メーカー タクティクス(WIN)
ジャンル ノベル
値段 8800円
| ◎はじめに 新生タクティクス第2弾の作品。なぜ、この作品を買ったのかというと、第1弾である「鈴のうたう日」が結構評判良かったから。 個人的に絵柄がやばかったのと、スタッフがほと〜んど変わっているという点で、鈴うたは見逃したんだけど、今回は絵柄も雰囲気も良さげなので、買ってみた。 なお、初回限定版は通常版とどう違うのか良く分からない(笑) 私が持ってる奴は初回版なんだけど、これに入っているシールのことかな? 多分。あんまし初回版の意味ないね。 ちなみに、タクティクスの次回作は1万本限定のバラエティタクティクス。ってゆうか、100%プレミアつくだろうなぁ、って思った。あとアクセサリー系なのにもかかわらず、定価7800円っていうのもどうかな? って思った。む、話がそれた。 ◎ストーリー紹介 どこまでも続く夕暮れ空の真下、神様はひとりの傷ついた若者にこう言った。 君がこれから歩む道、天よりも高い岩山と永遠よりも深い沼が行く手を阻むだろう。 痛みと闘い、プライドを守る為に果てしなくそびえる岩山を越え、登りゆく太陽と共に輝く明日を勝ち取るのか? それとも…… 痛みを恐れ、自らを守る為に嘘を欺瞞で塗り固められた泥沼に溺れ、暗い闇の中を這いつくばって生きてゆくのか? Rise or Lies……? 応えは……自ら求め、自ら知るがいい。 一条俊哉、津原流、小林京平、羽崎正宏、4人の主人公による4つのシナリオがオムニバス形式で展開される。 ◎キャラクター この作品に出てくるキャラクター。彼ら、彼女らは、みんな心のどこかに穴が空いている。 なぜ私、なぜ俺は学校に通っているのだろう? 世間体? 何もすることがないから? なんとなく? それらは酷く曖昧。深く考えれば考えるほど空しくなってゆく。だから、考えるのを止める。 やることが見つかったら学校なんて辞めてやる。今は無駄な時間を過ごしているだけ。学生だってやることは沢山あって忙しいんだ。 イメージはとても脆く、握ったら壊れてしまいそうな、そんな雰囲気。世間の波に揉まれて、自分自身を殺すことで、人間関係を形成する。 彼らは、大人達が思っている以上に、大人なんだと思う。高校生という、文字通り年頃の彼、彼女らが考えていること。 それは、大人なんかよりもずっと複雑で深く難しい。 心の箍(たが)という外せそうで外せないものを、もしも外してしまったら? 人間なんて簡単に壊れてしまうだろうね。でも、それが人の本来の姿なんじゃないのかな? なぜ、人は人を好きになるのか? それは、お互いに足りない穴を埋めあうことで安らぎを得られるからなんじゃないだろうか? 人はすべてにおいて劣っているものを好きにはなれない。それは、恋人に自分にはないものを求めているから。 心の中にぽっかりと空いた穴。灰色のスクリーン。憂鬱。不安。恐れ。いろんなファクターが複雑に絡み合って、そして形が形成される。 ……。 いきなりイタリック文体御免。 ってゆうか、この作品のキャラクターは上に書いた通り。登場人物を通して、ユーザーに何が言いたいのか? それが凄く良く伝わってくる。 久々に良い作品だったので、精神が逝ってるかもしれないけど、とにかくそんな感じ。 ◎ストーリー 人間ドラマ。 ってゆうか、ホントに精神的に沈んだよ。そして、精神が掃除された気もする。別に暗い話でも、超絶感動する話でもないのに。 ぶっちゃけた話、ストーリーに共感できたんだろうなぁ、と思う。 ユーザーに対する制作側からのメッセージがホントに伝わってきた。ここまで、まっすぐにそれが伝わったことって、今までなかったと思う。なんていうか、とても響くものがある。そして、なによりも、雰囲気が素晴らしい。普通の現代が舞台なんだけど、なにか良い雰囲気がでている。 プレイするときは、分析気分ではなく素直な気分になってプレイした欲しいと思う。そうあることで、より素晴らしくこのストーリーを体験できる。 変にすねた感情でプレイしても、このストーリーを楽しむことはできない。というか、20代前半くらいの方がプレイするのが一番適していると思う。あまり若くても、そして年をとっている方でも、このストーリーには共感できない。 ホドロフスキー的な演出については、『否』と言う方もいるかもしれないけど、そう言う前にそれについてもう少し深く考えて欲しい。なぜ、こういった手法をとったのか? どことなく、終わっているような、それでいても彼らはそこで暮らしている。 どんなストーリーだった? と聞かれてもうまく伝えることはできない。この物語で描かれているのはストーリーではなくキャラクターであったから。 それぞれのキャラクターを通して、そして総合的に、伝わってくるメッセージ。その真意っていうのが深い。 今回、タクティクスはノベル(小説)方式を選択してきている。これはなぜか? 流行だからか? いいや、否。基本的に小説っていうのは、表面的な物じゃない。表面的に流れるストーリーから、その根底に流れる何かを読みとる。それが小説の面白いところである。(そういう小説って、ほとんどないけど) 一回プレイしただけでは、表面しか読みとれていないことに気付く。二回、三回とプレイして見て、やっと根底に流れるものが読みとれる。 ちなみに、ライターは有島悠也さん。う〜ん、正直、聞いたことないけど、これからの動きに注目したい方。 久々にチカラのある方のホンを読んだよ。 ◎システム CPU Pentium100Mhz以上(推奨 Pentium166Mhz以上)、メモリ16Mバイト以上(推奨 32Mバイト以上)、解像度640×480・65536色以上、HDD空き容量100Mバイト以上、CD-DAが再生可能なCD-ROMドライブ。 多分、ONEのシステムを改良した奴だと思う。ってゆうか、絶対そう(笑) なんつうか、軽いよね。今時、こんな良心的なスペックでゲームを出すところってないよ、ホントに。 システムはノベルシステムで、そこら辺にあるゲームと大体一緒。選択肢分岐によるストーリーの変化を楽しむ。 タクティクス伝統? の難易度の高さは、この作品でも健在(笑) オムニバス形式により、一本のシナリオが短い為にそれほど難しくはないけど、それでも素直にhappy endを見せてはくれない(笑) ってゆうか、分岐が複雑でよくわからん(爆) 前の方の選択肢でフラグが立って……なんていうのが結構あるから、どう分岐するのかが、かなりわかりにくい。 まぁ、そこがタクティクスの長所なんだと私は思うんだけどね。ある程度、難易度が高い方が絶対にプレイ後感は良いよ。 あとなぜだかわからんけど、画面構成がデアボリカそっくし(笑) 壁画、背景、キャラスプライトCGの構成までが見事なまでに一緒だなぁ……。背景の上下に線が引いてあるのもそうだし。 それと、コントロールキーで、既読メッセージをスクロールできるんだけど、これの押しっぱなしは結構面倒。ってゆうか、私は固定させたし(笑) あと、シナリオ回想機能がなぜか無かったなぁ。なんでだろ? ノベルシステムの定番みたいなものなんだけどなぁ……。多分、わざと無くした(普通は入れるものだし)んだとは思うんだけど、その理由がわからん。 まぁ、何にせよ安心システムっていう感じで良いと思うよ。1つ前の選択肢にも戻れるし。 ◎絵 原画は、桐沢しんじさん。ってゆうか、これまた知らない(涙) ちょっと絵の雰囲気が田島直さんに似ている感じ。癖の無い絵柄がかなりうれしい。ってゆうか、最初からこの方を出してよ、ホントに。 絵はかなりうまい。CG枚数は少ないけど、クオリティばメチャ高い(笑) ホントに高い。かなりこだわって描かれたものだとわかる。 特に1枚絵のCG。夕焼けのタイトル通りに、夕焼けに照らされるキャラクターとか激ウマ。素晴らしいね。 でも、キャラの書き分けがなってないとは思った(涙) なんか、顔が同じに見えると思ったのは私だけかなぁ……? それと1枚絵とキャラの立ち絵CGの雰囲気がなんか違う。調和がなってない。惜しいなぁ。 それと背景。雫、痕、のような黒白のタッチなんだけど、作品の雰囲気がばっちし出ていてGood。 ◎音楽 夕焼け-NOBEMBER-を語るにつれて、欠くことのできない最重要ファクター。それがこの音楽。 CD-DAによる21曲は、とにかく必聴。はじめて聴いたときは、ホントに震えたよ。とにかく、音楽で感動できるっていうのも凄いことだと思う。 作品全体の雰囲気、それをこの音楽により数倍、数十倍にも良くしている。 かなり自己主張の強い音楽で、シナリオを進めるのを休めて聴きふけってしまうほど。 制作総指揮であるYET11さんが、どれほど音楽にこだわっているのかが、凄くよくわかる。 テンポの良い曲、ゆったりと流れる曲、多種多様に盛り込まれており、すべて素晴らしい。 言葉いらず、とにかく聴け。 うむ、誉めちぎるというのも悪くないな(笑) ◎Hシーン 久々に、エロ以外の18禁というのを見た気がする。まぁ、残虐っていう意味でね。 テイスト的にはMOON.に近いけど、根本的には全然違う。 お約束的なシーンでは、お約束にならず、それ以外での意外性を重視しているっていう感じかな? エロイか、エロくないかっていったら、そりゃエロいよ(笑) でも、他のゲームのようにテキストが達者じゃないし(「あ……あんッ」とかあまり、喘がない(笑))、それに「テキスト量が少ないね」、って他の方は言うだろうな。(実際に少ないし) でも、私的には満足できた。 あと、桐沢さんの絵柄が、エロシーンになると違和感でてくるのがちょっと残念だった。ってか、あまり描きなれていないご様子。うまいのはうまいけど。 |

| 通常シーン。まぁ、画面通りね。特にコメントもなし。背景は実写なのかな? モノクロ背景は、味が出ていて良い。 |

| Hシーン。私的には満足。今までのタクティクスの中でもトップクラスの内容。次回作もこんな感じで、やって欲しいなぁ……。 |
| ◎最後に なんか、作品全体にハングリーさを感じた。予算ないのかなぁ……。製作期間も短かったみたいだし、ボリューム不足でもあるし(プレイ時間8時間くらいかな?)。それとわからない部分もあるし。序盤で固有名詞多すぎでわかりにくいところもあったし。 でも良い作品だった。心の底からそう思う。時間とお金をかければ、良い作品ができるわけでは決してない。それを教えてくれた作品だった。 名作とまではいかないけど、この作品は私の心の中に残る一作となる だろう。 新生タクティクス万歳。YET11さん万歳! 苦痛なくプレイできたのは久しぶり。買って良かったと思ったのも久しぶり。こんなに響いたのも久しぶり。 18禁ゲーム業界も、まだまだ捨てたものじゃない。本気でそう思った。 |
平成12年1日17日 記