SeeIn 青 〜シーンAO〜




メーカー アリスソフト(WIN)
ジャンル  AVG
値段 8500円

   

シーンAO−タイトル−
(C) アリスソフト



 ◎はじめに
 2000年のアリスソフト二発目。一発目であるペルシオンは、私的には好評だったけど、世間ではかなり不評だったご様子。そんな不穏な空気の中、どんなゲームがでるのかと蓋を開けてみれば、かなり俗っぽいAVG。果たして吉とでるか凶とでるか……。
 なお、次回のアリス作品は夜(仮)を予定。その他には旧作の再版としてアトラク=ナクアと零式が発売される。ちなみに、人間狩りはシーンAO以降のアリスCDに付録。(アトラク=ナクアと零式と人間狩りは、アリスの館456に収録、同作品は既にロットアップ済み)

 ◎ストーリィ紹介
 西暦2050年、夏。
 海洋都市(アンドルード)を舞台に繰り広げられるラブストーリー。
 主人公(深海京夜)は、アンドルード海洋学園海洋科の生徒。
 登場するヒロインは、主人公の従兄弟の帆波結衣。主人公がとある研究所から救い出した少女琴里。主人公を兄のように慕っている如月美夕。美夕の双子の妹如月優美。主人公の一つ年上の先輩高坂雪之。そして謎の少女成瀬涼の系6人。
 あと、主人公の友人として九条螺旋が登場する。メインキャラはこの8名。

 久々にストーリィ紹介を自分で書いてみた。
 全然紹介になってねぇ……(涙) けど、なんとなく掴める……よね?

 ◎キャラクター
 アリスらしいキャラクター。っていうのは男だけ(笑)
 いや、私自身はそれでもいいんだけどね。アリスにはブランドイメージなんかないと思っているし。そして、それこそがアリスソフトのパーソナリティだと思ってるし。
 でもなぁ……。なんていうか、ヒロイン達が普通すぎるんだよね。
 主人公キャラの個性がかなり強い為に、他のヒロイン達がキャラ負けしちゃっている。これがなんともなぁ……。
 ヒロイン視点で云うならば、主人公の存在が完全に浮いてしまっている。頭が良くて、武道にも精通していて、雑学にも強い。おまけに料理の腕まであるっていうのだから隙がない。
 まぁ、こういうキャラクターが恋愛物の主人公を演じるというのも、それはそれでいいのかもしんない。
 が、主人公の性格設定の中に、純愛映画が大嫌いというのがあるのね。でもって、このゲームのシナリオ内容は云うまでもなく純愛。この辺のギャップっつうか、違和感っていうの? 作中でかなり感じてしまった。
 ヒロイン達は上で書いたように普通の方々。主人公や螺旋の印象がかなり濃く、なかなか印象に残りにくい。6人もいるもんだから余計に印象に残らない。う〜む。
 端的に云えば、噛み合わない歯車。端的じゃないじゃん。

 ◎シナリオゥ
 プログラムファイルを見たら、アリスソフト歴代3位の大きさ(1位は鬼畜王、2位は学園KING)だったので、ボリューム的にも期待していたのだけど至って普通だった。ソースの書き方の問題か?
 変わっているところと云えば、世界観くらい。未来、海洋都市。この2つのフレーズは見事にマッチしていた。海に浮かぶ巨大都市。他の類似系ゲームに比べて逸しており、アリスソフトな部分であった。
 でも、それが面白さに結びついていたかというと疑問。ってゆうか、結びついていない……。海洋科の生徒らしく、潜水艦に乗るなんていうイベントもあるのだけど、演出が凝っているくらいで、普通のAVGと変化なかったりする。なにか特別な”ゲーム”部分があるわけでもない。手厳しい意見かもしれないけど、私はそう感じた。
 もうちょっと掘り下げてシナリオについて書いてみる。
 メインヒロインが誰だかわからない。というかいない。パッケージには、帆波結衣が描かれており彼女がヒロインなのか? と思うのだけど、別にそんな感じもなく普通に終わる。他のヒロインのシナリオを進めてみてもそれは同じ。
 悲しいことに、それだとクリアしても達成感が得られないのね。CGモードを埋め終わった時に初めて”クリアしたんだ”、という気持ちにはなれるのだけど、そのやり方は私は嫌い。っつうか、クリア時の達成感の充足という観点からでは、その手法では弱いよ。
 テキスト自体は割と面白く読ませてくれる(恋愛部分以外は)。残念なことに、面白いと感じたテキストが恋愛部分以外の普通の会話なんだよなぁ……。
 察するに、シナリオ重視であって、キャラ重視ではない為に、こんなことになっているのだと私は思う。やっぱり、恋愛物はキャラ重視でないとイカンよね。少女漫画の開闢以来、恋愛物というジャンルが飽きもせず支持され続けているのはキャラ重視であるからだし、それはエロゲの恋愛物でも同じ。
 アンビデアボがうけたのもキャラ重視だから。
 小説はハートで書いてハートで読め【(c)平井和正】。(小説じゃないけどサ)

 ◎システム
 Pentium100Mhz以上、メモリ32MB以上、HDD150MB以上の飽き、ディスプレイ640×480ドット以上6万色以上。
 前回のペルシオンでは、スペックアップをしたアリスだけど、今回は以前と同じようなロースペック。まぁ、特に気になる点とかはなし。システム3.8のバージョンは上がっていたけどね。
 AVGのシステムとしては、ごくオーソドックスなもので、移動場所を決めてそれによって分岐されるというもの。移動先に誰がいるのかも、キチンと表示されている。分岐に関して迷う点はまず無い。
 選択肢も少なく、シナリオ分岐は移動によって発生すると断言してよい。難易度も糞も無い。ゲームというよりは読みもの。
 で、腹の立った点は、既読、未読のメッセージ判定をしてくれないのと、選択肢時にセーブができないこと。後者はまだ良いのだけど、前者がかなり嫌。似たような会話でも、攻略キャラによってはメッセージが変化しているので、未読なのにスキップしてしまう場合がある。RPGとかだったら、この仕様でも良かったと思うけど、純粋なAVGでは判別してくれないと困る。ストレスが溜まるから。
 ちなみに、一風変わった試みとして、陵辱シーンのON、OFF機能が用意されており、これはいかにもアリスらしいという印象を受けた。作風が陵辱とは無縁なので、それを配慮しての機能だと思われる。作風に反して陵辱シーンが用意されているのもまたアリスらしい。

 ◎絵、CG
 エロゲンガー最強のMIN-NARAKENさん。とにかく最強。上手すぎる。
 散々、文句を云ってきたけど絵を楽しむものとしてなら十分いけてる。舞台が海洋都市、海洋学園ということでスクール水着による立ち絵なども用意されており、かなりいい感じに仕上がっている
 キャラの立ち絵に関して、かつてこれほどまでに見事な仕事をした方は多分いないと思う。パターン数はちょっと少な目かもしれないけどね。でも、とにかく奇麗。可愛いというよりも奇麗。
 泳いでいるシーンなども、水の透明度などが鮮明に描かれており、これまた奇麗の一点張り。背景も同じ。イルカなんかの生物も同じ。
 海を舞台にしたゲームといえば、リフレインブルーなんかがあるけど、あのCG達といい勝負してる。勿論、原画はこちらの勝利ね。云うまでもなく。

 ◎音楽
 まぁ、普通のCD-DAとMIDI。どちらでも選択可能。エロゲ音楽の平均は上回っているけど、アリス音楽としては及第点に届いていない。ちなみに、作ったのはshadeさんではなくDRAGON ATTACKさん。言葉の云いまわしに深い意味はなし。いや、ホントに。
 海ッ!! っていう感じの強い曲ばかりだけど、なんか物足りない。力強さっていうのかな。これはダークロウズの時にも感じたんだけどね。
 そうそう、この作品ではアリス初(と思われる)のボーカル曲がOP、EDの2個所に使われている。これの出来もまぁまぁ。
 全20曲。う〜ん、ペルシオンはこの倍以上あったけど?

 ◎エロシーン
 上で書いたように、陵辱シーンもアリ。が、陵辱シーンへと至る過程が、いかにもとってつけたような感じなので萎え。なんの複線もなく陵辱シーンに入ってもなぁ……。
 純愛シーンのエロに関しては、主人公の個性が強すぎて萎え。主人公に個性を持たせたのは、エロにとってはマイナスだったね。しかも、この性格だと尚更そう感じさせてくれる。勿論、感情移入がでけていれば、自然と受け入れられるのかもしれないけど、私は駄目だった。
 CG枚数も1シーンにつき1〜2枚と少なく「あれ、あ〜れ?」、と首を傾げたくなる感じ。同じCGでも、テキストによって部分拡大されてみたりといった演出は良かったけど、やはり数を求めたいのがエロゲーマー。 

シーンAO−潜水艦−

 潜水艦モードの画面。特に”ゲーム”な部分があるわけでもなく、演出の一環としてあるのみ。まぁ、変化があるという意味では良いのかもしれない。
シーンAO−Hシーン−

 Hシーン。例によってCGの出来は満点。テキストは結構ボリュームあったけど肌に合わなかった。とどのつまり、私は満足しなかった(笑)

 ◎さいごに
 ぶっちゃけた話、買いじゃないのよ(笑) 最後の方は退屈して適当なプレイになっちゃったし、消化作業もいいところ。でも、10時間もプレイしないで全キャラ攻略できるのでなんとかプレイできた。
 これじゃあ、いかんだろう。
 このボリュームだと、声が無いのが手抜きにすら感じられる。ちょっと書いてて気分悪くなったけど、思ったのだから仕方がない。
 というか、この程度のボリュームだったら、声付きで恐ろしいほどの数の作品がすでに発売されている。それを考えるとね。まぁ、アリス派には声アンチが多いので、なかなか踏み切れないとは思うのだけど、今のままではねぇ……。
 昔は声付き=何処かしら手抜き部分がある(もしくは声優がヘタ)。という感じだったけど、今は違うじゃん。
 となると、声無しでは満足いかなくなってくるのよね。
 貴社の実力はこの程度ですか?



平成12年7日10日 記