と く め い か ち ょ う     い じ ゅ う い ん ぎ ん ざ ぶ ろ う
特命課長 慰中陰銀三郎




メーカー デジアニメ(WIN)
ジャンル  AVG
値段 8800円

   

特命課長 慰中陰銀三郎のパッケージ
(C) digiANIME Corporation



 ◎はじめに
 死んだと思っていたけど、実は生きていた。なんてのは、少年漫画かなんかではよくあるパターンなわけだけど、この会社(デジアニメ)の場合もそれにあてはまるわけで。
 前回、不確定世界の探偵紳士により、見事プレゼントプレイでの汚名を返上することができた(と思う)デジアニメ。
 その探偵紳士から4ヶ月という実に短いスパンでの登場となったのがこの作品。
 探偵紳士とプレゼントプレイとの間は、1年以上空いていたのに、今回はたったの4ヶ月。
 『量産品の屑物なんじゃねぇか?』、という懸念が私を襲う。
 『いや、大丈夫だ。かつてのEVEを、剣乃さんはたった半年で作ったんじゃないか。シナリオを3ヶ月で書いて、プログラムまで兼任して』
 というわけで、購入決定。

 ◎ストーリー紹介
 銀縁メガネに、ボサボサの長髪。
 備品管理課に所属する一見さえない男。
 しかし裏の顔は、巨大企業を暗部から支える特命社員。
 オフィスレディから、看護婦、アイドル、ウエイトレス、教育連合会会長、女専務にいたるまで、アイドラー・クラスCを持つ特命課長の、禁断の秘技が冴えわたる!

 『シティーハンター』、みたいな二重の顔を持っているという設定なわけだけど、エロゲーではありそうでなかったね。

 ◎キャラクター
 描写が鎮撫。
 主人公の慰中陰は結構個性的な人物なのだけど、特に魅力は感じず。というか、容姿と性格がまったく合っていないので違和感ありまくり。
 表の顔の時と、裏の顔の時で、あんまり性格の差がでていないのも駄目。口調にはっきりとした変化をつけるとか、もっとメリハリを出してもらわないと。
 裏の顔のときの慰中陰が、もっと格好よく活躍してくれたらよかったんだけどね。なんつうか、やってることは犯罪なわけで(超法規的措置ってヤツか)、ヒーローとしての誇りはないのか? と突っ込んでみたり。だって、脅迫ネタを見つけて犯して虜にしているだけなんだもん。他の手段がありそうなのにも関わらず。
 そして、特に印象には残らなかった女性キャラクター。
 凝ったというか、お約束みたいなのが彼女達の職業。ウエイトレスとか、アイドルとか、看護婦とか。でも、うわべだけ。性格づけなんかも、適当っていうかレビュー書けるほどの描写すらなかった。
 立ちポーズCGさえなかった男性キャラクターの方が、まだ印象に残っているかも。

 ◎シナリオ
 プレゼントプレイでの剣乃モドキが書いているとは思うのだけど、確証は掴めず。なぜならスタッフロールが無かったから。
 ってゆうか、自分の作った作品くらい責任を持てよな。
 スタッフロールが無いっていうことは、責任放棄も同然。
 しっかし、プレプレといい慰中陰といい、なんでクレジットがないのかね。やはりアーベルとの関連性と考えると表記するのはマズイっていうことなの? さっぱりわからぬ。
 とまぁ、前口上はこれくらいにしておいて本題にいこ。
 アイドラークラスCのライセンスを持つ、っていうくらいだから、てっきり探偵物だと思っていたのだけど、実際は全然違っていた。
 特命を受けた主人公が、脅迫ネタを掴み次々と女性達を犯していく、とそんなシナリオ。
 これに関しては、終始“Why?”という英単語一文字だけが、頭の中を生め尽くしていた。追い込む(犯す)までのシナリオが非常に短い(体感で10分くらい)。しかも、その過程がまたショボイんだわ。盗聴とかであっという間に脅迫ネタを掴めてしまい興ざめ。こうも巧くいくわけねーだろ。
 この手のシナリオでは、脅迫ネタを掴むまでの過程が重要なんじゃないのかね? 臭作とかでもそうだったでしょ。せめてプレイヤーに考えさせる要素くらいは欲しかった。慰中陰がゲーム内で勝手にやってくれる、っていう感じ。プレイヤーの介入する余地がない。
 それに短すぎ。4時間くらいで全てが終わってしまう。音声を完全に聴けば、もうプラス2時間くらいにはなるけど、それでも短い。
 テキストはプレゼントプレイと同じような感じ。まぁ、ライターが同じだろうから、当然といえば当然なわけだけど。刺激というか、メリハリがないんだよね。

 ◎システム
 CPU:Pentium133MHz以上(推奨MMX Pentium200MHz以上』、メモリ:32MB以上(推奨64MB以上)、HDD:160MB以上(推奨450MB以上)、CD-ROM:2倍速以上、ディスプレイ:640×480以上の解像度を表示可能、ハイカラー以上(フルカラー推奨)。
 操作感が一緒なので、多分探偵紳士のときと同じシステムで走らせているのだと思う。よってゲーム自体は軽くてGood。プレゼントプレイのときの迷走っぷりはもうここにあらず。
 ただ、難なのはオートセーブにのみ対応しているということ。細かくオートセーブしてくれるので、再開したとき大分前に戻されるっていうことはないのだけど、それでも不自由さを感じた。ゲームを止めるタイミングが掴みづらい。
 ゲーム自体は選択肢を選択し続けていくのみのアドベンチャー。デジアニメのサイトを見ても、どんなゲームだか掴めなかったけどこういうことだったのね。
 特質すべきシステムも特にない、ただの抜きゲーだったというわけで。
 一応、演出面で多少の凝りは見られるのだけど、これくらいじゃ感動も何もないんだよなぁ……。

 ◎絵
 この作品のスタッフ(外注か)の中で唯一名前が判明している『みなづき ゆず』さんが原画。ってゆうか、この作品すべての尻拭いを彼女がさせられそうだ。
 情報によれば、絵描きとしてのキャリアは長いのだけど、エロゲンガーとしての仕事は初めてとのこと。
 絵柄は結構癖のある好き嫌いが分かれそうなタイプ。私的には好きな部類に入るかな。ちょっとクドイけどね。
 塗りはデジアニメ塗り。なんつうか、特徴があるというよりは変なんだよな。探偵紳士のときも感じたけど。
 エルフやアリス辺りにこの原画を塗らせてみれば、結構化けるのではないかと思った。
 いや、そんなことはどうでもよかった。
 とにかく、CGが少なすぎ。一枚絵のほとんどがエロCGなのは良いのだけど、総枚数が50枚ちょっと。詐欺じゃないんだから。
 それだけに留まらず、立ちキャラのポーズも殆どのキャラクターが1ポーズのみ。豪勢さが何もないんだよな。
 プレゼントプレイでは、シナリオ数の多さ物量主義で、まだCG面の問題は許せたのだけど、『特命課長 慰中陰銀三郎』では絶対に許すことができん。

 ◎音楽(DirectSound)
 音楽モードが無かったのでわからないのだけど、多分10曲に満たないと思う。CGに続いて音楽も少なすぎ。
 メインテーマとか、OP曲とか結構良い感じなのだけど、いくらなんでも手抜きすぎじゃないのか? ゲーム中、ずっとメインテーマが鳴りっぱなしだった。
 しかも、モノラルにまで音質落としてあるから、折角の仕事もその効果を十分に発揮できていないし。
 音楽モードが無かったのは、『10曲に満たない曲数で音楽モード作っても、ちゃちいだけだからなんじゃないの?』と邪推してみる。

 ◎エロ
 なんていうのかな。状態を解説させすぎ。あと、主人公のオヤジ化。それはつまり、To Heartで再現するとこんな風になる。

  浩之「どうして欲しいんだ、あかり? 言って見ろよ」
 あかり「浩之ちゃんのが欲しいの」
  浩之「それじゃわからねぇよ。もっと具体的に言ってくれねぇとよ」
 あかり「浩之ちゃんのおちんちんが欲しいの。太くて長くて
      おっきな浩之ちゃんのどす黒いおちんちんが欲しいの」
  浩之「くく。わかったよ、そらッ」
 あかり「ひゃッ!?」
  浩之「おらおら、どんな状態なんだ、ええ?」
 あかり「ひ、浩之ちゃんのが私の中を掻きまわしていて、
      それでエッチなお汁がアソコからずっと流れ続けてるの」
  浩之「へっ。この淫乱が」
 あかり「そうなの。私は淫乱なの。私のエッチなアソコを
      もっと突いてください。ご主人様」
  浩之「ふん、わかったよ。おらぁッ」
 あかり「ひ、ひいッ。いくッ、いくいくいくいくッ。いっちゃうぅぅぅ〜」

 冷めるでしょ?
 シーン数とかかなりあるのだけど、どのエロシーンもそんな感じ。あと、ここにもCG枚数の少なさが現れていて、真っ黒な画面でテキスト描写のみ、っていうシーンが結構あった。
 それとも、プレイヤーの頭の中にHCGを思い浮かばせるという演出なのだろうか?(考えすぎ)

 ◎声
 私の中ではヘタクソな部類に入る。フルボイスではなく、エロシーンやその他一部にのみ音声が入っているという仕様。これがせめてもの救いだった。
 この音声を聴いていると、かつての“エロゲーに音声はいらねぇ”の声の意味がよくわかってくる.。
 と、そんな懐古的にさせてくれる音声だった。皮肉ではなく。

慰中陰銀三郎−通常シーン

 通常シーン。背景とかは綺麗。あとはごく普通のAVG画面となんら変わらず。ってゆうか、立ちポーズ数の無さが泣けてくる。
慰中陰銀三郎−Hシーン

 エロシーン。エロ重視の作品なのにも関わらず、描写が大変にヘタクソ。“喋らせればいい”、っていうもんじゃないからなぁ……。

 ◎最後に
 アーベルも探偵紳士シリーズで復活したことだし、剣乃さんはデジアニメを斬り捨てたんじゃないのだろうか? ってゆうか、これにOKを出すか、普通??
 正直、ラストとか結構良かったんだけど、この程度のボリュームじゃ評価の対象にならん。
 だって、8800円定価のゲームが4時間で終わるんだよ? アクションとか、シューティングとかならわかるけど、アドベンチャーでだよ?
 プレゼントプレイなんか、プレイタイム30時間オーバーだったのにサ。これは手抜き以外の何物でもないよ。せめて定価が安かったのなら、まだ許せる部分があったのだけど。
 あと、上げ底パッケージにも腹が立った。意味もなくスペース取りすぎ。
 そういったことで、レビューおしまい。



平成12年8日21日 記