メーカー テリオス(WIN)
ジャンル AVG
値段 8800円

| ◎はじめに 1年と8ヶ月ぶりのテリオスの最新作。前回発売されたまじかるカナンは、荒削りながらも押さえるところはキチンと押さえているという作品だったので、今回も買ってみた。 初回版はELYSION EXTRA BOOK付き。いろんな絵描き人(うたたねひろゆきさんとか)が描いている豪華な一品(同人誌のノリやね)。でも、ネタバレ要素が結構あるのでクリアしてから見た方がよいかもしれない。 ◎ストーリー紹介 ヴェネツィアにほど近いアドリア海の孤島……。 島に建つ壮麗な洋館では、世界各地から非合法な手段によって集められたメイドたちに囲まれ、一人の老人が悠然たる日々を過ごしていた。 老人の主治医として屋敷に招かれた内科医、葛城遼一は、メイドたちへの命令権を与えられると同時に、彼女らの健康管理を一任される。 老人の真意が読めぬまま、葛城はメイドたちとの19世紀さながらに様式化された奇妙な生活へと入ってゆく……。 屋敷内に渦巻く陰謀。見えざる悪意。 失われた過去を知る一人の少女。 様々な思惑が錯綜し、隠匿する事実とは何なのか? なんかエロゲーの話じゃないみたい……。 ◎キャラクター キャラクターメイキングがイマイチ。どのキャラも「定番の型」かなんかから作られたようなそんな感じがした。真面目タイプ、明るく元気なタイプ、気が小さいタイプ、ドジだけど元気なタイプ。ほら、並べてみると定番通りでしょ? それだから、どのキャラも生き生きとしてこない。とどのつまり、プレイヤーのやる気も半減してしまう。 まぁ、キャラクターメイキングなんていうものは、ライターのセンスそのものなわけで、なかなか巧くいかないものなんだけどサ。 主人公は、無個性とまではいかないけどクセのないタイプ。プレイヤーにとって腹の立つような行動をとられることもないけど、それだけに全然面白くない。 カナンでは、なかなか良く出来ていた男キャラ。今回はまるっきり駄目。カナンに比べると、その存在自体の重要度が下がったっていうか、キャラ描写がまるで弱い。なんの為に存在しているのかわからないキャラまでいる。この辺はプレイヤーが補完しないといけないのか? どうにも駄目やね。格好いい系のキャラがまったく無能だったりとか、後味が悪くなるだけなのに殺してしまったりとか(それも無意味に)。 キチンとキャラメイキングしたのかぁ? とすら思う。キャラの気持ちとか、全部フィーリングなんじゃないの? マジで。 やっぱり、キャラクターは大事に描かないと。 ◎シナリオ 難しいよ……。難しいことを書くエロゲーライターっていうと、真っ先に剣乃さんを思い浮かべるのだけど、それとこれとはまったく別ベクトルの問題。用語補足のテキスト、なんて用意されてもな。もっと、わかりやすく書いて欲しい。ライターは自分の文章に酔っていただけなんじゃないのか? 絶望的に面白くないテキストだったし。 宗教とか歴史とかの言葉がてんこもり。それをあたかも常識のように作中で書かれても私は困る。主人公が“なるほど!”と思っても、私がそうと思えないことが多々あった。それとも私の頭が悪いだけなのかな? 本作はシーズのグロリアみたいなメイド洋館物。一時期は乱造されていたけど、最近ではあまり見なくなったような気がする。それだけに、時期外れというか古臭いというか。 含んでいる謎の部分の解明の仕方もなんかヘタクソ。複線の貼り方もなんか駄目。 あと、これは感動を誘っているシナリオなのかな? とそれさえもよくわからない。曖昧。疑問。不明。 まぁ、おそらくは感動させようとして書いているのだと思う。全然駄目だったが。 そして、何よりも駄目だったのが叙情的な部分。ライターの気迫が感じられないのよ。この作品で一体何がいいたかったのか。ってゆうか、何がやりたかったのか? いろいろとお勉強はされたみたいだけど、ほとんどが空回り。 自転車のペダルを逆に漕ぐような感じなわけで。 ずっとシリアスな展開だったので、カナンのときみたいな笑える展開も期待していたのだけどそれもなし。これには私も凹んだねぇ……。 マルチシナリオなわけで、一つくらいは気に入るエンディングあるかなぁ、とか思ってたけど甘かった。 ◎システム CPU:Pentium133MHz(MMX200MHz以上推奨)、メモリ:32MB以上(64MB以上推奨)、HD空き容量60MB以上(1,4GB以上推奨)、CD-ROMドライブ8倍速以上(16倍速以上推奨)、モニター640×480ドット・16bitハイカラーの表示可能なディスプレイ(800×600ドット・32bitフルカラー推奨)。 カナンではあったメッセージ回想機能がなくなってる。なぜッ!? しかし、エロシーン再生機能はキチンと付加されていた。まぁ、これも今では標準装備なんだけどね。欲をいうならば、未読、既読の判別も行って欲しかった。まぁ、似たような文章が微妙に変化するというパターンがほとんどないので、無くても一応は平気なのだけど。 しかし、そんなことはどうでもよかったりする。問題なのは次の2点。 1、なぜ、AVGの移動画面で見下ろし型を採用する? ドラクエじゃないんだから。エンカウントするわけじゃないんだから。ゲーム性を出そうとした結果、空回りしちゃったんだろうなぁ……。 この見下ろし型での移動がかなり面倒臭い。見下ろし型ならではの仕掛けとかがあれば良かったのだけど、それがまったくない。 これだったら、選択肢による移動でもシンボルクリックによる移動でも、全然平気に作ることができると思うのだけど? しかも、作り自体がショボイので存在自体が浮いてしまうという始末。ミニキャラと立ちキャラとの共存は難しい。 2、そして、激ムズの難易度。 見下ろし型のせいもあって、やたらと攻略難度が高い。余すとこなくフラグをたてないとクリアできない。また、序盤に重要なフラグを立てておかないと駄目な場合もある。自力での攻略がかなり骨。もうちょいヒントが欲しかった。 とまぁ、以上の2点ね。では次。 リフレインブルー、YU-NO方式のシナリオ構成。 最初から、すべてのエンディングへの道が開けているというのではなく、いくつかのエンディングをみないと他のルートへは進めないという仕様。 散らばったジグソーパズルのピースを集めていくような、そんな感じ。もっとも、肝心のシナリオがアレなんで、その仕様も空回りしちゃっているのだけど。 ◎絵 天下の横田守さん。やっぱりこの方の書く女の子はええわ。エロの具合といい、キレといい、コシといい、コクといい。って、また誤解を招くようなことを書いてるな>俺 要するに私はこれ目当てで買ったわけであって。 これにさえ満足すればそこそこの評価をしてしまう、ということで。 でも、カナンに比べると萌え具合は下がってしまったなぁ、と思ったわけでもあり。 一枚絵の数は似たようなポーズのを含めて300枚以上。見習えや。 この辺りに、開発期間の長さが現れているよね。次々と表示されていく一枚絵の美しいグラフィックに私は感嘆。 絵柄を見ただけで、『この方だ!』とわかるのは良きこと。 ◎音楽 MIDIによる40曲。凄い。ここにも開発期間の長さが。しかも、クレジットによれば作ったのはたったのお一人。 MIDIだけど良い。作品の雰囲気に合っているというのは勿論、どこかしら哀愁を誘う作風。私、こういうのに弱いの。 でも、カナンでは採用されていたボーカル曲が今回は無し。ちょっと寂しい。 プログラムによるOP(カナンはムービーによる歌付きOPだった)とかあったのだから、歌が付いていてもよかったんじゃないかなぁ……。それは、無責任な1ユーザーの勝手な意見。 ◎エロ 1シーンにつき2〜3枚と、これに関しては普通なのだけど、絶対シーン数が他のゲームよりも多い。1キャラにつき何通りものシーンがある。 エロシーン途中の選択肢によってエロシーンが分岐するのもGood。脱がせるor脱がせない、みたいな選択肢はマニア好みだよなぁ……。ってゆうか、この辺の感覚が私にはもうわからん>駄目人間 テキスト描写はちょっと少なめ。エロレベルはカナンと同じくらいかな。ただ、シーン数がカナンよりも多いのでこちらの勝ちということで。 ◎声 半ボイス。イベントシーンやHシーンでは声が入るけど、それ以外では無音声。永遠の都と同じ。 これは、容量との戦いなんだろうねぇ。半ボイスであっても、CD2枚の容量ギリギリを使っちゃってるし。 開発陣の苦悩が想像できてしまう。ってゆうか、MP3形式にすれば入ったのに。技術の問題か? 話変わって、声優のレベルは高い。驚いたのが男性達の声。なんかテレビでよく耳にするような声の方が3名ほどいた。もっとも、他人の空似という可能性もあるけど。実際の所はどうなんでしょ? 前回は声優の表記がクレジットにあったけど、今回は無かったのよ。 |
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| ◎さいごに 横田ファンは買いということで。 CGゲーという言葉は、私の中では否定的なのだけど、この作品とカナンだけは別。CGで魅せられるというのも、たまにはいいではないか、と。 今回のレビューでは、やたらとカナンを引き合いに出してみたけど、完成度としてはそれのちょっと上くらいかな。 カナンで出来なかったことを、エリュシオンではしているけど、逆にカナンではできていたことをエリュシオンではできていない。相殺されちゃってんだよなぁ……。 あと、シナリオにGo!サインを出された方、追及されるベシ。 |
平成12年8日16日 記