メーカー F&C(WIN)
ジャンル SLG
値段 8800円

| ◎はじめに 最近、良い評判をまったく聞かないF&Cが、起死回生にと発売したのがこの作品。CD3枚組の大作。好評だった『Natural-身も心も-』の続編ということで期待して買ってみた。ちなみに、私自身も同作品は好き。勿論、期待と同じくらいの不安もあったけど(笑) 果たして今のF&Cがエロをベースとした作品を作れるのか? エロと今のF&Cは水と油みたいな関係じゃないのか? どうなんだ、オイ?? ――なんていうか、やっぱり売れたみたい。『絵だけは良いんだけど……』、という世間様の悪評に素直に対応した結果やね。でも、これ以降のF&C作品ラインナップに魅力ある作品は無し。 ◎ストーリー紹介 主人公、奈良橋翔馬は祖父の死とともに、10年前に住んでいた家へと戻ることになった。 そこに住んでいるのは、祖父の実子ではない鳥海空と鳥海千紗都の双子姉妹。 そして、2人との10年ぶりの再開。 雪振る季節にはじまる物語。 ◎キャラクター 萌えキャラ乱造メーカーF&Cだけあって、その要素が最優先事項となって作られている。が、それは決して悪いという意味じゃない。 私が、その手のキャラを毛嫌いするのは、制作側のあからさまな作為(例:カレン)に対しての嫌悪感からなんだけど、そういうのが今作にはなかった。これはかなりの好感度アップ。 最初は二姉妹の主人公に対する二人称『兄貴』と『兄さま』に萎えだったけど、プレイしている内に許容できてしまった。 その他にも、プレイヤー受けを狙いすぎていない、良い意味でツボをつくキャラクターがずらり。ってゆうか、私がそう思っているだけで、世間様は萌え要素が足りないと評される可能性もあるんだけどね。 前作、ナチュラルではエロ重視だったので、キャラ描写等が疎かになっていたのだけど、今作ではその辺もきっちり仕事されている。妥協なし。 でも、一番気になったのは主人公(笑) 無個性タイプとはかけ離れたアクの強い奴。思考回路も鬼畜じみていて、ちょっと人間として許せないところも(笑) でも、そういった行動はすべて選択肢の選択如何なんだよな。そして、それを選ぶのは間違いなくプレイヤー自身。これはジレンマなのか? ……違う。外道なのは、私自身だ(結論) まぁ、アクが強いのは確かだけど、選択肢が多いのでそんなに気にはならない。自分で操っているっていう感覚が強い。 ◎シナリオ Natural1とは違う方が担当。”シナリオ担当”と”メッセージ担当”と、二名の方が書かれていた。ライターの力量としては、1の方と同じくらいのレベル。 前作はエロ重視で一貫したストーリー性というのは、無かったわけだけど、今作では作品として深みを出す為にそれがある。 前作でのテーマ。精神的繋がりを好きな人に求めるのか、それとも、肉体的繋がりを求めるのかに加えて、二姉妹間の葛藤なんていうのも増えた。 ヒロインを二人にした理由は恐らくここ。 空と千紗都は、主人公のことが好きで、お互いにその気持ちは知っている。姉妹間での仲は良い。主人公はかたっぽの娘を選んで情事を重ねるのだけど、三人で一つ屋根の下に暮らしているのだから、薄々と残った一人に気付かれてしまう。 まぁ、ドロドロした展開にはなっていないので、塩梅としてはちょうど良いのかもしんない。でも、私的にはもうちょっとドロドロしてた方が良かったと思う。二人とも優しすぎるんだよな。でも、そうすると”イタイ”とかいうユーザーが増えるのだろうしなぁ……。 ヒロイン達以外にも、サブキャラ用のシナリオがあり、その辺もしっかりとしている。各キャラ毎に過去エピソードがあるのは勿論、ちょっとした泣きの部分があったり、各キャラ間での絡み(エッチって意味じゃないよ)があったり。女性キャラ同士の横の繋がりがキチンと描かれているのも、このシリーズの特徴。 また、家族の会話とか、近所付き合いの挨拶とか、仕事場でのやりとりとか、そういうさり気ない部分も描かれており、それがまたストーリーに深みを出している。おそらく、こういった部分にも、かなり気をつけて制作されたのだと思う。 Natural1でも、そこそこのボリュームはあったけど、この作品では比べ物にならないほどパワーアップしてる。久々にやりごたえのあるゲームに出会った。素直に大作って言える。 定価8800円のゲームの場合、後半は値段分を取り戻そうとする為だけにプレイさせられていることが多いけど、この作品ではそれが実にナチュラル(シャレじゃないよ)。自然とやりこみたくなる。一回のプレイでは見ることができない作品の隙間部分を、ダレることなく埋めさせてくれる。 こんな気持ちにさせてくれたゲームは久しぶり。鬼畜王ランス以来じゃないのかな? 駄目な部分を上げるとしたら、物語に惹き込ませる要素が足りなかったということ。悪いけど、物語の続きがまったく気にならなかった(笑) これって、致命的のような気もするけど、私はそんなに気にならなかった。なぜだろう? おそらくは、ダレさせず惹き込ませす過ぎずに、という一定のテンションを継続させたおかげだと思う。また、随所にある選択肢の多さ(普通のエロゲーの10倍くらいある)も飽きさせなかった原因の一つ。 余談だけど、最初プレイしはじめた時は、画面上に雪とか降ってて『kanonと被ってる!?!?!?』、って思わず突っ込んじゃったよ(笑) ◎システム CPU:Pentium166Mhz以上(推奨266Mhz以上)、メモリ:32MB以上(推奨64MB以上)、ディスプレイ:640×480ドット、Highカラー以上、CD-ROMドライブ4倍速以上(推奨8倍速以上)、DirectXTM3以降、HHD:850MB(最低400MB/フルインストール1.5GB以上)。 気にはなるけど、気にならない。ってゆうか、プレゼントプレイの時は、HDDを喰いすぎだとかなんとか罵ったけど、今では時代は変わったんだなぁ、と溜息。ちなみに、私のマシンは変わってない(HDD以外)(涙)。 私はフルインストールでしかプレイしなかったのだけど、中途半端なインストールだとディスクの入れ替えが面倒みたい(マニュアルより)。 ゲームは、私のローパワーなCPUでもそこそこ快適に動いてくれた。特に不満はなし。ちなみに、ゲーム内でのシステムオプション(CPUの使用率)を上げないと、ハイスペックマシンでもレスポンスが遅くなるみたいなので注意されたし。 Natural1では、スキップモードにすること自体が面倒だったり、既読、未読を判別してくれなかったり、と繰り返し遊ぶゲームなのに、繰り返し遊ばせる仕様になっていなかったが、2ではしっかりと改良されてあった。 だけど、既読メッセージスキップ時に、ちょっとしたキータッチでそれが解除されてしまうのがちょっと不満。 ま、そういった細かい文句はあるけど、それ以外に特に目立った文句っていうのは無し。 回想モードは無いけど、似たようなモードがあるので良し。前作であった、オマケモード時のちょっとしたキャラクターとの会話も健在。 ◎CG、絵 パレットで有名な針玉ヒロキさんが原画。さすが、グラフィッカー養成メーカーのF&Cだけあって、その実力は秀逸。パレットの頃に比べても随分と上達されている。いや、パレットは未プレイなんだけどね(ぉぃ 文句を言うところと言えば、空の後背位のCGくらい。髪が乱れているところを表現したかったのは、わかるのだけど乱れ具合が変なので、別人ともとれてしまう。たくさん表示されるCGなので残念。 でも、良いよ。さすがF&Cだよ。枚数自体も他のゲームより多いし、それ自体も出来も良いのだから。 ◎音楽 CD-DAとMIDI、CD-DAがボーカル曲入りの2曲+3曲の合計5曲で、MIDIは20曲くらい。CD3枚ということで、CD-DAオンリーかと思っていたのだけど違ってたね。容量のほとんどは声に喰われていたというわけで。 でも、MIDIが5種類用意されているのにはビックリ。まぁ、そんなに用意しなくてもいいから、曲数を増やしてくれ、とも思ったけど(笑) 曲自体は、さほど印象に残らなかったなぁ。全体的に流れるものが、Natural1と一緒。でも、CD-DAのバイオリン曲とピアノ曲は良い出来。 ってゆうか、エンディングテーマの曲名『季節をだきしめて』。被ってるよ!! ◎エロシーン 声優に心の底からお疲れ様と言いたい(笑) よくもまぁ、これだけのエロボイスを詰めたものだと感心。喘ぎ声がやたらと多いGreenよりもボイス量は多かった。声優の質も高い。萌え要素も高い。 でもって、テキスト量が莫大。既読メッセージをスキップできるからわかるのだけど、CGは同じでもテキストが違う。当然、ボイスも違ってくる。 当然ながら、Naturalよりもボリュームは多い。サブキャラとのHシーンのパターンが多くなっているのが印象的。勿論、ヒロイン達とのシーンはもっと多い。 調教物をあまりプレイしない私だから、参考にならないかも知れないけど、Natural2はエロいと思った。もっとも、エロシーンで男性キャラが描かれていないので、その分だけ私的エロ具合は減ってしまうのだけど。 鬼畜、調教とはいっても、せいぜいアナルセックス、屋外調教、レザー系、縄系、くらいなものであまり行き過ぎているということはない。これ以上いくと、ひいちゃうしね。 ストーリーやキャラがしっかりとしていると、自然とエロシーンも生き生きとしてくる。この作品はその良い例。 |
![]()
|
![]()
|
| ◎さいごに さすがに2年近くは、製作期間をかけているだけのことはあるよなぁ。3D系や移植系を除いてのCD3組っていうのは、相当珍しいと思う。 ボリュームが多いので、かなりやりごたえがあった。一本のエロゲーの中に、ここまで詰め込んでいいのかと疑問に思うくらいに。 ってゆうか、この路線でいって欲しいよなぁ、F&C。でも、コンシューマーに移植できないから無理かぁ? Natural(1&2)が好きなのは、そこにあるからなんだけど。(ビデオアニメにはなるが(笑)) なんにせよ好印象。蝋燭の最後の燃え上がりのような気がしないでもないけど、この作品で少しは汚名返上できたんじゃないかな。 |
平成12年6日04日 記