「To Heart」に満足した私は、ビジュアルノベルの残り2つに手を出しました。「雫」と同時買いです。
雑誌などに載っている「面白かったゲーム」、のコーナーでも評価も上々でしたし、私的に興味があったのも事実です。Web上での評判も良いですし、なにより「初音のないしょ」(※このゲームには痕のキャラがでてくる)をプレイした直後でしたからね。うーん、「痕」ってどんなゲームなんだろう?
などと思ったわけです。
この作品、面白かったのですが「他のみなさんが思っているよりは面白くなかった」、というのが私の意見です。私的には、前作である「雫」の方が良かったです。もちろん、つまらないのではありませんよ。ただ、なんというか、ボリューム不足、消化不良的な部分があったのも事実です。すべてのエンドを見たときの達成感が薄かった……。
でも、全体的な感想は面白かったです。
キャラクター解析。
主人公。まあ、いい奴です。性格もきちんと定められており、それとは矛盾した行動をとるということもありません。しかし、これといった、特長もなく、変わっているなあ、という点もないです。まあ、必ずしも変化が、あった方がいいとは言いませんけどね。行動を見ていても、いらいらする所もありませんし。好感ももちやすいかな?
まあ、変なところもありますけど。
ヒロイン。4人です。しかも、4人とも血が繋がっているという……。つまりは、姉妹。う〜む、なんとも、インブリードな感じですな。しかも、主人公とは従姉妹関係……。って血が繋がってるじゃないですか。まあ、なんてことでしょ(笑)。
通常、こういったゲームの場合、一人、キチンとしたヒロインが定められていることが多いような気がしますが、今作では、特に決まってないですね。
まあ、現実世界でも、従姉妹関係とはくっつきやすいそうですから(?)、その辺をうまく利用した(それともたまたま?)設定ともいえるでしょう。でも、ヒロイン4人とも従姉妹っていうのもなあ……。まあ、ストーリーの関係上、他のキャラ出してたら、きりが無かったからでしょうけど。
それに、4人とも、最初から主人公のことが好きっていう感じですからねぇ。まあ、ストーリーとして、まとめやすくはありますけど。 でも、キャラの性格やら、設定やら、背景だとは、良く練られています。○。
ストーリー。
前作では、くらーい感じのストーリーでした。To
Heartは明るい感じのストーリーでした。今作では、雫を2つ、To
Heartを1つたして、3で割ったような感じですね。ちと、わかりにくいですか?
まあ、暗い話ではないです。でも、明るい話でもないです。表面上で明るく、でも実際は暗い、こんな感じです。
簡単に言えば、不幸、幸福、不幸、幸福、と交互にあるっていうことですかね。バッドエンドでは、すべて、不幸ですし、グッドエンドでもすべて幸福っていうわけでは、ないんです。
この辺は、プレイヤーがグッドエンドを迎えたときに、後味が悪くなるような気がするのですが、シナリオ上、すべて一件落着、といくような話にはできないんでしょうね。
一応、ヒロイン4人にすべて、グッドエンドとバッドエンドがあり、その他にもエンドがあり、なんですけど、フラグ立てがイマイチ悪いんですよね。この選択肢を選んで、なぜ、この人のシナリオになるのだろう?
という感じです。この辺が、ちと、駄目でしたね。少なくとも、誰のシナリオにシフトするかは、わかるように、選択肢を設定してくれないと……。この選択肢で、なぜバッドエンドなんだ?
というのは良いのですが……。
ちと、システム面の話になってしまいましたね。
えーと、シナリオについて思った事は、説明不足は否めない、という事でしょうか。つまりは、ありゃあ、なんだったの?
みたいな事です。しかし、この方法が悪いとは、いってません。有名なのはEVA、最近ではONEですが、自分自身の考えがストーリーを補完するという、方法です。まあ、上記の作品ほど、謎というわけではないのですが……。しかし、プレイヤーに想像させる、というところがあるのは、たしかです。
それから、一つ、一つのエンディングをクリアしていって、始めて全体の話がみえてくるんですけど、まあ、これはちと「難」ですね。あるヒロインとグッドエンドを見ても、他のエンドを見ていないと、???という場合があるんですよ。他のエンドを見て、ああ、あれはこういう事だったのね、みたいな。バッドエンドの場合だったらいいんですけど、グッドエンドだとねえ……。
それと、最初に書いたように、どのキャラがメインヒロインなのか、がわからないので、どのエンドも薄く感じてしまうんですよ。雫では瑠璃子、To Heartではあかり、のようにメインヒロインを決めていただかないと、プレイヤーは混乱してしまうと、思います。こういった、ゲームの場合、メインヒロインで、クリアすると、それなりの満足感がえられますから。
それと「あるエンドを見ることによって、選べる選択肢が増える」、という技法が今作でも使われているのですが、これの使い方が下手になってます。バッドエンドを見たら、グッドエンドを見られる選択肢が増える、というのはいいんですけど、すべてのエンドを見終わる前に、おまけシナリオとか、がでてしまうのは、×です。少なくとも、4人のヒロインをクリアするまでは、おまけシナリオは伏せておいてもらわないと……4人をクリアするのに、そんなには時間かからないし。
この辺の、選択肢のフラグ立ての甘さが、クリア後に得られる達成感を薄くしてしまったんです。おしいよなあ、ストーリーは面白いのに……。ストーリーの良さを、詳しく書くとネタバレになるので、書きません。ばれない程度に書きますと、心に響く、感動、重み、深み、などなどの描写が良いのです。
システム。
「雫」のパワーアップ版です。ほとんどのシステムは、前作と同じなので、雫のレビューを参考にしてもらいたいのですが、エンディングを見た後に、セーブが消えない、クリア回数がでる、などの要素が増えています。しかし、どのエンディングを見たか、どの文字を見たか、などのセーブが、今作でも、一つのしおりにしかセーブできないのは×です。ちなみに、次回作では改善されてますけど……。
絵。CG、グラフィック、呼び方はさまざま……。
キャラ絵は、前作と同じ方ですね。
前作は、はっきり言って、癖があり、一般向けの絵ではありませんでした、まあ、今作もです(笑)。しかし、より、一般向けに絵柄変更をしている、という所は容易にわかります。キャラ絵については、人によって、合う、合わない、というのがありますかね。まあ、リーフにトリップ(失礼)されている方は、素晴らしい絵柄、というでしょうけど。
背景画は、前作と技法(でいいのか?)が同じですね。殆ど色を使わず、モノクロ的、実写的になってます。まあ、容量の関係かな?(FD版はね)前作では、ストーリー的にああいう絵柄の方がよかったですけど、今作では、特にそうする必要はなかったかも。普通の背景で問題ないと……。まあ、次回作で、普通の背景になっている所を見ますと、容量の関係……かなあ。まあ、渋くていいんですけどね、この背景。
基本的に16色なんで、ヘボくなっているのは、まあ、否めないかと。PC98版に合わせてありますからね。
でも、人物画の輪郭はもうちょっとマシにできたような気が、すんだけどなあ……。結構、ヘタクソ(失礼)かも。特に、洋服関係のね。
H描写。
これは良い、○。鎖に拘束されて、チャラ、チャラ……と、鎖の音がするのも良いですし、いろいろパターンがあるのもいいですね。
「白バム」から、リーフに入った方が、『「痕」ってエッチですよね』、とか言う話を良く聞きますが、たしかにエッチです(笑)。今では、ちと危ない、ロリ系もありますし、陵辱、ダーク、ですね。そう、ダークなんです。でも、この作品で、ダークリーフ終っちゃってるんですよね。う〜む、悲しいなあ。すんごく、ダーク創るのに才能あるメーカーですのに。もう、二度とこういう系の作品、創らないんでしょうねえ。なんとなく、売れる作品の傾向がライト系にシフトしちゃってますから。
もちろん、陵辱シーン以外にも、普通のライト系のHもあります。まあ、バラエティにとんでいるんでしょうねえ。CG枚数も結構あると、思います。何枚くらいかな?
でも、16色なので多少荒い、というのもあります。
音楽。
WIN版はCDのみです。PC98版は、MIDIと、FM音源が選択できます。
これが、最高です。私が、この作品で一番褒めるのは音楽です。沁みるんですよねえ、心に。響くんですよ、頭に。合うんですよ、場面に。
才能を感じますね、スタッフに。 音楽のことを文字に、おこすのは非常に難しいので、残念なんですが、とにかく、一度聞いてみろ!
っていう感じです。いや、マジで!
おそらくは、WINゲーの中で3本の指……、もしくは1番かも知れませんです。
痕の中で、一番いいのは、間違いなく音楽です。音楽、シナリオ、H、の順番ですかね。まあ、このジャンルはシナリオと、音楽が命ですから。