暁の岩礁Ver.1.21




メーカー ユーミソフト(WIN)
ジャンル  AVG
値段 8800円


(C) ユーミソフト



 はじめに。
 なぜ、暁の岩礁なのか? 暁の岩礁といえば、発売日は5月の28日。つまりは、こみパやら、ピュティアやら、すずうた、などなどのゲイムの存在に消えてしまい、誰も注目しておらず、また、『え? なにそのゲーム』、と思う方が多いと思う(私もそうだったし)。
 そんな中でユーミソフトが、なんとかして、このゲームの存在感をアピールしようと、うってでた手が、モニターの企画。すなわち、先着100名さまに、このソフトを配布し、でもって、その100名にレビューを書いていただこうということ。
 この企画に応募した私は、見事にモニターに選ばれ、そしてレビューを書き書きしていたりする。

 ストーリー。
 1999年、初秋。
 豪華客船イングリーブのワールドクルーズ処女航海に心躍らせる少女たち。
 ところが、出港前に船内に非常警報が発せられる。
 船内に爆弾がしかけられたらしい!?
 非常退去が敢行されるなか、教師であるあなたと生徒の一部が閉じ込められてしまった。
 その間に、船はこともあろうか何者かの手によって出港してしまう。
 果たして、これはシージャックなのか?
 爆弾魔の仕業なのか?
 それとも……。

 キャラクター。
 全体的に、キャラクターを見ていて思ったことは、どのキャラもなんとなくうそっぽいということかな。
 「こんな奴、実際にはいないな」、というようなキャラクターが多数いて、言葉使いなども「作った」というニュアンスがとても濃く、違和感が多い。
 それから、キャラ毎によって、一人称や、その他の細かい設定がしてあることは良かったと思うんだけど、それによって、ゲームが面白くなっているとは思えなかった。
 逆に無理に設定されたと思われる、あだ名や、一人称には少し閉口してしまう(姫ボン、萌もえ)。高校生にもなって、萌もえとか、姫ボンとかは……ね(^^;
 また、各キャラの名前も、無理に漢字一文字になっているところが、気になるかもしんない。(恋、光、萌、緑、姫、遥、純、華、響) ってゆうか、キャラの名前が覚えにくい。読みがかなり難しいのもあるし……。まあ、妙なところで遊び心をだして失敗しているっていう感じかも。
 そして、主人公についてなんだけど、主人公とプレイヤーの情報量に違いがあるのも、少し考えもの。
 主人公は、最初からヒロイン達のことを知っているけど、プレイヤーはそうではない……、と、この辺の隔たりが、ゲームにとっつきにくくなってると思う。本編は短いんだから、主人公とプレイヤーの情報量は同じくらいが良かったんじゃないかな。
 主人公の性格というか、行動にも少し疑問を感じる。教師という設定なんだけど、本編の中で教師っぽさが全然でてないし(笑) 教師というよりは、頼りない一生徒っていう感じ。
 シナリオ本編では、主人公が相当頼りない存在で、教え子にささえられているということが多かったので、退屈というか見ていてイライラしてきた。
 キャラクターに感しては、はっきりいって×。

 シナリオ。
 9人のヒロインがいて、シナリオも9つあるんだけど、半分以上は無理に作ってあるかのように思えてしまう……。
 クレジットによると、3名の方がシナリオを書いているみたいだけど、本当に書きたかったシナリオは、その3名の方で1〜2つずつくらいだったんじゃないかな? もし、そうではなかったとしても、そう考えざるを得ない。
 それから、これらのシナリオを通して、一体何が言いたかったのか?作品のテーマというものが見えてこない。悪くいえば、シナリオを終えた時になにも残らなかったというか、感動とか、笑いとか、そういうような感情が何一つ動かされず、なんというかあっさりしすぎ……。
 プレイ時間が、1時間かからない、ということでサクサクと進めることができるとは思うけど、やはりその短さでは心に残るシナリオを作ることはできないなぁと思う。
 それと、9つのシナリオが、あまりにも独立しすぎているというのが、かなり気になるところ。シナリオ同士の共通性というかが、皆無であり(一部では、共通点があるものもありますが)それぞれのシナリオで、設定が独立されているのはあまりにも、矛盾してるんじゃないかな? 私は、その仕様に混乱してしまった……。
 それらの9つのシナリオは、最初の方の選択肢や、移動個所によって、決定されるんだけど、選択肢ひとつで、ガラリとシナリオが変化してしまうというものは、さながら主人公は神様なのか? と誤認させられるほど。とにかくこのシナリオ分岐の方法に関しては、問題点が多い。
 最初に、船の中を歩きまわってヒロイン達と会話としていくイベントがあるんだけど、その中での選択肢がダミーというのにも……ね。シナリオ分岐への重要な複線かと思っていたら、なんのことはないただのダミー。重要なのは、ヒロインにあう順番。そして、そのあとの会話でのかなり適当な選択肢で、分岐が決定させられる。これも、どうかな、と思う。
 主人公が、ヒロイン達に会う順番が違うだけで、未来が変わってしまうのは、考えもの。もう少し、ファクターがあったほうが良かったと思う。
 個人的には、最初にヒロインを選択してという、オムニバス形式の方が良かったのではないだろうか? と思う。
 本編では、豪華客船イングリーブが舞台になっており、その船の中でいろいろなイベントが起きていくんだけど、どうにもその船という設定がうまくいかされているというは思えない。船だからこそ、みたいな感じだったら良かったのになぁ……。この話では、船だからこそ、がないんだもん(^^;
 シナリオに関しても、あまり良いとは思えなかった。やはり、短いシナリオでは印象に残るものはできないなぁと思う。

 システム。
 Pentium 90MHz以上、メモリ32MB以上、とかなり良心的なスペックに、私は感激しちゃった(笑)バグもなかったし、プログラムも軽かったので、快適にプレイすることができたしね。
 が、フルスクリーン仕様なのには勘弁。デスクトップに戻るには、メニューを開いて、終了すれば良いわけなんだけど、会話途中でメニューが開けないので「ぱっ」、と終了することができないしね……。いざっていうときに、困っちゃう(笑)
 また、船内の移動がしにくいのも、減点かな? クリックして、直に移動することができればスムースだったと思うんだけど……。
 文字表示バーのデザインが凝っているのは良かったんだけど、半透明だったらなぁと思った。シフトキーを押せば、文字表示バーは消えるけど、透明処理にしといた方が画面が広々と見えてよいと思う。
 しかし、それ以外の点に関してはかなりGood。シナリオ回想の機能がなかったのは少し痛いかもしれないけどね(^^;
 そして、このゲームでのウリになっていると思われる、時間制限イベントだけど、なかなか良い感じになっていると思う。
 緊張感というよりも、ドキドキ感という感じだったけど、時間制限を設けることによって、よい演出になっていたなぁ……。

 絵 CG。
 256色ということで、インパクトっていうのは特になし。
 キャラのスプライトCGについては、のっぺりとした感じになっていて、平面的というか、良い感じだとは思えなかったかな。
 あと原画が、私的には苦手な絵柄だったっていうのも厳しいかもしれない。一枚絵のCGの塗りに対しては、スプライト絵と違って、中々よい感じに塗られていると思ったけど、原画がどうにもねぇ……。目とか髪の毛の描き方なんかが、特に原画の魅力のなさを強調してくれるし。
 まあ、背景のCGなどは、奇麗に描けていると思う。また、船内移動時のマップなども見やすく描かれており好感がもてた。

 音楽。
 ダイレクトサウンドでの20数曲だったけど、まあまあっていうところかな。
 それぞれのイベントに、マッチしていたと思うし、曲自体の出来も良かったと思う。『船ならでは』、は音楽ではいかされていたかな。
 デッキに出た時でも、海の音が聞こえたり、エンジンルームでもエンジン音が鳴っていたりと良い演出になっていたと思う。効果音の類の出来も良かったしね。
 しかし、個人的にはダイレクトサウンドの音源は好きではないので、CD−DAにして欲しかったなぁと思ったことも確か(笑)

 音声。
 主人公以外は、フルボイスなんだけど、その質はかなり良かったと思う。この部分は、かなり力を入れているなということを感じとれたし、実際に良かったしね。
 スタートメニューなどでの、ガイドボイスが複数選択できたのは面白い試みだったね。その分、容量が増えたっていう問題ももちろんあるけど。
 それから、ゲームを始めた時間帯によって、「おはよう」とか「こんばんわ」などと、ガイドボイスの声のパターンが変化しているっていう細かい演出も良かった(^^;

 Hシーン。
 Hシーン自体については、可もなく、不可もなくといったところかな。
 セックスに関する描写も、それなりに良く書けていたと思うし、CGの枚数もそこそこあったと思う。
 ただ、この主人公がどうしても好きになれなかったので、その分、冷めた気持ちになってしまったことは確か。Hシーンになると登場する主人公の顔を見るとその気持ちが余計に高まる……(冷める)
 そして、問題だと思ったのは、一線を越えることにあまりにも抵抗感がないということ。生徒達は、最初から主人公のことを好いていると読みとれるんだけど、それにしても簡単すぎる……。
 ちなみに、本編内の時間帯は数時間しかないんだけど、その中で、イベントが少しあったからといって、いきなり本番へと進むのはやっぱり無理があると思う。純愛系ゲームということなら尚更……ね。

 総評 その他。
 ミニゲームが2つ(+α)ほどあったんだけど、なかなか遊べる出来だったと思う。本編の中には、無理に組み込んであったけどね(^^; でもまあ、それ単体の出来は良かったからいいや(笑) バランスの調整も良かったし、ミニゲームとしての価値も充分にあったしね。
 ということで総評だけど、少し外れたシナリオとキャラクターに満足できるか、ということがネックかな。
 かなり主観が多いけど、どうにも、シナリオとキャラに満足できなかった。これは、作り話なんだということを割り切れれば良いんだけど……。現実性がほとんどないし……。
 しかしながら、オールクリアをしてみて思ったことは、全体的にはしっかりとした作りになっているということ。スタッフが自信を持って発売したっていう、その気持ちもなんとなくわかる。クリアしたあとにも、おまけが用意されていることや、CG回想機能、Hシーン再生機能の充実などといったそういう部分が作品に対する好感度をあげてくれたし。
 私的には、シナリオとキャラさえよければよい作品だったと思う。本作での様々な試みを忘れずに、そして、今作での問題点を改良して次回作へと繋げてほしいなぁ……。
 今回の件で、ユーミソフトっていう会社結構気に入ったし。



平成11年7日28日 記