| ◎はじめに 1998年に発売されたエクソダスギルティーのドリームキャスト移植版である。主だった変更点は要望が多かったボイスの追加……くらいしかない。が、これは大きい。当方、PS版を3時間程で投げている実績があるのだが、これに惹かれて購入したくらいだ。 細かい変更点を一応上げておくと、文字表示ウインドウのスモークの濃さが調整できるようになった(PS版では薄すぎて読みにくかった)のと、ビジュアルが追加されたのと、ビジュアル画面で瞬きするようになった(しない画面もあるけど)のと、立ち絵が大きくなったのと、アイテムの英語表記or日本語表記の変更ができなくなったのと、オープニングムービーが追加されたの6点。さらに細かい変更点とかあるけど、その辺は省略ってことで。シナリオの追加はない。 ◎ストーリー紹介
◇過去編 ウル・アークの長であるマーサは、神の生贄となることを拒んだ。そのため集落は絶望の危機に陥る。 自らの死期を悟ったマーサは、愛する息子である“大地の剣士”アーレスに最後の望みを託す。 アーレスはマーサの言葉を伝えるため、もうひとりの“神の唄”の称号を持つウィルという少女を探し求め、プレン・アークへと旅立った。 ◇現代編 十代にして超一流のトレジャー・ヘンターとして名を知られるカスミは、橘レイナが発掘調査をしている南ヨーロッパの遺跡を観光に訪れる。 しかし枯れの真の目的は、失われた“モーゼの十一戒目”を見つけだすことにあった。 ◇未来編 シティギルドに住むスィーは花屋の娘として普通に育てられてきた。 しかし、18歳の誕生日を境に、彼女の運命は大きな変貌を遂げることになる。 育ての親であるネーネがいまわの際に彼女が王位継承権を持つ最後の王女であるということを告げたのだ。 王室ではクーデターが起こり、スィーはその身とともに彼女の持つ“ウィルの鍵”を付け狙われる。 彼女はネーネの遺言通りに旅立つのだが……。 ◎キャラクター 素晴らしきは現代編。主人公の真道カスミがそのまんまの剣乃キャラ。行動力あり、知識あり、教養あり、とありありずくしの18歳。古代ヘブライ語だって喋れてしまうという、週刊少年ジャンプ宜しくなスーパーキャラクター。ご都合主義万歳。が、ここまで嘘臭くてもなぜか許せてしまう。剣乃氏ならではの力技というか。ここまでの天才にしてしまうと逆に気持ちが良くなるというか。 現代編はクソまじめな剣士が主人公。それだけに笑いがないというか、まあ無理に笑いを作る必要もないのだけれど。印象に残るキャラじゃないことは確か。悪くはないんだけど。 未来編は剣乃キャラの女性バージョンが主人公。でも、相棒のラーライラの方が大事に扱われており、その存在感は薄くなっている。もうちょっと素性に関しての描写があってもよかったんじゃないかなー。 YU−NOやEVE、DESIREなんかと比べると、一人ひとりのキャラが大事にされてない。こいつがいなくても、別に物語に支障をきたすことはないだろう、ってなキャラが結構いる。 その反面、妙に大事にされているキャラも多く、キャラクター描写のバランスが偏っているという印象を受けた。 ◎シナリオ タイトルであるEXODUS Guilty(エクソダスギルティー)は、私的解釈で「人は罪を犯した」みたいなニュアンスでとらえた。YU-NOよろしくEVEよろしくDESIREよろしく、クリア後にその意味がわかるという管野タイトルである。 剣乃氏らしく、相変わらず整合性のとれていないシナリオになっている。場面での面白さ重視。多少強引。力技多し。でも、許せる。だって、下手に整合性があるよりか、こちらの方が面白いんだもの。 ここでも現代編が〇。テキストが面白すぎ。たとえ緊迫したシーンだとしても、必ずギャグの一つが二つが入って場を和ませているし。一番、剣乃作品らしいお話でもある。〇〇が誰だった、とかそういう仕掛けも含めて。 過去編は真面目すぎかな。それにストーリー進行がちと早い。圧縮されているというか。この1.5倍くらいのテキストボリュームで表現して欲しかった。ボリュームの割に登場人物が多いので、各キャラクターが表現しきれていないし。 未来編も過去編同様。が、過去編よりかは評価高い。キャラクターに力入ってる。キャラを通して言いたいことが凄くわかる。テーマが明確化されているという点でGood。 全体を通して思ったのが、コンシューマーという舞台をさほど意識していないのでは? ということ。まるでエロゲから移植されたかのような内容だった。CGやテキスト描写が無いとはいえ、本番シーンは勿論、輪姦シーンまであるし。詳しい描写はカットしてあるとはいえ、コンシューマーで輪姦させるとはね。さすがは剣乃氏である。この辺の大胆さは大いに評価したい。 エクソダスギルティーエロス(18禁)を、出そうと思えば出せそう。冗談でもなんでもなく。 ◎システム PS版で叩かれていた移動時の操作性の悪さは解消されておらず。慣れればどうってことないのだが、それまでがちと厳しい。帰りの背景を中途半端に用意しているのがマップで迷わせる原因。改善して欲しい点だった。もっとも、これを改善しちゃうとフラグまで変わってきてしまうからな。そう考えると改善されなかった理由も自ずと見えてくる。手ぇ抜いたな、この野郎。 剣乃氏といえば、EVE&DESIREではマルチサイト、YU-NOではA.D.M.S.と2つの見事なシステムを考案された方だが、EGではマルチタイム・ザッピングシステムというものを発案している。 これは、過去、現代、未来、それぞれの時代を干渉させる為のシステム。過去で埋められたアイテムを現代で見つけたりできるとか、そういう仕掛けをしている。まぁマルチサイトの変則版みたいなモノ。 が、ことがちと矛盾を感じさせるシステムだった。過去編をプレイして“あー、ここにこのアイテムは埋められたのか”ということがわかり、現代編でその場所を探すわけなのだが、埋められたということを知っているのはあくまでもプレイヤーであり、各時代の主人公ではない。主人公に情報が渡ったわけでもないのに探させちゃってよいものか、と疑問に思えてしまうわけである。私の言いたいとしていることが伝わっているか非常に不安なのだが、まあとにかくその部分を変と感じたわけで。 それに各時代を干渉させている仕掛けがちょっと強引なのもな。無理矢理リンクさせてるなー、という印象だった。もっとも、リンクさせないとただのオムニバス形式のAVGになってしまうのだけれども EVEにおけるハッキングシーンのように、熱くなれるシーンが無かったのが非常に残念。 ゲーム部分に関しては作品全体の足を引っ張っているなー、という印象だった。無駄にゲーム性を高くして失敗している。 ◎絵 田島直さんとカーネリアンさんが原画。描き下ろしの絵は全てカーネリアンさん担当で、PSからの絵は田島さん担当。 田島絵とカーネリアン絵とで変化がありすぎ。特に女性キャラクター>スィーとかラーライラとか 同じキャラなのに2人の原画に描かせるその理由がわからない。カーネリアンさんが絵を描けば売れる、とでも思っているのだろうか? ……案外そうなのかもしれないな。 ◎ムービー デジアニメ製作のムービーが要所要所に挿入されている。音声が追加されているとはいえ、PS版からの使いまわし。どうしても、解像度の低さによる荒さは目立ってしまうわけで。 まぁ、おまけみたいなモノと思えばいいのかな。特に書くようなことはなし。 ◎音楽 探偵紳士やプレゼントプレイと同じ方が作っている。プレプレはクレジットなかったので確認できなかったけど、曲風がそっくしだからほぼ間違いないだろう。 各地でのEG音楽評価は低いのだが、私は良いと思った。雰囲気に合っているだけではなく、単品として聴けるというか。パンチはないのだけれど、じわじわときいてくるボディーブローのようなイメージ。 OP用に曲が追加されたのみで、あとはPS版からの使いまわしなのだが、DCとPSでは音源が違う為に異なった印象で聴こえてくる。個人的にはPS版のが好きかな。PS音源用に作られた曲って感じもするし。もっとも、PS版聴きなれた所為による勘違いなのかもしれないけど。 お気に入りはキャラ選択時のカスミのテーマ。 ◎ボイス フルボイスではなく、80〜90%くらいのテキストに声が入っているという仕様。 有名声優使いまくり。どの声優さん達も巧かったが、カスミ役の森久保祥太郎氏が一番ハマってたと思う。 未来編は数年前にドラマCD化されているのだが、その時の声優を今回も起用している点に拘りを感じた。 この手のゲームでは主人公喋らないのが慣例になっているけど、EGは主人公も喋りまくり。これは良かった。主人公喋らない方が感情移入ができてうんたら……っていう時代も終わったんやね。 この追加は大正解なんだけど、欲を言えばPS版の時点でやって欲しかった。あの時点で声が入っていたら、EGの評価も変わってきて、また今とは違ったアーベルになってたんだろうなぁ、と思ったわけで。 |
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| ◎最後に EVE、YU-NOクラスの大作ではないが、DESIRE、探偵紳士クラスの作品にはなってる。探偵紳士が楽しめた人にはきっと楽しめる。 というよりも、世間での評価がボロボロだった理由がわからない。なぜあんなに叩かれたんだろーな。皆、期待しすぎだったのか? さほど期待していなかったってのもあるけど、私は充分に楽しめた。 個人的には現代編のみでいいから続編を作って欲しい。カスミとかアルゲリーチとかマイカとか、あの作品だけで終わらせるには勿体なさすぎる。もっと活躍を見てみたいというか。あ、アルゲリーチはミステリートに出るんか。 |
平成13年6月19日 記