分勝手なキャラがてんこもり。 プレイヤーのモチベーションということを考えなかったのかな。こんな人間どもを救うことに意味なんかあるのだろうか。 魔物よりも人間の方が凶悪なんだもんなぁ……。 ◎シナリオ 今回も堀井雄二さんによるシナリオ。 プレイ時間100時間とも言われる(実際には65時間でクリアできたけど)、大規模なシナリオにも関わらず手作りな感が非常に強い。町の住民のセリフがイベント毎に変わったりなど、細部まで作りこんでいることがかなりわかる。物量主義の職人技。 ところで皆さんは、各メディアに登場なされている堀井さんのお顔をご覧になったことがあるだろうか?(唐突) この文章を読んでいる方なら、一度くらいは見たことがあるハズである。 それを見て何か気付いたことはないだろうか? そう、デコである。かつての堀井さんに比べると遥かに髪量が少なくなっているのだ。つまりはハゲてしまったのだ。 そんな堀井さんの憐憫の変遷によるものなのか、今回のドラクエはやたらと暗い話が多い。私が予想していた通りの展開になるということが、ほとんどなかった。 暗く悲しく絶望的になるが、かすかに希望の光が見える、とそんな話がほとんど。 なぜ複数系で書いているのかというと、今回のドラクエは小さなシナリオの集まりで構成されているからである。各シナリオに因果関係はない。ほんのちょっとだけ、魔王という存在を匂わせているのみである(それもホントに少しだけ)。 それで問題となってくるのが人間達。 魔物に支配されている町を開放する、なんていうのは今回のドラクエではメインではあらず。それどころか、そんなのはどうでもよい感じにすらなっている。 ではなにがメインなのか? 嫉妬、憐憫、憎しみ、恨み、怒り、悲しみ、意地、嫉妬、といった負の感情のオーケストラ。そういった人間の醜い部分を嫌というほど見せつけられる。それが精神的に痛い。なんで、こんなにプレイヤーのモチベーションを下げるようなテキストばかりなんだろう? 本当にそう思う。依存することに何の躊躇いも持たない人間達。それでいいのか? 魔物との闘いなんて、おまけ程度。非情な人間ドラマに心痛めよ。 ◎システム
◎絵 現役を退いた鳥山明さんがキャラデザ。 堀井さんの指定なのか、鳥山さんの意向なのか、キャラにかっこよさやかわいさがなく、とにかく普通やな〜っていう感じのデザイン。 でも、ボスまでそうしなくてもな。 もうちょっと禍禍しさとか、怖さとか出せなかったものなのか。折角のドット絵なのになぁ……。迫力が全然ないんだもの。まぁ、雑魚モンスターならそれでいいのだけど。 ◎CGとか いや、評価しちゃいけないことはわかってるんだけど、一応ね。 町やダンジョンはフルポリゴンだよー。 LRボタンを押すとグルグルと画面が回るよー。 様々な方向から建物を眺めることができるよー。 極稀にCGムービーが流れるよー。 全部駄目ッ! 駄目なのッ!! フルポリゴンっつったって、解像度が低いから(これはプレステの仕様だって)ガタガタで荒々しいし、町の境界線が露骨すぎるし、グルグルと回しても酔うだけだし、CGムービーは技術が未熟だし。 ――でも、CGのクオリティをドラクエに求めては駄目。 いうならば、ヘタにポリゴンやムービーを使ったということに対して意義を唱えたい。 やっぱりドット絵が最高! ◎音楽 すぎやまこういちさん。いい音楽はあるのだけど、曲数が少ない。いや、決して少なくはないのだけど、このシナリオボリュームに合うほどの数はない。 長いシナリオなんだからなぁ……。戦闘の曲を増やすとか、ダンジョンの曲を増やすとか、町の曲を増やすとか、いろいろやって欲しかった。 それに気付いているとは思うけど、ドラクエ7関連の話で音楽が話題になってことってある? ほとんどないっしょ?? 所詮それまでって感じ。ドラクエ3やドラクエ5の音楽は良かったんだけどなぁ……。 ◎レビューの終わりに RPGはアドベンチャーゲームじゃねぇッ・・・!! フラグをたてる為に行ったりきたりするのが無茶苦茶面倒や。それに闘いを主体としたシナリオじゃないのも納得いかんッ! サブタイトルも“エデンの愚民たち”の方が相応しいと思うぞッ!! い、言いすぎたかな(恐縮)。 まぁ、こんなもんじゃないの? 作り込みの濃さとか、超物量主義とかを考慮すると及第作〜良作っていう評価で。 |
平成12年10月09日 記