ビ      ヨ  ン  ド
BE-YOND




メーカー エルフ(WIN)
ジャンル  AVG
値段 7800円

   

ビヨンドタイトル
(C) elf



 ◎はじめに
 移植屋エルフの今年何発目かの作品。DOS版の同作品の評判は“売れなかったけど、プレイした人はみんな面白いと言っている”といった感じ。なんだそりゃ? と思ったので買ってみた。文脈からわかると思うけどDOS版は未プレイ。
 ちなみに、ビヨンドのOAV版の1話付き(mpeg方式)。ってゆうか、CD-ROMの中身が中途半端に余ったからおまけとして付けたんだよね?>エルフさん 決して、1話だけ収録して残りの3話は買ってもらおうとか、下世話な商売根性ではなく??

 ◎ストーリー紹介
 記憶を失い、気づいたら『魔王』になっていた主人公宮本小十郎(変更不可。
 『魔王』としての自覚もないまま彼は『シモベ』と自称する少女レンを伴い、あてもなく宇宙を漂う。
 彷徨の中で平和な暮らしを望む主人公。しかし世間の『魔王』:に対する風当たりは厳しく、彼のやる事なす事すべてが裏目に出てしまう。さらには様々に出会う少女たちエバフェイアメジストチャイムベルが混乱に拍車をかけ、事態は思いがけない方向に……。だが、これはまだ抱腹絶倒のドタバタ宇宙劇の始まりに過ぎなかった。
 果たして彼の行く末に待ち受けているものとは、いったい……。

 ◎キャラクター
 良い。ジジクサイ主人公とか、人によっては引いちゃうのかもしれないけど、妙に味が出ていて私的には気に入った。
 見かけはバケモノみたいな主人公が、『朝食はご飯に限る。パンなどは邪道だ!』 なんて言ってるのを見ているだけで面白い。見た目と中身とのギャップというかなんというか。
 ただ、見た目がバケモノなので、自己投影型の主人公とは完全に異なってしまう。どんな主人公でも、見た目が人間であれば感情移入がある方な私なんだけど、こいつは無理だったね。バケモノだし。まぁ、距離を置いてコイツはこんなヤツなんだ、と眺めるのが面白いというわけで。声の演出の都合上、名前の変更もできないし。
 そして、その主人公を取り巻くヒロイン達。ボケ&ツッコミ。主人公とヒロインの関係がは正にその一言で表現できてしまう。
 シナリオの構成がサクラ大戦みたいな章だてになっており、でもってそのほとんどがキャラを描く章なので、どいつもこいつも印象に残る。ただ、フェイは嫌いだ(笑)
 あと、主人公とヒロイン達との関係も面白い。恋人ではなく、従者であったり、師弟であったり、情婦であったり。複数のヒロインが主人公についていく、という感じはハーレムに近く、ビヨンドはハーレムゲーだと言える、多分。
 でもって、ハーレム状態なのにも関わらず、主人公は鬼畜ではなく節操がある。故にゲーム自体をエロくなくしちゃっているのだけど、これはこれで面白いと感じさせてくれるのでオーケイ。

 ◎シナリオ
 面白い。シナリオライターの方、今はリーフにいてこみっくパーティーのシナリオに参加されたらしいのだけど、この作品の方が絶対に面白い。
 シナリオは、基本的にギャグ。ツボをついたストレートパンチな笑いはないけど、じわじわとくるボディーブローなネタが多い。後になってそのシーンを頭の中で回想してみると、ほら笑いが……。ってゆうか、クイズダービーのパロディネタは正にそれにあてはまるっしょ?
 けれど、ビヨンドはそれだけじゃない。シリアスもあるし、感動もある。魅せ方っつうか、演出がうまい。CGの表示のタイミングとかね。
 あと、会話そのものも面白い。プレイヤーをゲーム内に引き込ませる魅力がある。基本的に文字を読むだけのゲームは、長時間プレイできない私なんだけど、ビヨンドはそれにあてはまらなかった。ってゆうか、かなりぶっ続けにプレイして即効でクリアできた。ってゆうか、これを書いている時点で2回クリアした。私が同じゲームを2回以上クリアしたのって、何年ぶりだろう……。
 勿論、不満もある。基本的に一方通行なシナリオ。探偵紳士の時もそう思ったけど、こういったシナリオ構成の場合、短いと感じちゃうのね。実際はプレイ時間10時間以上なので、エロゲとしては普通くらいなのだけど、面白さ故にボリューム不足を感じてしまう。
 あと、後半の展開が唐突なのも惜しい。ビヨンドの空気は、ギャグとキャラクター描写であるとプレイヤーに認識させたところで、いきなり作品の雰囲気が変わってしまう。正直な話、もう2〜3章ほどあれば傑作だったのにと思う。
 でも、そういった不満はありにしろ許せてしまうのがこの作品。作品の全体的完成度からしてみれば、上記のような不満は別に気にならないというのが本音。ってゆうか、十分許容範囲内。
 今のこの業界、こういうシナリオ書ける方いないようなぁ、って思う。いや、書ける人はいるのかもしれないけど、正直、企画が通るかどうか。業界の流行(売れ筋)の中にギャグっていうのが無いし。SPARK!なんかは、正にそれに当てはまるしなぁ……。つまりは、面白いけど売れない。
 それとも、こういう作品嗜好である方ってあまりいないのかな? いや、プレイすればみんな面白いと思うハズ。多少の好みはありにしろ。

 ◎システム
 CPU:Pentium 166MHz以上(推奨200MHz以上)。メモリ:48MB以上(推奨64MB以上)。CD-EOMドライブ8倍速以上。640×480ドット(HighColorの表示が可能なディスプレイ)以上。HDD空き容量250MB(フルインストールで850MB)以上。
 
一部、正常なCD-ROMにも関わらず、CDチェックに引っかかる不具合が出ているので注意されたし。ってゆうか、この不具合はエルフらしからぬミスだよなぁ……。それとも、組織力の低下を示唆しているのだろうか(笑)。
 動作面は当環境(東芝Dynabook MMX Pen166 メモリ64MB……)では、特に問題なし。既読メッセージのスキップとか、シーン回想とか、音楽モードとか、音声回想とかの機能も一通りそろっている。
 あ、でも、HighColorよりも上の解像度で起動させると“HighColor推奨”のダイアログがでるのがウザかった。
 ゲームは基本的にコマンド総当りアドベンチャー。けれども、途中の選択肢によって少しだけシナリオが分岐したり、各ヒロインの好感度が上下したりする。これによって、エンディングも変化。まぁ、これによって、すべてのエンディングを見るのは、ちょっとばかり面倒くさい仕様になっている(うまい具合にプレイすればそうでもないのだけど)。
 まぁ、なんていうか古臭い印象を受けるよね、コマンド総当り。移植だから仕方ないのかもしれないけど、場所移動の要素が全くない総当りということで、ゲーム性を全然感じなかった。
 あと、移植にあたって最も力を入れたであろう、ムービーシーン。ファイナルファンタジーみたく、イベントの各所各所に挿入されているのだけど、これがなかなかの出来。戦艦が大砲をバババーン! と発射したりといった動きがムービーする。まぁ、エロ関係のムービーが無いのが残念なのだけど。でも、そういうときは、付属しているOAVビヨンド第一話を見て溜飲を下げよう。……下がらないけど。

 ◎絵
 当時の原画は田島直さん。良かった、クレジットに名前あったよ。あそことは違うってことか。
 今回は原画を描き起こすということはせず、塗り直しみたい。DOS版に比べると、何枚かCGが追加されているのだけど、それとオリジナルとの見分けはつかないね。つまりは良いっていうわけで。
 塗りもエルフらしく綺麗だし、特に文句のある点はなし。
 ほんの数秒しか表示されないCGとかあったりして、仕事に拘りが感じられる。また、CGの総枚数も多い。
 でも、絵で買う、っていう絵柄じゃないんだよな(笑)

 ◎音楽
 PCM。30曲以上あるけど、別のゲームからの使いまわしとかあるので、実際は20数曲くらい。
 まぁ、特に印象に残るような曲はなかった。強いてあげるとするならば、OPとEDの曲くらいかな。
 及第点っていうところ。
 と、忘れてた。銀河連合警察賛歌が最高。この作品唯一のボーカル曲(?)ね(笑)。

 ◎エロ
 主人公の見た目がバケモノ。だから獣姦(こんな言葉あったっけ?)を彷彿としてしまうので萎え。一応、各ヒロインにつき2〜3シーン以上はエロシーンが用意されているので、数的には満足てきるのだけど、そういったわけでエロに期待しては駄目。主人公の性格とかも、エロにとってはマイナス。
 ってゆうか、テキスト描写がイマイチなんね。どうもエロさに欠ける。ここんところをもう少し改良すればなぁ……。

 ◎声
 DOS版未プレイな私には、どの方も上手に聞こえた。ただ、DOS版をプレイした方はエバの声がオバサンっぽく聞こえて萎えるらしい。まぁ、確かにオバサンっぽい声だな、とは私も思ったけど。
 勿論、どの方も上手ね。ここまで安定したレベルで声優起用されると、エロゲに音声は必須とさえ思ってしまう。
 声優も10人以上は出演されていたりして、またしても豪華で金かけているなぁ、と思った。

ビヨンドムービー

 ムービーシーン。エロ関係のムービーはないにしろ思わず”豪華ぁ〜”と言いたくなるような感じ。演出としての効果はかなり高い。また、絶対数も多い。
ビヨンドエロシーン

 エロは薄い。まぁ、ギャグゲーの宿命かもしれないけどね。それに加えて、エルフのモザイク無し仕様でしょ。音声ありというのが唯一の救い。

 ◎最後に
 細かいツッコミどころはあるにしろ、この作品は買い。だって面白いんだもの。キャラにしろ、シナリオにしろ、テイストにしろ。
 エルフも移植ばっかしている理由がわかるような気がする。新作を創る力が無いっていうのも勿論あるだろうけど、昔の作品を移植した方がヘタな新作創るよりも遥かに面白い(愛姉妹除く)。
 移植ばっかすんな、との辛辣な意見も多いけど、私的には移植オーケイという方向性で。DOS版のエルフ作品、ほとんどプレイしていないしサ。
 というわけで、レビュー終わり。



平成12年8日07日 記