プレゼントプレイ




メーカー デジアニメ(WIN)
ジャンル  AVG
値段 8800円

   


(C) デジアニメ コーポレイション



 はじめに。
 あのEVEやYU−NO、DESIREなどのゲームを作った菅野ひろゆき氏の経営する会社『Abel』と密接な関わりがあるであろうこのデシアニメという会社。各地でそのウワサが流れ、同社のWeb上でも、アーベルとだけリンクが張ってあったり、それどころかパッケージには『present playはAbelの商標です』の文字がくっきりと(笑)。ってか、アーベルのスタッフとデジアニメのスタッフはほぼ同じだと思う。
 が、エンディングでは、菅野氏どころか、スタッフの名前すらなし。エンディングでスタッフの名前がでてこないゲームっていうのもめずらしいよなぁ。ってか、声優の名前が伏せてあるっていうのなら、結構聞くけど、スタッフ全部を伏せているっていうのが――。
 ここまで、やったにも関わらず、情報は漏れ漏れっていうか、みんなこのこと知っていたと思う。ネット上でも、結構話題になっていたし、それなりに評判もあったみたいだし。
 んでもって、すごかったのは、セーブデータぶっ壊れのバグ事件(笑)。一部の環境でセーブデータが壊れるというバグがあり、修正差分をホームページ上にアップしたところ、そのファイルを当てると、今迄普通に動いていた場合でもセーブデータが壊れてしまうという最悪の修正差分にバグがあるというパターン(笑)。かくゆう、私も修正差分をあてるまでは、正常にセーブできていたのに、あてたらセーブデータが壊れやがった(泣)。んでもって、デジアニメでは、新たな修正差分のアップロードとともに、救済セーブデータまでアプする始末(^^; まあ、当然のことといえば、当然のことかも知れないけど、セーブデータをアップロードするっていうのも前代未聞だと思う(笑)。
 私の環境では、最後までバグなしで動いたけど、一部の環境では最新のパッチをあててもまだバグが残っているみたい……。いろんな環境での動作チェックをおこたったっていうことだろうなぁ……。

 ストーリー。
 プレゼントプレイというのは、華劇を演じるという意味。華劇とは、文字通りに華のある劇のこと。麻生ユウキ高梨ヨウコ綾小路ナミの3人の主演女優が、主演男優である主人公とともに、さまざまな演劇を演じてゆく。
 巧妙に隠されたドレスを探しながら、それぞれのドレスにちなんだ歌劇を演じる。
 まあ、ぶっちゃけた話、ドレスと主演女優を選ぶと、それらに沿ったストーリーがオムニバス形式に展開されていくっていう感じ。
 デジアニメのデビュー作。

 キャラクター。
 まあ、ゲームの性質上、シナリオによって同じキャラクターでも性格が変わってくる。といっても、主演女優である3人については、大まかな性格が定められており(一人称とか)、その決められた性格の範囲内で、演じられているっていう感じ。が、主人公はバラバラの性格で、シナリオによって、言葉使いも、一人称も、設定も全部違う。唯一名前だけが、統一されているんだけど、もう統一されていなかったら同じ人物が演じているとはとても気付かないと思う(^^;
 で、他のキャラに関しては、一応いることにはいるんだけど、シルエットだけの存在になっている。かなり違和感があるけど、こういうのをみるとこれが舞台そのものなんだなぁという気持ちになる(笑)。まあ、メインの主人公と女優をたてるという意味もあるんだろうけど。
 んでもって、評価は上々(笑)。どのキャラクターもいい感じだと思う。人数少ないけど、その分キチンと描くことができているということかな(^^;

 シナリオ。
 くはぁ、っていう感じ(笑)。まあ、とにかく多いこと、多いこと。大体、ひとつのシナリオ(華劇ね)が終わるのに40分〜60分くらい。それが50以上ある(^^; 大体、総プレイ時間は30〜40時間くらいかな。なんていうか、今迄プレイしてきたAVGの中で一番ボリュームがあったかもしんない。とにかく、長い。ヘビーなユーザーが多い18禁では、短いものが好まれる傾向にあるけど、この作品は長い。多分、達成率100%までプレイする方は少ないと思う。
 が、100%にする価値はあったと思う。エンディングのムービーデータが283MBと馬鹿みたな数字だったので、一見の価値はあり。なんか、FF8を彷彿とさせた(笑)。しかし、283MBってのは、凄いよなぁ……。まあ、他の使いまわしのムービーで形成されていたことは確かだけど、これは良い出来だと思った。エンディング見て評価上がったし。
 で、シナリオの方は、上に書いたようにオムニバス形式で、バンバン繰り広げられていくんだけど、まあ、ほんとに様々なシナリオがあるね(笑)。ギャグからシリアス、異色ものまで、マジで多種多様。
 いわゆるパラレルワールドっていう奴で、同じ舞台、同じ人物で、シナリオだけが違うっていうパターンね。キャラの関係も、兄弟だったり、敵同士だったり、恋人同士だったりと、思い付く限りの設定は全部入ってる。
 でもって、このパラレルワールドっていう設定が面白いかって言われると少し難しい。サガフロンティアみたいな印象を受けたかな……。
 面白くもあり、つまらなくもありといったところ。
 面白い所っていうのは、そういう各物語での人物設定の変化。まあ、各物語をプレイしていくことによって、そのギャップみたいなものを楽しめる。 んでもって、駄目にしているのが、演じているゆえに感情移入が難しいというところ。プレイヤーの立場は、物語に参加しておらず、その物語を見ているお客さんになってしまっている。それゆえに、感動シーンでも今一つ、物語に入り込めず、惜しい感じになってしまった……。
 あと、やたらとキャラクターが口にする『プレイヤー』という言葉。なんていうか、ホドロフスキー的というか、物語中にやたらと、プレイヤーに呼びかけてくる(主人公ではなく、プレイヤーに)。これは、EVEとかで結構使われて、その後、他のゲームとかでも見られるようになったけど、使いすぎられると興醒めする(笑)。『もう、いいからさ』、みたいな気持ちにならざるをえない。折角ストーリーに入りこもうとしているのに、プレイヤーに呼びかけられると、その時点でこれが、お話なんだなという印象が濃くなってしまって、折角のお話も台無し。数が少なければ、まあ、ギャグとして笑えるんだけど……。
 でもまあ、なんだかんだいっても、悪くないと思う。もちろん、各シナリオ感での出来の善し悪しってのもあるけど、全体的には良いシナリオが揃っていた。
 一応書いておくけど、シナリオに関しては菅野氏が書いているとはとても思えない。テキストが同氏の雰囲気とはまるで異なる。量が膨大なので、複数の方が書いていることは、間違いないけど、その中に菅野氏のものは認められず。まあ、スタッフロールがなかったので、はっきりとした確証はないんだけど……。菅野氏が書いてるんだったら買おう、と思っている方は注意したほうがよいと思う。まあ、菅野氏が他の形でこの作品に関わっていることは、間違いないと思うんだけど――。

 システム。
 Pentium 150MHz以上(推奨200MHz以上)、メモリ32MB以上(推奨64MB以上)、ハイカラー以上、Direct X仕様。フルスクリーン仕様。HDD必要容量1GB以上、フルインストールだと1、3GB以上。
 まあ、文句いいたい個所は、山ほどある(笑)。まずはそのシステムの重さ。大したことはやっていないハズなのに、やたらと重い。アニメーションとかのシーンで重くなるのならわかるけど、普通のAVG部分で重いのはなぜって感じ。まるでフリーズしたかのように、止まるときがあるし。まあ、私のマシンのCPUが、推奨環境を満たしていないっていうのもあるかもしれないけど、それを考慮したとしても遅い。
 んでもって、フルスクリーン仕様。なんていうか、他のことが全然できない……(涙)。WINDOWSなんだから、窓でもできるようにしてほしいなぁ……と。
 でもって、HDD1G(笑)。なんていうか、最小インストールとかも用意して欲しかった思う。ムービーデータ890MB近くをインストールする必要はあったのだろうか? インストールに40分近くかかったし――。しかも、例の修正差分の問題で、3回くらいインストールをやり直したし……。
 あとは、セーブの問題。なんていうか、華劇の途中でのセーブができない……(涙)。すなわち、40分〜60分の間、ノンストップでプレイしつづけないと駄目っていうこと。これが、一番痛い。ってか、プレイヤーのことを少しは考えて欲しい。
 選択肢のレスポンスの遅さもヤバいものがある(笑)。例えば、移動−映画館とかいう風に選択するときに、移動を選んでから、映画館がでてくるまでにやたらと時間がかかる。2秒以上はかかると思う。ほんとにいらいらする(笑)。
 まあ、全部、プログラムの問題……。この業界って、ほんっと〜に、まともなプログラムを組めるメーカーが少ないなぁ……。
 気を取り直して、良かったというか、面白かったのはAVGのシステム。下に枠がでて文字を読んでいく、ごく普通のAVGの形式とか、サウンドノベルの形式だとかに、華劇毎に分かれているっていうアイデアは面白い。でも、サウンドノベル形式のときに、画面にスモークがかかっておらず、文字が読みにくいっていうのは減点(涙)。
 ドレスを選んで、各ドレス毎に、ストーリーが展開していくっていう、ドレスブラウザーシステムは、まあ名前だけは立派だけど、ようするにオムニバス形式っていうことだよね……(笑)。まあ、18禁ゲームでこういった形の作品って見たことないから、アイデア的には良いと思う。
 まあ、駆け足で書いたけど、システムについてはこんな感じ。

 絵、CG、アニメーションムービー。
 原画氏の名前とかも、全部伏せてあったのでよくわからないんだけど、なんだか有名な方みたい……>原画氏。
 個人的に絵柄は私好み。
 でもって、CGの出来については、各CG毎に評価が変わってくるっていう感じ。なんか、変なのもあった(笑)。スプライト絵の出来はイマイチかな。なんか、塗りがシンプルというか、色のグラデーションがないし(笑)。が、一枚絵のCGについては、かなり良い出来だと思う。塗りも丁寧だし、見る価値アリ。
 でもって、このゲームの売りにもなっているムービーなんだけど、320×240のサイズで作られているものを、倍サイズに引き伸ばしている為に荒くなっている。元サイズでみると、かなり奇麗で良い出来だと思うんだけど……。う〜ん、私的には、引き伸ばさないで、現サイズのままでも良かったんじゃないかなと思う。
 でもって、その量は相当多め(^^; 大体20秒から30秒くらいのムービーが50個くらい。ほとんどが、着替えのシーンで、あとのシーンもHがらみシーンがほとんど。Hといっても、本番っていう意味ではなく、裸体っていう意味ね(笑)。盛り上がりのシーンとかでも使われて、いい感じの演出になっていると思う。

 Hシーン。
 セックスに関するテキストの描写が一切なし。この作品が18禁である理由がわからない。『ああン』、などの多少のあえぎ声だとかは、あるんだけど……。CGについても、裸体が出てくる奴はあるんだけど、モザイクが出てくるものが一切なし。が、まるっきり、Hじゃないっていうわけでもない(笑)。Kanonよりは、Hだと思うし(^^;
 が、どっちにしても、18禁ゲームとして疑問が残ることは確かだし、ある意味では消費者を裏切っていることも確か。
 
 声。
 なんていうか、ゲロウマ(笑)。主演女優の3名にあてられた声優さんは、マジでうまい。他の18禁ゲームでは比べものにならない。ってか、テレビとかでも出ている人だしね……。3名の内、2名は、こおろぎさとみさんと、井上喜久子さんって判明したんだけど、残りの1名は不明(^^; でも、マジでうまい。
 が、フルボイスではなかったりする(^^; まあ、このゲームでフルボイスだったら、あと2枚はCDが必要だしね(笑) 大体は音声ガイドの時に喋るだけで、あとは、ムービーと『はいっ』『げしっ』とかの掛け声とかで喋るのみ……(あと、ほんの一部だけ喋る)。掛け声は、標準インストールだとCDを読むのでストレスを感じる(笑)。

 音楽。
 ダイレクトサウンドで10数曲くらいだと思う。なんていうか、シナリオは膨大なのに、曲数が少ない為に、最後の方では飽きてしまった……。シナリオが多いんだから、もう少し、曲数を多くすれば良いのにと思う。
 曲自体はまあまあっていうところかな。華劇を演じているという雰囲気にあっていたと思うし。



 通常の会話シーン。この画面だとノベル式だけど、物語によって様々な形式に分かれている。アイデア的に面白いと思う。操作性には違和感あり。



 まるで、サターンの18歳推奨のように、本番のシーンになると飛ばされてしまうという……(笑)。Hなグラフィックはあるけど、18禁なものはなし――。

 総評!
 まあ、なんていうか終わった時の感想が『やっと終わった』、だったのでなんとも言えない(笑)。
 とりあえず、18禁ソフトとしては機能していなかったので、人にはオススメできないけど、人から借りるとか、持っている人で投げてしまった人とかは、100%クリアをすることをオススメできるかな。エンディングは見ておいた方が良いと思うし(イカサマを使ってもでもね(ぉぃ)。
 なんていうか、18禁ゲーム市場には、まるで向いていない作品。だけど、これだけの大作(プレイ時間30〜40時間)を創ったっていうことに関しては評価したいし、ムービーとかも凄いと思ったけど、もう少しましなプログラムをするっていうことの方がこの会社には必要かなと思った。あのゲームに、あれだけのスペックが必要だったとはとても思えないし。修正差分とか、救済セーブデータとかの対応の速さは好感がもてたけど……。
 まあ、ジックリとゲームを楽しみたい方にはオススメできるけど、18禁ゲームユーザーにそういう方はいないか(笑)。



平成11年7日11日 記