WILD ARMS the 4th Detonator (SCE/RPG/6800円/2005年3月24日発売)
◎はじめに

 おっす、オラ、ほいみそ! じゃなかった、ほいみん! みんな、すっげぇ久しぶりだなぁ。今日はオラがプレイしたゲームを久々にレビューしてみっぞ。めちゃくちゃ久しぶりだから、書き方とかキャラとか忘れてるかもしんねぇけど、良かったら付いてきてくれよなッ!
 そんなわけで、今回取り上げるゲームは『ワイルドアームズ4』だぞ。正式タイトルは『WILD ARMS the 4th Detonator』っていうんだけど、糞なげぇから『WA4』と後は書くぞ。1996年に発売された『ワイルドアームズ』から、9年も経っちまったんだけど、プレイしたときの印象はつい最近のことのように覚えてるんだよな。詰め込めることを全て詰め込んだ力作という表現が相応しい名作だったんだぞ。この作品のシナリオ屋である金子彰史氏と音屋であるなるけみちこ氏とは、これより前に別会社から発売された『天使の詩』の時から追い掛け続けてるから、かれこれ何年の付き合いになるかわかんねぇんだけど、当然の流れで今作もプレイしてみたっぞ。ついでにだから書くけど、『ワイルドアームズ2』の時も『3』の時もオラ、ウェブに感想アップしてたんだぞ。よくやるよな。
◎ストーリー紹介

 先の戦争により荒廃してしまった惑星ファルガイア。戦争の爪痕は10年経った現在にもなお残っていた。世界は無政府状態となり、都市や町レベルでの自治のもと、人々は手を取り合って暮らしていた。しかし、戦争は物理的にも精神的にも人々の心に消し去れない傷痕を刻んでいた。行く先も定められず、諦めにも似た平穏な世界。ファルガイアは確実に荒野と化していた……。
◎キャラクター

 今回は敵側が熱い。このシリーズの特徴なのかもしれないんだけど、主人公側ではなく敵側に賛同してしまうこともしばしば。シリーズ恒例のマルチオープニング制が廃止された所為もあるのだけど、主人公側のキャラ描写が弱いのが悲しかった。大事にしてあるのが、ジュードのみで後のキャラは結構おざなり。敵側も大ボスクラスであるラムダを除けばあっさりしておりガッカリ。今までのシリーズでは、隠しキャラを除けばパーティー全員が主人公といっても過言ではなかっただけに、今回の弱さはとても残念。マルチオープニングにしなかった理由を考えてみたのだけど、正直、予算の都合くらいしか思い付かなかった。予算的に考えるとシリーズ中もっともヒットした『ワイルドアームズ』の続編、『ワイルドアームズ2』が一番金かかっているなぁと感じさせられ、それ以降は売上の低下と共に作品の予算規模の縮小を感じさせられてしまったわけで。ああ、大人の世界は世知辛い。OPなんかさ。『WA2』のときは『Production I.G.』が作ってたんだぜ。まったく、あんときはバブリーだったよ。本当。
 それでもさ。『ワイルドアームズ3』や『ワイルドアームズF』は足りない予算をアイデアでカバーみたいなハングリー精神が伝わってきて好感がもてたのね。それはさ。素敵なことじゃん。美しいじゃん。でも、今回はそれがなかった。
 キャラの話しであった。話しを戻そう。キャラ一人一人はとても個性があって良いのだけど、それを描写する量が少なくて物足りない感じになってしまった。魅力的なキャラは揃ってるのよ。しかし、それを活かすだけのイベントが足りなかった。いやさ。中ボスクラスにさ。「時間に干渉できる能力者」とか、「空間を操れる能力者」とかいたんだけどさ。今までのシリーズだったら、顔見せで戦闘、途中のイベントで戦闘、クライマックスで決着をつける為の戦闘と、少なくとも3段階くらいには闘わせてくれたのよ。けど、今回ほとんどが1回の戦闘で終わり。初顔合わせで闘ったと思ったら、それで決着。どれも良いキャラクターだっただけに、勿体なさすぎた。「時間に干渉できる能力」とかさ。ちゃんとバトルでも使ってくるようになっていて、演出も凝っていたのに。なんでじゃー、と思ってしまった。
◎シナリオ

 ぶっちゃけさ。金子彰史氏は今回何%くらい書いてるんだろうね。いやね。クレジットにシナリオアシスタントって項目があって、工藤栄里子となっているのだけど、今までの金子氏の作品とは臭いが違うと俺は思ったの。大まかなプロットやら、主要イベントなどは金子氏が書いているのだろうけど、街人のセリフやら、アーメンガードのセリフなんかは、このアシスタントが書いているのではなかろうかと。
 まあ、それはさておき。面白いとは思うよ。うん。言いたいこともわかるし、丁寧だし、それでいて自己主張し過ぎていない。想像の余地があり、良い意味でのカタルシスも存在する。が、これまでのシリーズに比べるととてもライトというか、薄っぺらいものになってしまった。キャラクター重視から、シナリオ重視へと変わっている所為もあるのだけど、如何せんボリューム不足の感は否めない。正確に計ってみたわけではないが、単純な文章量では今回が一番短いのではないだろうか。正確に言うなら、短いのはシナリオではなく、テキストなんだけどね。まるで打ち切りが決まった少年漫画のような展開の早さ。サクサクサクサク展開する。限界ギリギリまで頑張りました、という情熱が感じられず、恒例のどんでん返しもなし。作中で「いろんなことがあったけど……」とキャラクターが言うが、それを体感できるほどのボリュームがプレイヤーには与えられなかった。その齟齬が、さらにボリューム不足を感じさせるわけで。具体的には味方キャラクター行動の動機付け。何故彼等は行動しているのだろうかと。それをプレイヤーに納得させるだけの描写が圧倒的に足りなかった。ただ漠然とストーリーの流れの中にたゆっているとそんな印象。説得力がない。こんなのは嘘でもいいのに。特にアルノー・ラクウェルなんかは単なる一般人である。なのにやたら強い。才能があるという設定も勿論ない。しかし、敵の精鋭コマンダー相手に上手を取り、圧倒し進んで行ってしまう。まるで質の悪い少年漫画。キャラとして成立していないから、気持ち悪く思ってしまう。プレイヤーを気持ち良くさせるだけ描写がなされていない。
 セリフの濃さも薄まり、日本語の流れを楽しむこともできず、シリーズらしさで残っていたのはセルフパロディとパロディくらいかも。巨乳のアースガルズがいたり、ジークフリード(蒼の騎士)がヤサ兄ちゃんになっていたりと、なかなか楽しめる。ARMの発音が「WAF」のときは「アム」だったのが、「ーム」に変化していたのも芸が細かくて良い。名前は同じでも別物ということを演出しているのだと思われるわけで。
 そういうわけで、シナリオそのものは悪くなかったけども、テキストが弱かったなーと。ってか、一番印象に残っているのが、チェーンソー振り回す敵のセリフ「我の一振りはカミをも屠る(ほふ)」ってのはどうなんだよ。
◎システム

 今までのアクションパズルに比べると、アクション性が増して、これはこれで面白くて楽しくてGood。頭を使った謎解きの難易度はこれまでのシリーズよりかなり優しくなったけども、アクション性が高くなったのでバランスはとれているかな。なにより、キャラクターを動かしていて気持ちがいい。これは『スーパーマリオブラザーズ』の気持ち良さと一緒。ジャンプが出来るってだけで、こうも変わるのか。『マリオ64』じゃないけど、キャラ動かしているだけでゲームとして成立しちゃっているという感じ。進化というよりは、属性が変わったという表現のが合っているのかも。ミニゲームが、『パズル』から『アクション』に変わったというのが、それを顕著に現しているところかな。
 それとフィールド移動が廃止。『ロマサガ』みたいなマップから直移動のシステム。雰囲気的には『FFT』に近い。これは恐らく『WA4』のゲームデザインではフィールドマップを作れない為と思われる。本作では3DのRPGによくあるようなグリグリ視点回転ができず、巧みなカメラワークで立体感を表現している。これにより、完璧なサイドビューであっても3Dマップを移動しているかのような操作感を実現できており、なかなか面白い。グリグリができないというのもゲームデザインとしてはアリ(酔う人いるしね)。またグリグリができないことで、プレイヤーの行動範囲は制限されてしまっているが、その分の労力はグラフィックの方に反映されているで○。今までのシリーズではダントツに綺麗で見応えがある。と、そんなシステムになっているから360度移動可能なフィールドマップを作るのは不可能なんだろうなぁと。
 で、今回大幅に変わったのが戦闘。従来のコマンド入力方式からアクションRPGみたいなHEXバトルタイプへ。素早い順番に行動することが可能であり、遅ければいくら経っても行動できない。コマンド入力後に即行動のタイプ。『FFX』や『天外II』みたいなタイプ。HEX制については、それそのものは何処かで見た気もするのだけど、同HEXに何人も入れるところがミソ。主な行動対象も人物ではなく、HEX単位になっているのもミソ。同HEXにいれば回復魔法の恩恵も同時に受けることが可能だけど、同じように敵の攻撃もまとめてくらう可能性がある。また、アイテムで回復させたくても、遠くのHEXにいると届かない。ばらけて戦うか、まとまって戦うかで戦略性が問われる。敵も味方もHEXを無視しての全体攻撃(回復)をする方法が限られているので、HEXを活かすことがキモになってくると。これは新鮮で面白かった。
 あとは全体的に親切さが増したかな。敵に魔法をかけなくても、ステータス(弱点含)がわかったり、ちょっとつまずきそうな画面ではすぐに説明がでたり。敵の技を解説してくれたり。でも、決して親切すぎるというわけではなく、この辺のシステムについては良いバランスになっているかと。
 ただね。その好システムを活かすだけの戦闘バランスがとれていないのが残念。敵が全く固くないので、戦略など考えずに力押しでドンドン進んでしまうことが可能。ここではHEXを散らした陣形の方が有利とか、集中した方が有利とか、そういうのを考える必要のある難易度になっていなかった。これは『WA4』にだけ言えるってことじゃないんだけどね。今時のRPGってほとんどそうだよなぁと。それでも、今までは隠しボスでバランスを楽しめる構造になっていたのだけど、今回は隠しボスに関してもラギュオラギュラを除いては弱い(笑) そのラギュオラギュラについても、戦略より運のが重要な感じになってるし……。速攻で倒すか、速攻で死ぬか、の大雑把なバランスなもんだから釈然としない。もうちょっと練って欲しかった。
◎音楽

 なるけみちこ最高! ここはガチだった。今回、なるけ女史の他にも、作曲されている方がおられるようだが、その方の曲もいい。全体的にかっこいい系の曲でまとまっており、聴き応えがある。ただ俺に音楽に関する描写能力が乏しいので、良いとしか書けないのがもどかしいところ。語彙が貧弱なのがもどかしい。フィールドマップの曲は壮大だし、戦闘の曲はノリノリでかっこいいとか、そんなことしか書けない。
◎ボイス

 エロゲー風に言えばパートボイスというところか。時々思い出したようにしゃべる。重要なシーンではフルボイスだが、イベントすべてがそうというわけではない。この辺り、中途半端で良くない。エロゲではフルボイスが一般化されたというのに、コンシューマでそれができてないとは。この辺りについては、エロゲ業界の方が上ということなのか。なんか嫌だな。
 ただコンシューマの場合、有名声優が実名で使えるというのが大きい。川澄綾子が「身体がはじけそう」とか「はぁぁぁぁぁ」とか「私の中に獣がいるんです」とか言ったりするわけで、そりゃあ最強ですよ(笑) 
 また戦闘時ではイベントの進行状況によって独自のセリフを喋ってくれるところも面白い。単純に用意されているパターン中からランダムで選択されるのではなく、現在地などによっていろいろ変化させてある。特定のボス戦でも独自の戦闘ボイスが用意されているのも○。ちなみにラギュオラギュラを倒したときのボイスもキャラ毎に違うものが用意されている。
◎演出

 『WA』の演出といって思い出されるのが『WA2』の円谷デモではないかと思う。赤い色の背景をバックに黒のシルエットのボスキャラがウネウネと動き、ウルトラマンチックなフォントで「宇宙怪獣 ウルトラドン」とかなんとか表示され戦闘に入る。いわゆる超演出である。
 今回はそれを超えた。『ドラゴンボール』や『劇場版 テニスの王子様』みたいな演出があちこちで繰り広げられる。猛スピードで迫ってくる貨物車両をチェーンソーで真っ二つにしたり、巨大な鉄塔を振り回しながら叫んだり、拳銃発砲の衝撃で空を飛んだりする。
 これは楽しい。これはアイデア。『WA』らしさというか、金子イズムというか、楽しめた部分だった。
 いや、真面目な話としても、今回の演出はかなりよくできてる。上記のように音楽がバツグンというのもあるけど、「怒りのパワーで覚醒して敵を倒す」みたいな少年漫画にありがちなシチュエーションでもかなり燃えることができた。当たり前のように存在しているから見落とすかもしれないけど、見所である。
◎絵

 綺麗。『WA』といえば、グラフィックの質よりもゲーム性の方を重視しており、あまり注目されてこなかったが、今回はかなり力が入っている。旅の目的の一つに「美しいものを見る」というものがあるのだけど、それに適った美しさがある。広大な大地、美しい海辺、神秘的な遺跡、吸い込まれるような夕焼け、どれも魅了された。しかも、それを出し惜しみしないで次々とテンポよく出していくのも○。一つの場所で無駄に時間を使わせることなく、次々と「美しいもの」を見せてくれる。
 まだ2Dのグラフィックの方も気合が入っている。なにせ町の住民すべてに立ちグラフィックが用意されているのである。話しかけると立ちグラが表示されメッセージが表示されるという徹底ぶり。ここまで数が多いと「2Dのグラフィッカーが余ってたのかな?」という疑問すら沸いてくるほどだ(笑) 
◎総評

 『WA1』のときに言われていたのが、『ゼルダ』や『FF』といったRPGをお手本としているが、独自の色を持っている良作という評価だった。そのときにお手本にしたのが『ゼルダ』や『FF』だったからこそ、『WA1』は輝いていたのだと思う。『天使の詩II』のときもそうだった。ぶっちゃけ、『ドラクエIII』の影響受けすぎであったが、独自の味が付け加えられており感動できた。
 それが今回、影響を受けているRPGが『FF10』なのである。それがとても微妙。いや、『FF10』が駄目といってるのではない。俺自身の『FF10』の評価ってのは、結構高かったりする。映画演出を目指して以降、ゲームとしての本質が失われた『FF』。7〜9までは暗黒期を彷徨っていた。ただ、10になり一つの新しい形が見えたと私は思った。ただ、『FF10』をやるには金が必要なのである。美しいグラフィック、感動的な演出、圧倒的なムービー、声優による迫真の演技。金だ。金がないと『FF10』を参考にできない。
 要するに『WA4』という作品は映画的なのである。しかし、金がない故に届いていない。いやね。200万本の『FF』と20万本の『WA』じゃ、使える金なんて限られているさ。だから、小粒に思えてしまうわけで。
 いやね。なんだかんだで、ラギュオラギュラは倒したし、シェリフスターは3つ作ったし、宝箱はすべて開けたし、50時間はプレイしたし、楽しめてはいるのよ。それだけにもっと作り込んで欲しかったなーと。
 初回版についてくる小冊子の中で金子氏が、「今回、初めての試みとして、ラストシーンにエンドマークを表示しませんでした」と書いているのね。これは「冒険が終わってもファルガイアの未来は続いているんだ……」みたいな感じの理由でエンドマークを表示していなかったのだと最初は思っていたのだけど、よくよく考えてみたらさ。「まだまだ俺は作り込めていねぇ!」という制作サイドの叫びだったのではないかなーと(笑) 願わくば本作が売れて、次回作は豊富な資金で作れますように。
2005年5月19日 記

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