Septem Charm まじかるカナン



メーカー  テリオス
ジャンル  AVG
値段  8800円


まじかるカナン−パッケージ−

 ◎はじめに
 この作品は“まあなんとなく買った”、というところでしょうか。強いて言えば、絵が奇麗や所や魔法少女という設定にそそられるものがあったからです。
 それでプレイして見て思った事は、「やっぱり絵がメチャクチャ奇麗だ」、ということですね。まあ、上記のようにグラフィックには期待してましたから。スタッフもかなり力を入れたのだと思います。すべてにおいて、それを最優先に。

 ◎キャラクター
 かなりいいです。性格設定など良く練られています。主人公以外は……ですけど。
 主人公の性格が、かなりキツイものがありましたね。キツイ、というのは主人公の性格がまるでわからないということです。これはシナリオを担当した方が、4人もいたからだと思うのですが、シナリオ毎に性格が違ってくるんですね〜。ちと、鬼畜気味になったり、やさしくなったり、そんな感じです。
 他のキャラクター。
 これは、結構良い出来です。謎の多いキャラクターの説明なども、作中でキチンとされていましたし。個性的な奴等がそろっていると思います。大抵のAVGに限らず、ゲームの場合、存在意味のないキャラクターが多く出てくる場合が多いですが、今作ではそんな事はなかったです。
 各キャラクターを性格的に見ていっても、女性キャラの場合は明るいタイプ、真面目タイプ、スポーツタイプと、まあ定番といえば、つまらない言い方になりますが、安定しているとでも言いましょうかね。似たりよったりの性格ではなく、いろいろと個性がわかれていた、ということです。
 んでもって、私が高評価を出すのは男性キャラですね。はっきり言って、女性キャラクターよりも良い出来です。他の18禁ゲーでは、男キャラがうまく使われているケースが非常に少ないと思うんですよ。主人公以外の男キャラはチョイ役程度になっている場合が多いっていうことです。まあ、18禁のメインは美しい女性達ですから、男にまで手が回らないっていうのもあるとも思うんですけどね。
 しかし今作では、男性キャラがいい味を出していると私は思います。極め付けは校長先生とジュバンチッチ、彼らがいなかったらこの作品の評価は1ランク下がっていたでしょう。2人のキャラクターの出来はそれほどまでによいです。
 ――私の価値観歪んでいますか?

 ◎シナリオ
 一言で言えば「ボリューム不足は否めない」、という所でしょうか。スタッフロールを見る限り、シナリオ担当は4名ほどいらしたようですが、この程度のボリュームなら1人でも十分書けたと思います。10時間くらいあれば、大体のプレイは終わってしまいますね。これに関しては、作業時間の短縮というメリットがありますけど、それ以外のデメリットの方が多いと私的には思いますです。
 この作品にはいくつかのエンディングがあり、またシナリオもあるのですが、シナリオ毎に書いた方が違うのでプレイする毎に違和感を感じるのですよ。具体的には上記のような「主人公の性格が違う」という所です。基本的な性格は同じなのですが、ストーリーが進んでくるうちに、アレ? っと思うところが出てくるんです。
 一応メインシナリオがあり、あとはそれ以外の「もしも……」的なストーリーがあります。しかし、シナリオを分岐させてしまったおかげで、肝心のメインシナリオが薄くなっていました。それでもやはり、メインシナリオがボリューム的に一番あるのですが、一番最初にこのシナリオをクリアした時は、はっきり言って「あれっ?」、という感じです。
 それなりにまとまっており感動もあったのですが、話的に「う〜ん、そうかぁ?」、と思う部分が多かったです。複線の使い方などは良かったのですが。
 しかし、それ以外のストーリーを進めていくと、この作品の評価はバンバン上がっていきました。これはメインストーリーがつまらない、というわけではなく、他のストーリーをプレイする事でメインストーリーでは語れなかった部分を補完しているということです。そして、メイン以外のストーリーの出来もかなり良いものでした。
 私が思うにあえてシナリオを分ける必要がなかった、ように思えます。マルチエンドではなく、1本のストーリーに仕上げた方がプレイ後の満足感が多く得られたと思うからです。
 シナリオでの疑問点としては、主人公はいつの間にヒロイン(いろいろ)の事を好きになったのだろう? という事です。各シナリオが結構短いので、主人公がヒロインを好きになっていく過程が抜けているんですね。いつの間にか好きになってます。相手の方も。
 それと魔法少女という設定が、設定だけでしかなかった、ということですね。設定上は魔法少女という事になっていますが、シナリオ上でその設定をうまく使っているとは思えません。
 そして、一番面白かったのはあのシナリオです。メインシナリオを終えた時は「ふむ……」、程度の受け止め方でしたが、あのシナリオをプレイしている時はホントに面白かったです。あのシナリオってなんだ? と思う方は是非プレイを。

 ◎グラフィック
 絵描きは横田守さんですね。ちなみに同氏が原画担当をされたゲームは、野々村病院の人々をプレイしました。
 これがメチャメチャ奇麗です。さすがに、力入れている(と思われる)だけの事はあるです。私が今迄プレイした18禁ゲーの中では、一番なのではないでしょうか。CG枚数も結構ありますし。
 おそらくはスタッフが一番力を入れて、そして金もかかったと思われる個所がここです。とにかく、奇麗。
 横田ファンに、限らず満足のいく出来でしょうね。
 もちろん、奇麗な分だけHD容量は喰いましたけど。

 ◎システム的な事
 システム的な事は普段はあまり書きませんが、今回はちと気になった事がありましたので。
 まずは、HD容量。
 これが、かなり喰います。フルインストールで990MBは、はっきり言って苦痛です。600MBくらいは声なんですけど、それにしてもこれはきついです。将来的にこの業界、声付きゲームが多々でてくる(今でも出てますけど)と思いますけど、この辺の問題は早期解決してほしいものです。まあHD容量は、このゲームに限ったことではないのですが。
 あとは音楽の問題ですね。具体的にはwaveとmidiのバランスが悪い、ということです。2つを同じボリュームに設定しておくと、まず声が聞き取れません。このゲームでCGの次に力を入れていると思われる個所が声なんですが、これが聞けないとねえ……。
 ゲーム内で、2つのボリューム設定が出来ないのもきついです。だったらWindows上の設定で変えようか、などと思って変えようとしても「このゲーム、Windows表示できねえ〜(笑)」
 このゲームに、限った事ではないですけど、Window対応なのにWindows表示できないとはなんたることか? つまりは、音を聞きながらボリュームを調整する事が出来ない、というわけです。この辺は製品の仕様だそうです。
 あとのゲーム内のシステムは、標準レベルより上でしょうかね。セーブデータがちと少なかったのが(7つくらい)気になりましたけど、シナリオ回想、オートセーブ、などなどついていたので良しです。CGモード、音楽モードなども標準装備でした。

 ◎音楽
 midiですね。最近、CD−DAのゲームばっかやってたせいか、どれもう〜ん、という感じでした。なんか、80年代のパソコンゲームを彷彿とさせる音楽と思ったのは私だけでしょうかね? なんというか、イマイチでした。もちろん、数曲は「良い」と思う曲もありましたけど全体的に見てみると「う〜ん」なんですね。

 ◎声
 コイツの出来が良いです。
 主人公以外はフルボイスというのも珍しいでしょうかね。大抵の18禁ゲーの場合、声は女性のみですから。
 んでもって、上手だな、と思ったのは男の声ですね。女性の声も、一部を除いては巧かったのですが、なんといっても男の声が光ってました。なぜ男は18禁ゲームでの出番が少ねえンだ? という男性声優陣のパワー爆発というところでしょうか。
 なかでも、イチオシなのが邪封淋(茶風林)さん!! こんなに有名なのに、18禁ゲーにでていていいの? みたいな。もちろん、邪(茶)さんも兼役で2役なのですが、2役とも出来が良い。ホントに良い。マジで、笑えますよ。必聴です。

 ◎その他
 まず、一番最初にオープニングを見て。
 「恥ずッ!!」
 いい年こいてこんなの見ていていいのかぁ、みたいに思いました。まぁなんというか、歌詞もそれ系の歌詞でしたし、アニメーションもそれ系のアニメを意識した作りでしたし(でも、良い出来でしたよ)。でも小さい画面で作っておいて、あとから引き伸ばしたという事がまるわかりです。画像粗いです。まあ、容量的に喰うので仕方ないんですけどね。このサイズでも50MB以上喰ってますし。

まじかるカナン−AVGシーン−

 通常シーン。よくあるAVGのそれと同じです。難としては、フルスクリーン仕様なのに一気に終了させることができないということです。
まじかるカナン−Hシーン−

 テキスト描写は少なめなんですが、エロは結構濃いです。原画が良いんです。横田さんのエロ具合が最高なんです。最高ですかぁ〜?

 ◎総評
 なんだかんだ言っても楽しめました。
 しかし、プログラム面での未熟さは否めないです。操作性が悪いわけではないのですが、プレイ中に動作が不安定になるのは確かです。
 あとは、おまけの類ですかね。これについては意見分かれると思いますけど、初回版に付いてくるマウスパッドとトレカ。はっきり言っていりません。マウスパッドの方は、まだいいんですけど、問題なのはトレカ。だって、何に使うか分からないじゃないですか。持っていても何の役にも立ちゃしない。
 マウスパッドの方は、まだ使い道ありますけど、いい年こいた人間がこれを使うでしょうか? まあ、マウスパッドコレクションに加えるだけでしょうね。というか、メーカー側も実際に使ってもらうという意味でマウスパッド作ったわけじゃないでしょうけど。
 なんか、書いていて批判的な部分が多くなってしまったような気がします。そんなにつまらない、というわけではないのですよ。
 イチオシなのが、CGと声。midiとwaveのバランスが悪くても、音声OFFでのプレイは絶対に止めた方が良いです。評価が変わってきますから。

 ◎最後に
 シナリオの見せ方によっては傑作に化けたかもしれない、そんな作品でした。

平成11年1月18日 記
平成12年8月16日 改稿