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◎はじめに
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剣乃氏が以前に云っていた、「いつかRPGを作ってみたい」を具現化したのがこの作品。
前回はデジアニメが喰い繋ぐ為の大駄作だった。そんな舐めくさったことをされると、それ以降は買いたくなくなるのが人間というもの。しかし、結局は買ってしまった。この辺、実に風見鶏な私。
だが明らかに繋ぎくさかった前回に比べると、この『Card
of Destiny』からは良い雰囲気を感じとれたのも確か。ドレンチェリー氏の原画、なんか良さげなカードバトル、壮大な世界観。
が、どれも決め手に欠ける事は確かで、結局は剣乃ゆきひろという大きな存在が私の心を揺さぶってるのだろうなあとか思った。
YU-NO以降はいまいちパッとしない氏だけど、そろそろ見せてくれるんじゃないだろうか。やってくれるんじゃないだろうか。そう思ってしまうわけで。
正直な話、DESIRE、EVE、YU-NOと魅せてくれた氏が枯れたとは思いたくないのかもしれない。偶には失敗もあるさ、社長業が忙しいのかもしれない、世の中山あり谷ありさと。
書いていて同情的だよなあとか思った。そう考えるとやっぱり枯渇してしまったのかもしれないね。 |
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◎ストーリー紹介
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≪ガーディア≫
力の根源
あるいは、秘められし神の力
時として、それは神の鉄槌とも呼ばれ、人々の畏怖の対象となる
神に認められし者のみが揮うことを許される、大いなる力
それが、ガーディア
四の元素を刻みしもの
何故、神は人に力を与えるか
何を以って、人を己が僕と認めるか
未だ全ては、混沌の闇の中
万物の源であるレシーナ。この母なる大地に、今、一つの影が生み落とされようとしていた。
大陸の覇者ロアーナ教国の、厳格な戒律による統治は、長きに渡り三百余年。
それが崩れ去ろうとしているのだ。
全ては、<破壊神ヴォルスタット>を盟主とする辺境の国家ヴォルド王国が、その勢力を著しく伸ばしているせいに他ならない。
ヴォルドの強き者が弱き者を駆逐する、その直情的とも言える国家理念は瞬くまに大陸を席巻しつつあるのだ。
長き統治と繁栄が続いたロアーナではあったが、これにより武の気運を高めざるを得ない状況へと追い込まれた。
<創造神ロアフィーナ>を擁する首都アムルでも、その気運は高く、教国最強と謳われるアールマティ騎士団の入団試験が行われることと相成ったのである。
そこには、希望と情熱を持つ若者 <アス>の姿があった。
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◎キャラクター
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主人公がそのまんま剣乃キャラ。キャラデザと性格が合っておらず、最初は違和感を感じてしまった。まあ、すぐに慣れたけど。こういう剣乃キャラの場合は目を描かないキャラデザの方が合っている。
キャラ数は多くもなく少なくもなく。大体、10数人の主要キャラが用意されており、その他にチョイ役が数人というスタイル。
ここで私は些か反感を覚えた。このカードオブデスティニーという作品、基本が美形万歳、ブサイク死ね、になっているのである。これはキャラクターデザインを指定した者が悪いのか、原画が悪いのか、原画を決めた者が悪いのか、その辺よくわからんがとにかく登場するすべての主要キャラクターが美形。逆にチョイ役に関してはブサイク。爺。婆。デブ。
これは差別ではないだろうか?
勿論、女性キャラクターに関しては美形万歳、ブサイク死ねの精神でいい。エロゲーなんだから。きっついキャラデザで出されても萎えるだけ。
しかし、問題なのは男性キャラクター。主人公を始め、ライバル、敵、味方。科白の多いキャラはすべて美形。科白の少ないキャラはすべてピカソ。
少女漫画じゃないんだから。なんつうか、もう少し融通をきかせてくれた方が良かったと思う。こう極端だとなあ。 |
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◎シナリオ
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剣乃氏が書いているという情報が一度も流れなかったのを見ると、やはり氏が書いているわけではないらしい。しかし、テキストのテイストは氏そのもの。かなり意識して書いていることがよくわかる。語彙も豊富だし。まあ、悪く言えば真似なんだが。
ファンタジー世界が物語の舞台。この設定は剣乃氏によるもの。でもって、このファンタジーの設定がとにかく凄い。YU-NOの時もかなりの設定だったが、今回もそれに迫るものがある。というか、凄すぎて良くわからない。……YU-NOの時もこんなんだったな、俺。
物語はGood編、Evil編、Neutral編の三つに分かれ、それぞれの話で主人公の立場が変わってくる。
Good編ではロアーナ側、Evil編ではヴォルド側、Neutral編では中立の立場。
それぞれの物語でそれぞれの正義がある。見せ方が上手い。一番最初にGood編での正義を見せておき、Evil編ではそれを悪としてしまう。Good編での悪はEvil編での正義。それでは、Good編は一体なんだったのか、ということになってしまうのだが、Neutral編を用意することによってそれを見事に統合しているのである。
ポイントは全く別の絶対悪の存在。
まぁ、バラモスがラスボスだと思っていたらゾーマがいた。ということを複雑にやっているだけなんだが。
しかし、RPGのポイントはラスボスだ。絶対悪の存在は重要である。同情できるような奴がラスボスだとしても、話は盛り上がらない。
この作品はRPGにおける最重要課題、いかなるラスボスを用意するか? に対して、かなりレベルの高い回答が出せているのだ。 |
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◎システム
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■必要環境■OS:Windows95/98/2000
CPU:Pentium133MHz以上(推奨266MHz以上)
メモリ:32MB以上(推奨64MB以上)
解像度:640*480,ハイカラー以上(推奨フルカラー以上)
HDD:540MB以上
CD-ROM:2倍速以上
サウンド:PCM |
特にバグも見当たらず、多少の誤字があるだけ。システムも軽く〇。インストールさえすれば、CDを用意する必要もない。
ゲームの進行は普通のRPGと一緒。イベント→ダンジョン攻略→イベント→ダンジョン攻略の繰り返し。イベント部分は普通のAVGエロゲーといっしょ。ダンジョンについては後述。
勿論、ダンジョン攻略の最中はセーブができない。なので、セーブが当たり前なAVGばっかりプレイしているエロゲーマーにはちと辛いものがあるかもしれない。1〜2時間くらいセーブができないということも多々ある。
そして、なぜかCGモードがない。その理由もわからない。CGモードがないエロゲーなんて、終ノ空以来ではないだろうか。問答無用の×。剣乃氏の辺な拘りだよなあ、これって。YU-NOでもCGモードって無かったし。でも、特命課長や探偵紳士ではあったんだよな。用意している時間が無かったのかあ?
で、戦闘シーン。ターン制のドラクエスタイル。ボス戦においてでさえ戦略を練る必要がなく、力押しで進めることができてしまう。それ故に敵を倒したという達成感、充実感がない。
さらに戦闘ルーチンの出来がしょぼい。アスガルドを彷彿とさせるほどにしょぼい。こちらのHPが3000とか4000とかあるのに、受けるダメージが0の場合すらある。優れた戦闘ルーチンというのは、こちらのレベルが高くてもそれなりに“強かった”という印象を齎せてくれるもので、その辺の作りが大雑把。
カード・オブ・デスティニーのタイトルが示す通り、カードを使って戦闘を有利に進めることができるのだが、これがまた面白くない。カードは物語の中では重要な存在であるが、戦闘に関していえばただの魔法。特質すべき点が見つからないのである。
エンカウント率も高すぎる。2〜3歩歩いただけなのに、かなりの確率で敵が出現してくるのは堪ったもんじゃない.
で、ダンジョンはドラクエのような2D見下ろし型ではなく、メガテンのような3Dタイプ。多少のギミックが用意されており、そこそこは楽しめる。しかし、グラフィック面での作りがかなりおそまつ。テクスチャをペタっと貼っただけなので見栄えがショボイ。
んー。当たり前だが、RPGを作りなれていないという印象を受けた。やはり、エロゲーRPGはアリスソフト以外駄目なのか。少なくとも遊べるレベルにはなっていない。 |
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◎音楽
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DirectSoundに対応。
サウンドモードがないので詳しい数はわからないが、曲数はかなり多い。そして、その殆どが素晴らしい出来。ファンタジー色が強く、作品の雰囲気にもマッチしている。
しかし、通常戦闘の曲は×。戦闘っていう感じは確かにするのだけれど、いまいち緊迫感と盛りあがりに欠ける。重要な部分の曲なだけに実に勿体ない。 |
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◎ボイス
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| なし。あった方が良かった。 |
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◎絵とエロ
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原画はカーネリアン産駒ドレンチェリー。今まではカーネリアンさんのとこで裏方的な仕事をしていたのだが、今回この作品によって日の目を見ることとなったらしい。絵の上手さは流石。
つうか、グラフィック関係は全部外注なんだろうな。カードのデザイン、モンスターのデザイン、CGの塗り、すべてが今までのデジアニメとは違うんだもの。特にCGの塗り。プレプレとか探偵紳士での塗りとはまったく別物。とにかく上手いわけで。
んでもって、エロシーンになるとノベル式表示になる。文章量、質、ともに申し分ない。愛のあるセックスだけではなく、強姦なんかもある。デフォルトされていないファンタジーという感じか。ありつくまでには時間がかかるが、その分のエロさは充分にある。
登場する殆どの女性キャラクターにエッチシーンがあるというのも嬉しい。期待を裏切っていない。
それだけに、ボイス無しなのが悔やまれるよなー。これだけエロゲーをやっていると、ボイス無しではもう駄目。なにが駄目って、エロゲーがではなく、俺自身が。 |
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◎総評
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例によってクレジットの表示が無かったので、スタッフの名前がまるでわからない。わかるのは原画のドレンチェリー氏と世界観設定の剣乃氏の名前のみ。今回はスタッフの名前を出しても問題なかったと思うのだけど。それとも外注が多すぎて、カットせざるを得なかったのか。う〜む、わからん。これがデジアニメのスタイルという可能性もあるが、探偵紳士ではクレジットあったし。
スタッフに感謝の意を込めてクレジットに名前を出すのが普通だと思うのだけど、この作品の製作総指揮にはそういうのがないンだろうか? ホントに疑問。
今の時代には合わない作品だった。これが4年ほど前に発売されていれば、評価はかなり変わっていたと思う。RPGというスタイルをとっていること自体がかなりのマイナス。主要な部分の戦闘以外は全てカットしても良かった。ダンジョン攻略は良いとしても、雑魚との戦闘が兎に角作品の足を引っ張っている感じ。
これだけのシナリオボリューム、クオリティの作品なのに、ちっとも世間の評判にならない理由はそこにあるのだろう。今のエロゲーマーはエロゲにゲーム性など求めておらず、キャラ萌え、シチュ萌え、エロといったものを重要視している。このゲームも“戦闘がだるい”といった理由で、積みゲーにされている可能性が非常に高い。
正直な話、それはかなり惜しい。ここまでのシナリオのゲームはそう簡単には見つからないよ。 |