Re・leaf シーズウェア/AVG/7800円/1998年12月18日発売)
◎はじめに

レリーフタイトル 『Re・leaf』は、18禁ゲーム業界の最高峰シーズウェアが世に送り出した超大作。
 超人気メーカーシーズウェアは、これまでにも『EVE』『DESIRE』といった数々の名作を発売してきて、その度に「シーズ最高!!」と世間に云わしめてきたのだが、上の2作を作った剣乃氏が同社を退社。
 しかし、シーズはこれまでの作品で培ったノウハウを携え『ラヴウェーブ』という大作を完成させる。これまた大ヒットの大好評でバカ売れ、シーズウェアのサイトも超人気でアクセス数もうなぎ登り、「シーズウェアは18禁ゲーム界最強だ!」と伝説になった。
 ……なわけねぇ。
 シーズのアクセス数が多かったのは、単に修正差分を落としたかっただけ。それだけ。特に『Re・leaf』の発売後1ヶ月くらいのアクセス数は凄かったなぁ。重くて表示にどれくらい時間がかかったことか。
 ってか、剣乃氏退社後のシーズは、みるみると評判を落としてゆき、『ラヴウェーブ』以降はバグメーカーの烙印を押され、『ADAM』なんていう過去の名作に縋った作品を作ったかと思えば『EVE ZERO』などという、もはやプライドもへったくれもないような物を発表してくれたという始末。
 その当時、インターネット初心者だった私は、18禁ゲームの事についていろいろと調べていてこの作品のことを知り、面白そうだったので購入したわけなんだけど、買ったその当日にとんでもないことに気付いた。
 「ゲームになってねぇ……ッ!!!」
 というか、日付が正しく進まないというのはどういうことか? それ以外にもやばいバグのエレクトニカルパレードで、バグの恐ろしさ、いやシーズウェアの恐ろしさを知ることになった。如何せん、ゲームとして成立していない物を掴まされたのだから。
 各地の掲示板でも「WARNING LEVEL8」の最重要事項として、扱われ「ユーザーを舐めるな」「散々、発売延期をしておきながら、デバックをしてないというのはどういうことだ」等々、そりゃあもう悲惨なものだった。シーズのサイトに掲示板があったらとんでもない事になっていただろう。
 しかも、この事件をきっかけにかどうかは知らんけど、これ以降、業界は妙にバグの多い作品が目立つようになってしまった。デバッグはそれほどにしておいて、とりあえず発売し、後で修正差分をUPすれば良いというとんでもない考えが広まってしまったという話。
 如何せん、まともにプレイできるようになるパッチがアップされたのが、購入してから1ヶ月も過ぎてからだったので、もうすっかりやる気なし。インストールしてはちょこちょこっとプレイして、アンインストールを繰り替えすこと5回くらいだったと思う。
 その間に10ヶ月も過ぎてしまった……。
 ちなみに、初回限定版はフルカラーピクチャーCD仕様でオフィシャルトレカ5枚付き。ってか、初回版以外は、出荷されているのだろうか。
◎ストーリー紹介

 ――少女は内気な高校生、小野郁美。
 この街に転校してまだまもなく、友達も少ない。
 取り柄といえば、雰囲気に合わず運動神経がよいことくらい?
 この少女、ある時から、自分の記憶が他の人の会話の内容と、微妙に違っていることに気付く。
  何故だろう?
 ――舞台は日本のとある街、季節は春。
 海と山が、共に近い街。
 古い歴史と、新しい開発の波が交差する街。
 それは平和な街が遭遇した、表には出てこない、少し奇妙な連想曲――。
 少女のからにとり憑いてしまった、一人の鬼(良門)。
 時の紋様は逆転する。
 桜の下で、彼の物語が始まる。
◎キャラクター

 主人公の良門を始め、どのキャラクターもGood。かなりいい。今までプレイしたゲームの中では間違いなく上位に入るという出来。
 良門は、始めは乱暴者というイメージだったけど、頭が切れるしカッコよい。人格入れ替え時の郁美とのギャップも面白いし。
 それ以外にも、多くのキャラタクーに含みがあり、引き込ませる魅力がある。テキストも切れがあって面白いし、久々に良いキャラクターのゲームをプレイしたと思った。まあ「キャラがよく描かれている」とは思わなかったけど、この作品の場合そういうコンセプトじゃないだろうから別にいいや。
 なにより、女性キャラに魅力があったと思う。普通の18禁ゲームと違い、男性キャラと女性キャラの登場比率は同じくらいなんだけど、風子、良子、玲、茜、小夜子、郁美、etcと、どれも魅力的で個性的だったなぁと思った。
◎シナリオ

 気になったのは、誤字の多さ。ってか、気付いただけでも10個所以上あったので、実際には相当いってると思う。テキストのボリュームが糞多いので1個所とか、2個所とかなら別に気にならなかったけど、この多さはないっしょ? 「行った」→「言った」とか、そういうタイプのミスが多かったし。シーズはそんなにヘボイ変換システムを使っているのだろうか。漢字のミスが多かった割には、やたらと難しい漢字が使われていて読めない字が多くあったし……。
 まあ、文句はそれくらいで、後は良い出来だと思う。既製のシーズ作品を意識して作ってあったのは賛否両論かもしれないけど、それなりに時間をかけないと書けない複雑で濃いシナリオだったし。
 ただ、一つひとつのイベントをこなしていく際に、先が気にならない展開になるので、ダれてしまうってのはあった。先が気にならないから詰まらないというわけではなく、勿論それなりに面白いのだけれど……。
 それと難しい。如何せん、私の知識ではカバーしきれないような言葉が数多くでてきたりして、頭の中にいくつクエスチョンマークが出てきたかわからない程。ストーリーが始まった瞬間から、謎の部分が多くプレイヤーはおいてけぼりになるかもしんない。要するに、固有名詞が多いんだよなぁ。
 でもって、良門と郁美との人格交代のギャップってのが、この作品の魅力のひとつなんだけど、これの出来はやっぱ良かったと思う。郁美時では、オドオドした行動だけど、良門に交代すると気分爽快! みたいなね。
 まあ、なんにせよ良く出来ていたシナリオだとは思った。
 ――でも、クリアしても解けない謎が多かったのは問題だ。
◎システム

■必要環境■
OS:Windows95/98
CPU:Pentium100MHz以上(推奨166MHz以上)
メモリ:24MB以上(推奨32MB以上)
解像度:640*480,32000色以上(推奨フルカラー以上)
HDD:10MB以上
CD-ROM:4倍速以上
サウンド:Direct Sound
 インストール方法は、数種類あって自由にカスタマイズできたけど、完全にフルインストールという選択肢がなぜか無く、効果音がイチイチCDから読まれてウザかった。
 そして、如何せん、クソ重い。プレゼントプレイ並に重い。次のシーンが表示されるまでに時間がかかり、画面が真っ暗なままでプレイヤーを不安にさせたり、メニューを表示させるのにも重かったりと。
 フルスクリーン仕様なのも腹立つね。このゲームの場合、攻略を見ながらのプレイが必須とも云えるけど、フルスクリーンだとそれが出来ない。
 でもって、一番文句あるのが、マニュアル
 既読メッセージを、シフトキーによりスキップ。コントロールキーにより、高速スキップ。
 この仕様が、何処にも書いてなかったのはマズイ。このゲームはその性質上、繰り返しプレイを何度も強いられるのだけど、上の最重要事項に気付かなかったら、絶対にマウスを投げ出したくなると思う。
 シーズ的には正式には対応していないから書かなかったっていう話だけど、充分に性能を発揮できていたよ。
 多分、発売日が延びに延びたことと関係しているのだろうなぁ、などと推測してみる。CD-ROMのゲームの場合、ファミ通によれば発売日の1週間前でも、直しが出来ると書いてあったけど、マニュアルの場合は1ヶ月前には上げないといけない。それゆえの差異がマニュアルに現れたんだろうなぁと思った。せめてシーズのサイトくらいには、書いておいて欲しかったよ。
 既製のシーズ作品(というか剣乃作品のことなんだけど)に影響されていると上に書いたけど、セーブ個所がイベントによって増えていったりとか、キャラクターがプレイヤーに話しかけてきたりとか、そういうことね。YU-NO的であり、DESIRE的であると思った。まあ、かなりアレンジされていたので、そう気付いた人はあまりいないと思うけど。
 人格交代のシステムについて。
 どっちを選ぶかによって、イベントが違ってくるのでセーブ&リロードを繰り返さなければならないってのが大問題。難しいね。これでミスったらもうダメという場合もあるし。
 それと、全体を通して云えるのが難易度の高さ。鬼畜王ランスよりも高い。ラストを見るための道程へのヒントが作中で殆どないから、自力で考えないと駄目だし。それに一個イベントを逃しただけでも攻略が駄目になったり、発生がランダムのイベントがあったりとか、ホントにムズい。でも、それ故にクリア時の爽快感は最高だった。難しいゲームをクリアするのってやっぱ最高だね。私の場合は10ヶ月越しだったし尚更。
 上手くやれば3回くらいのプレイで、総クリアできるのかもしれないけど、私は7回くらいかかったと思う。最初はコントロールキーによる、メッセージスキップを知らなかったので、シフトキーのダラダラと遅〜いスキップで苦痛だったし。
 まあ、兎にも角にも不親切設計だったので×。ユーザーの事を考えてくれい。
◎音楽

 Direct Soundなわけだけれど、これがかなり良い。私の場合、CD-DA好きでアンチDirect Sound的な所があるんだけど、これは世辞抜きで良いと思った。上の考えを改められるほどに。曲数はまあ普通くらいだったけど。
 『Re・leaf』の世界観は、現代ながらも少し古風な所があると思うんだけど、そういうのが音楽で表現できていた。雰囲気も良かったし。文句無し。
 CD-DAにはない、Direct Soundの良さみたいなものを、このゲームで知った気がしたよ。
◎演出

 ムービーが多少用いられており、それが良い演出になっている。所謂、決めのシーンに使われることで、作品が上手く引き締める事に成功している。まあEVEとかDESIRE程ではないけど。
 でも、音楽の使い方がヘタクソだったのは惜しいところ。音楽自体の出来はかなり良かったのに、上手に使われていなかった。かなり勿体ない。無意味に無音のシーンが多かったのも気になるし。
 それに比べて、効果音での演出はかなりGood。バスのドアを開いたときの「プッシュー」とか、駅ホームでの「何番線から、何時何分発〜」とか、殴る音「ボカッ、バシッ」とか、かなりいい具合に出来てた。ただ、その度にCDを読むのがウザかったけどね(笑) 効果音もインストールできたら良かったんじゃないのかなー、とまた書いてみる。
◎絵とエロ

レリーフ・通常シーン 通常シーン。レイアウトに少し特徴はあるけど、何処にでもあるAVGと同じ。綺麗なグラフィックがプレイヤーを引き込ませる。
 原画氏の名前は、CARNELIANさん。これについては、文句なしで良い。CGについては、恐らくゲーム用として減色する過程でグラデーションが変になっているのが一枚絵の中であったけど、それ以外ではいうことなし。けど、一枚絵の枚数は少な目かな。
 それより思ったのは、立ち絵の枚数が多かったなぁということ。表情のパターンも、どの人物でも最低2〜3種類はあったし。んでもってクオリティもめちゃ高い。影の付け方がうまいんだよね、シーズは。
 立ち絵ってのは、元々は汎用がきくように発案されたのだとばかり思っていたけど、一度しか使われていないのもちらほら。キャラ数が多かったので、当然立ち絵の枚数も多くなるんだろうけど、この仕事量が凄いと思ったよ。
 ってか、10ヶ月の間にすっかり忘れていたけど、絵で買ったんだった、このゲーム。
レリーフ・エロシーン で、エロ。作品の性質上レズシーンが多めか? とか思ってたけど、比率的には1対1くらいだったと思う。見る為には、かなり相当とてつもなく労力を要するけど、その割にはテキストがあっさりしてるかもしんない。労した割に報われずというか。まあ、それなりに良い出来ではあるのだけど、この辺はやった人の好みに分かれるだろうな。まあ、18禁ゲーとして、通用するくらいの量はあったかと。
 あと、想像以上にシーンの種類が豊富だった。レズ、普通、拘束……etc。色々あったね。
◎総評

 さて、審判の刻がやってきた。このゲームを許せるか否か。
 う〜ん、はっきり云って難しい。修正差分をあて、プレイし始めた当時は、絶対に許すものか、ペンで裁いてやる! などと、青臭い事を考えていたけど、実際にプレイしてみると面白いんだもん。
 原画、音楽、シナリオ等、全然悪くないのに、ただプログラムがバグだらけだというだけで、ウンコ扱いして良いものなのだろうか? ちなみに、プログラムの部分のクレジットを見ると個人名ではなく、うんたらなんとかとかいう会社名(株)が書いてあるだけだし……。ってか、ここに問題あるんじゃないの??
 デバッグをしないで、発売したってのは、もはやどうしようもない事実だけど、それだけで捨てちまうってのは良心の呵責に苛まれるね。けど発売後のシーズの対応も相当悪く、あまつさえウェブ上では「大・大・大・好評発売中」などというフザケタことが書いてあったことも確かだし……。修正差分がアプされるまで、一ヶ月くらいかかったのも確かだし……。18禁ゲーム業界は、バグが多いという悪評を作ったゲームでもあるし……。絶対、人にはススメられないゲームだし……。
 ……。
 ……。
 でも、プレイしてみると面白いゲームだったし……。
 ってか、思ったんだけど、このゲームを購入した方で、最後までプレイした人ってのはどれくらいいるんだろう? 各地で見る限りでは「持っているけど、インストールしてない」「少しプレイしたけど、クリアしてない」「バイナリ開いてCGだけ見た」「CGだけ見て売った」、っていう人がほとんどだと思う。これって空しくない?>シーズさん
 1998年度、18禁ゲーム大賞候補に入るべき作品が、どう誤ってこうなってしまったのか? →すべては自業自得。
 まあ、最後までプレイしたものの意見としては、面白かったけど、商品としては最低だった、ってとこ。
 修正差分をあてないとプレイ出来ないなんて、ゲームとしては最低っしょ?
 結論=許さない、ってか許しちゃ駄目だよ。
1999年10月16日 記
2002年1月13日 修正

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