ペ    ル    シ    オ    ン
PERSIOM
−約束の集う場所−




メーカー アリスソフト(WIN)
ジャンル  RPG
値段 8500円

   

ペルシオンタイトル
(C) アリスソフト



 ◎はじめに
 今年一発目。相変わらず安定したソフト生産能力を誇るこの会社だけど、今回は動作スペックを引き上げての登場。その辺については後述。
 面白そうだったので発売日に買い。いやー。アリス信者になりつつある自分が怖い。もうなっているという説もあるけど。
 なお、アリスソフトの次回作は、MIN☆NARAKENさん原画のSeeIn青(恋愛物)とのこと。

 ◎ストーリー紹介
 最初にプレイヤーキャラの選択ができ、それによってストーリーが違ってくるというマルチ主人公システムを採用。なお、主人公キャラは、クロアミシェーラJK(ジョーカーキング)の3人。

 ○クロアのストーリー
 奴隷の少年。父は行方不明。母は病気を得て入院中。ラズウェル場内の奴隷住居に住む。己の境遇にひねくれることなく、いつか岸になることを夢見て修行にはげんでいる、健気な好男子。マルグリート姫によって新設された騎士試験をクリアし、念願の騎士になるためにダンジョンに挑む。

 ○ミシェーラのストーリー
 ラズウェル王家の第2王女。社交界デビュー前のため、国民にはほとんど顔を知られていない。幼少時より城の騎士を相手に剣の修行に励んでおり、現在では相当の使い手に成長している。敬愛する兄王子リカルドに代わって王族としての義務である三剣捜索のためにダンジョンへ入ることになる。

 ○JKのストーリー
 巨漢の筋肉だるま。なりはでかいが、どこか憎めない愛嬌のある男。己の欲望を満たしてくれる「運命の女」を求めて、あてどなくさすらう風来坊。偶然流れついたペルシオンで、魔女黛藍の依頼により、幻のアイテム「廢崩の露」を手に入れるためダンジョンの奥深くへと足を進める。

 ◎キャラクター
 キャラクター作りが非常にうまい。ヘンテコリンな奴や、癖のある奴、嫌な奴、やられ役、どれもしっかりと作られており隙がない。おまけに、セリフのないモンスターまでもが、個性を持たせるようなデザインになっており、すべてにおいて完成されている。
 主人公の3人にしても、癖のあるキャラ。癖のないキャラ。女性ユーザー向けと、区別がされており、それぞれのターゲットに充分満足感を与えてくれるような作りになっている。
 ちなみに、主人公の一人クロアは、デアボリカのアズライトを彷彿とさせるような感じだったけど、そう思ったのは私だけかな。勿論、似て非なるものだったというのは、言うまでもないけど。
 複数の主人公というと、流行のマルチサイト(最近は廃れているけど)を連想とさせるけど、それとは明確に区別してある。というか、それを突っ込まれないようにかなり工夫されてあった。
 一人の主人公では謎だったことが、他の主人公をプレイすることで明らかになったりとかそういうのはあるけど、基本的には別物。同じ場所だが、別の次元での話。パラレルワールドという表現が一番近い。
 なんていうか、プロの仕事だな、と感じた。パクらないようにフィルターをかけることは、プロとしては至極当然なことだけれども、この業界の場合、フィルターをかけている方の方が少ないからな。
 と、話が少し逸れた。このペルシオン。いわゆるキャラモノとしても充分に通用すると思う。私のお気に入りはJKとミラクル団。完成されているが故に、多少は荒削りな部分を欲することはあったけど、それは贅沢だなと自分に言い聞かせて。もっとも、キャラが濃いからといっても、やっぱりメインはダンジョンなんだけどね。

 ◎シナリオ
 キャラによって、量が違うというか、明らかにメインはクロアだな、と思った。表面上は、野郎キャラがメインよりかは、華を持たせた方が良いということで、ミシェーラをメイン扱いにしてはいるけど。
 クロア編については、シナリオ、テンポ、ADVとRPGとの融合などなど、申し分無かったけど、他の2人についてはちょっとテンポが悪い。特にJKについては、クロアの2倍以上にテンポが遅い。それにイベント量も少ない。イベントが起こらねー! とかなり思った。ぱすてるチャイム並とまではいかないけど。
 ダンジョンに潜るのは面白いけど、イベントがバンバン発生した方が、私的には好き。鬼畜王ランスのようにね。その方が血が通ってるっていう気がするし。
 こうなってくると、主人公3人よりかは、主人公1人にして、イベント絶対量を増加させた方が良かったと思えてしまうのだけど、それは私だけかな?
 しっかし、見た目一番地味なクロアがメインとは、ちょっとしてやられた気がする。いや、これがアリスソフトというモノなのかもしれんけど。
 シナリオ書きのとりさんは、クロアのような内向的でありつつも、しっかりと芯の通った、そんなキャラクターの描き方が非常にうまい。勿論、JK編やミシェーラ編も良く描けていたのだけど、それでもクロア編が一番印象に残っている。こういうキャラを主人公に持ってくる辺りに、とりさんの傾向が伺えるな。アリスゲームの主人公といえば、癖ありまくりな奴がほとんどなのに。
 問題があるとすれば、多少展開が唐突だという点くらい。先に挙げたように、イベントが少ないので、展開が唐突になることが多い。勿論、物語における起承転結は守られており、その辺は安心できるんだけどね。
 まぁ、作り込みにおけるプライオリティーがシナリオにおかれているというわけではないので、深くは突っ込まないことにする。

 ◎システム
 CPU PentiumII Celerom 又は各後継CPUで233MHz以上。メモリ64Mバイト以上。HDD標準で250MB フルで350MB以上の空き容量。ディスプレイ640×480ドット。
 っつうわけで、アリスソフトは今まで守ってきた基本スペックを一新。アリスソフト2000のスペックを発表したのでござーい。SYSTEMも3.8へとバージョンアップ。でも、ゲームによっては、アリス96のスペックでの発売もあるんだって。
 ちなみに私の環境では上のスペックを満たしていなかったりする。私のCPUはMMXPentium166MHzなのね。でも、充分快適に動作。上のスペックは必須ではなく、推奨っていう感じ。
 表記上の推奨環境を満たしていても、死ぬほど重いゲームが数多くある中、アリスソフトの献身的な方針には頭が下がる。
 これって「まぁ、これよりスペック無くても充分動くけど、快適動作をしてもらいたいから、多少多めで表記しときましょ」、っていうことだろうなぁ。
 で、ゲーム部分のシステムなんだけど、これが凄すぎ。パズル感、オリジナリティ、マウスクリックによるアクション性、などなどが存分に盛り込まれているゲームデザイン。マジにセンスあるわ。特にオリジナリティという部分に関しては申し分無し。まぁ、人によっては作業させられている感があるのは否めないけどさ。
 RPGとかをプレイすると、どうしても似たようなゲームを連想してしまうことが多い中、ペルシオンは違う。まさにオリジナル。見たことの無いゲームといっても過言じゃない。
 惜しいところを挙げるとすれば、戦闘に関しての戦略性が皆無ということ。これは、こちら側の攻撃方法が一つしか無い為(アタックのみ)なのだけど、そこまで求めるのは贅沢な話。それに、ここを単調にしないが為に、目押しによるヒットorミス判定を採用しているんだし。
 操作性についても、ユーザーから突っ込まれそうな部分は、極力排除してあり、まったく妥協を赦していない。
 ゲームバランスも絶妙。簡単だけど、歯ごたえを感じるのは、戦闘ルーチンの優秀さとテンポの良さの所為。
 それ以外にも、アイテム獲得、金獲得ができるミニゲームが用意されており、そっちの出来も素晴らしい。中でも、アリスCD付属の”ぶろぶろ”を再利用? したブロック崩しはかなりハマった。
 さすがに時間をかけているだけのことはある。もっとも、ゲームの基本がダンジョン潜りの単純繰り返しなので、気にいらん方も多いだろうけど。
 私的にはオッケーっていうことで。

 ◎CG
 メイン原画がちょも山さん。あとは、織音さん(モンスター)。アリス96の時に比べると、HDDの空き容量が3倍近くになったので、何処でそんなに喰ったのかな? とか思ってたんだけど、単にCG量が3倍になったという話(笑) ってゆうか、凄え。
 モンスターとか150体以上いるし、その中で50体は女の子モンスターなんだけど、全部にHシーンが用意されてるし。こんな真似ができるのって、アリスソフトだけだよな。鬼畜王ほどの無茶さは感じられなかったけど、それに近いものは感じた。
 ユニットCG、キャラの立ち絵、背景、一枚絵、エロCG、エフェクト効果用のCG、とにかく盛りだくさん。
 が、今回は出来にばらつきがあるぞ(笑) まぁ、モンスター関係だけだけど、ちょっと荒いのが混ざってた。

 ◎Hシーン
 絵の枚数も多い。数もある。だけど、テキスト量が少ない。まぁ、さほど期待していなかったから、ショックは無いけど、もうちょっとテキスト増やして欲しかった。
 Hシーン自体に手を抜いているとは感じなかったけど、あんなにCGが用意されているのに、どうして、テキスト量は少なかったんだろ。女の子モンスターに関しての、エッチシーンが特にそう感じさせる。短い。
 ダークロウズで、消費してしまったからか? ってゆうか、開発チーム違うし(笑)
 それに、シナリオとHシーンの融合という点で力が弱い。シナリオにHシーンの必然性を感じなかったんだよな(レイプ関係除く)。
 まぁ、多少は強引なりともHシーンになだれ込む、というこの世界の掟になぞっているということは確かだったけど。

 ◎音楽
 MIDI and DirectSound。っつうわけで、今回はMIDI。容量の関係ということで、納得するしかないんだけど、それでも10曲くらいはCDで収録して欲しかった、というのが本音。
 でも、曲数が多い。BGMモードを見てびびった。62曲。勿論、効果音チックな短い曲も奴も、その中に含まれているのだけどそれでも凄い。効果音(wave)に至っては、333種類。
 担当は、アリスと言えばこの方、shadeさん。
 MIDIとはいえ、妥協は感じられない素晴らしい出来。インストールできてしまうという点も忘れては駄目。
 なんか、エロゲーでここまで曲数が多かったのって、ホント久々だなぁ。最近は20曲はおろか、10曲前後ってのもザラだったし。
 っつうわけで、サントラの発売を希望。

ペルシオン・クウォータービュー

 ダンジョンはクウォータービュー。今までのアリスにない豪華さというか、派手さがあり良い。操作性についても問題は感じられなかった。

ペルシオン・戦闘

 戦闘シーン。ただの数字のやりとりの戦闘ではなく、目押しによるアクション性を導入。戦闘効果や、WAVEなども派手。地味だけど派手。う〜む、凄い。

ペルシオン・ADV

 ADVシーン。同社のいつものパターンか? と思っていたら、背景画が透かしてあった(笑) まぁ、それ以外はいつもと同じなんだけど。
ペルシオン・Hシーン

 Hシーン。数は相当用意されているが、それに比べるとテキスト量が少ない。しかしながら、手を抜いているとは、微塵も感じなかった。

 ◎さいごに
 ってゆうか、ここに立ち向かうことができるメーカーってあるんだろうか、って思った。他に追随を許さない出来とは正にこのことか。まるで、他のところを見下しているかのような(例 よくそんなゲームで、8800円定価を取れるな。金を貰うなら、これくらいはしろよな!)、そんなパワーを感じさせる出来だった。
 他のエロゲメーカーがいかに、ゲーム性の高いモノを出してきても、きっと適わないと思う。それだけの力がここにはあるし、それに、それだけの作品達をコンスタントに出し続けているってのも凄い。ってゆうか、才能っていうのは、やっぱり優秀なところに集まるんだろうな、と思ったり。
 コストパフォーマンスも異常に高い。2回目のプレイからは、簡易ADVモードなるダンジョン部分をすっとばすモード(これも制作者泣かせだよな)が発動するんだけど、それを使わないとすると総プレイタイムは50時間以上。簡易モードを使っても25時間はかかる。
 というわけで、ペルシオンは面白かった。
 レビュー終わり。



平成12年4日19日 記