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◎はじめに
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『とらいあんぐるハート3』にて、シリーズは完結したハズだった。が、しかし、発売前ジャニスサイト内のキャラ紹介で非攻略と掲げているのにも関わらず、フィリス、なのは、桃子の3キャラが攻略不可能なことにユーザー各位が大暴走。2chを始めとする各地の掲示板でも“なのはがなあ……”“フィ、フィリスたんハアハア……”といった熱きメッセージが飛び交った。そこで立ちあがったのが我等が都築真紀氏。既に少年エース誌上で始まっていた連載を休載にしてまで、この作品の製作にあたってくれたのだった(その後、いろいろあったらしく連載は結局4回で打ち切りに(涙))。
そういうわけで、漫画家として成功するチャンスを捨ててまで作られたのが、この作品である。悲しいかな。エースの連載は成功して欲しかったな。天はニ物を与えず、とそういうことなのか。 |
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◎作品内容
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キーボードを使ったもぐらたたきゲーム『晶のダイナマイトハンマー』や、お手軽クイズゲーム『海鳴横断・ハイパー・クイズでPON!』や、『とらは3』のその後を描いた『魔法少女
リリカルなのは』などといった作品が収録されているバラエティーCD-ROM。
その他にも、『とらは3』のサウンドトラック、デスクトップアクセサリー、『とらは3』イラスト・設定集、スクリーンセイバー、ゲスト作家によるイラスト壁紙などなど、盛りだくさん収録されている。
では、いつものように一つ一つ見ていくことに。 |
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◎昌のダイナマイトハンマー
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まぁ、一種のタイピングゲーム。キーボードの配置通りに穴ポコが空いており、そこから出てくるキャラクターをボコボコ叩き(タイプし)、一定数に達すればステージクリアという至極単純なゲーム。難度調整できたり、必殺技が使えたり等、ある程度の要素はあるが、イマイチ盛り上がらない。単語を入力するのならまだしも、打つのはアルファベット一文字だけだからなあ……。
なぜか、この作品だけがフルスクリーン仕様(クイズやミニシナリオはウインドウモードでできる)で、プログラム的にも少し不安定な部分がある。それにエフェクトがカットできない等、融通がきかなかったりもする。さらに謎なのが、ミニシナリオとクイズは“C:\Program
Files\リリカルおもちゃ箱”フォルダにインストールされるのに、この作品は“C:\Program
Files\ivory”フォルダにインストールされる。こんな面倒なことしなくて良いのに。
なんか、数合わせの為に作られたゲームという感が強い。ミニシナリオやクイズとは別スタッフっぽいし。
気軽にできるゲームというよりは、気軽に作ったというゲーム。 |
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◎海鳴横断・ハイパー・クイズでPON!
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『とらは』に関するクイズが用意されているのかと思いきや、いたって普通の問題ばかりだったので少し拍子抜けしてしまった。
アメリカ横断ウルトラクイズのパロディというアイデアは悪くないのだが、これまた作り込みが甘いという印象。『猪名川で行こう!』に収録されていたクイズゲームのような楽しさは無い。専門的な知識を問われる四択問題を次々と解かされるのみ。短調。まぁ、出題するキャラクターに寄ったジャンルが用意されているというのは良かった。愛さんとの対決なら車に関する問題、ゆうひとの対決なら音楽に関する問題といった具合に。
本編は複数の主人公が用意されており、それぞれ別のシナリオが楽しめるようになっているが、どれも短すぎて面白味がない。仕方ないといえば、それまでなのだが。各主人公視点でのキャラクター同士の掛け合いを楽しめるというくらいか。
クイズに制限時間があるものの、×ボタンを押してダイアログを出せば、いくらでも考えることが可能となるし。……盲点やね。
これも数合わせ的な作品。ダイナマイトハンマーに比べたら抜群に良いけど。
……と、ここでこのレビューは終わる筈であった。が、しかし。
以下は超絶ネタバレなので伏せ文字で記す。読みたい方は反転して見て頂戴。
実はこのハイパークイズ。全てのシナリオをクリアすると“ななか剥きシナリオ”が出現するのだ。これは燃える!
クイズの難度は半端じゃなく高くなるが、ななかを剥きたいが為に必死になれる。あれほど短調に感じられたクイズゲームが一気に面白くなる。
いやはや、どうせなら全てを脱衣クイズにして欲しかったな。そうすれば、かなりの評価を出せたのに。
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◎魔法少女リリカルなのは
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本作のメイン。3の主人公の妹、高町なのはを主人公としたミニシナリオ。ってか、本作品はこれが全て。これの出来さえ良ければそれでいいのである。皆、これ目当てで買ったのだろうし。
云うならば、今まで書いてきたことは、全体評価の中で10%にも満たないくらいなのである。このミニシナリオこそが命。 |
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◎ストーリー紹介
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3から一年後。
恭也・忍はすでに風芽丘を卒業、他の学生たちも皆進級し、フィアッセはコンサートを終えて帰ってきていた。
そんな、5月頃の物語。
ある時、なのはは魔法の国からやってきたという不思議な女性と出会い、そして魔法の国からいくつか消失してしまった、大切な「種」を探すのを手伝って欲しい、というお願いをされる。それを快く引き受けるなのは。そして、問題を解決する為の力、「魔法」とそれを操るための鍵となるステッキ「レイジングハート」を手にする。
人の心の「想い出」の中に沈んでしまうクリスタルを取り戻す為、なのはは魔法の力や努力や友情で、今日も元気に魔法少女してゆく。 |
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◎キャラクター紹介
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前作で立ち絵が用意されていなかったアイリーンや、声しか出ていなかった真雪さんをキチンと登場させている。これは嬉しいサービス。でもまぁ、そんなには出番ないけどね。ファンディスクならではというか。
ってか、登場人物が増える度に、雇わなければならない声優の数も増えるわけで、そういった意味での出し惜しみがないのは、金ケチってなくて◎。3や2や1のキャラが沢山登場する。
そして、新規追加が2名。これはまったくの新キャラ。でも、そんなに印象には残らず。だって、既存のキャラに負けちゃってるんだもの。出番は多いのだけど。まぁ、今までのとらハキャラに比べてしまうと仕方のないことなのかもしれない。 |
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◎シナリオ
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正直な話、舐めきってた。前回のファンディスク『ラブラブおもちゃ箱』のミニシナリオは2〜3時間程度で終了してしまった。ぶっちゃけた話、コストパフォーマンスが悪かった。だから、今回もその程度だろう。制作期間だってそんなに長くはなかった。なので、そんなに大したことはないだろうと、そう思っていた。
『魔法少女リリカルなのは』のタイトルからは、単なる番外編としか予想できなかったのだ。
甘かった。“ミニシナリオ”の文字に騙された。今回のお話は、『とらハ3』の続編といっても過言ではない。『とらハ4』とはいかずとも、『とらハ3.5』くらいの出来にはなっている。ってか、何が“ミニ”なのかわからないほどに作り込まれている。
今回、『とらハ3』では出来なかったことを補完できている。マルチサイトシステムの採用により、各キャラクターの詳しいエピソードなどが語られているし、また3では明らかにされなかった事実なども描かれている。『とらいあんぐるハート3』+『リリカルなのは』が、本当の『とらいあんぐるハート3』なのかもしれない。
私的にやられたと思ったのは過去の話。最初から結果がわかっていただけに余計揺さぶられてしまった。ラストでは迂闊にも泣きそうに。いやはや、ここまでのカタルシスを味わったのは久しぶり。『DESIRE』以来かも。 |
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◎システム
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■必要環境■OS:Windows95/98/2000
CPU:PentiumMMX200MHz以上(推奨MMX266MHz以上)
メモリ:32MB以上(推奨64MB以上)
解像度:640*480,ハイカラー以上
HDD:550MB以上(推奨1.4GB以上)
CD-ROM:4倍速以上
サウンド:PCM,CD-DA |
HDDを1GB近く要求するのはさすがにやりすぎ。ファンディスクのミニシナリオの範疇を超えてる。まぁ、一枚絵のCG以外は殆ど、『とらハ3』と同じものを使い回しているから、でかくなるのも当然なのだが。
ゲームのシステムについては、『とらハ3』とまったく同じ。少し前の選択肢に戻る機能もあるし、制限時間付き選択肢も引き継がれている。
で、今回それに加わったのがマルチサイトシステム。これによりなのは以外の視点でも、話を進めることが可能になる。とはいっても、実際は3で明かせなかった他キャラの話を見せる為に作られたものなのだろうが。
ファンディスクの割に、CGモードやら音楽モードやらが完備されており、この辺は好感が持てる。 |
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◎音楽
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『とらハ3』の音楽+ボーカル曲(OP、ED)が2つ+新規BGMが1つ。でもって、今回新曲として作られたSong
To Youの出来が素晴らしい。ピアノソロなんだが、別れと出会いをミックスしたような、そんな印象の曲になっている。これを聴いてると、だんだん切ない気持ちになってくるね。そういった感情を揺さぶられるタイプの曲。
ボーカル曲2つについては……特に印象には残らず。OPは魔法少女ものっぽい曲だったなぁ、としか。EDはI'veなんだけど、いつも通りのI'veでしかなかったぁ、と。 |
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◎ボイス
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| 捨てキャラを除いてはフルボイス。声優については、今までのとらハシリーズと同様。制作費の結構がここに費やされたと想像できる。 |
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◎絵
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殆どが、『とらハ3』からの使い回し。勿論、今回初登場のアイリーンや、前回声しか登場しなかった真雪さんの立ちCGは描き下ろされている。それに新規一枚絵が十数枚追加。つまり、絵の仕事殆どは一枚絵の制作に充てられたということである
原画は引き続きかっちん氏。でも、キャラデザの都築氏の方が私好みの絵を描かれる。う〜む。
絵については、今回もさほど魅力を感じず。そんなに魅力的ではないというか。なんか決め手に欠けるものがある。
エロはキャラによってばらつきがある。桃子さんなんかはソフトな描写だけど、フィリス先生は結構濃い。
桃子、フィリス、なのは攻略は、本作品が発売された根底の動機に繋がる故に、もっと濃ゆ〜いエロを期待していたのだが、満足できたのはフィリス先生のみだった。それも大分妥協して。
『ラブちゃ箱』では、結構頑張っていたんだけどな。今回、それほどの頑張りは認められなかった。シナリオの流れから仕方ないといえば、それまでなんだけど。 |
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◎ミニシナリオ総じて
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| やる価値大。『とらハ3』に及第点以上を付けた人なら、絶対にやるべき。ミニシナリオではなく、『とらハ3』の正当な続編と云い換えるべきだろう。それくらいの完成度である。『とらハ3』での2キャラ攻略分くらいのシナリオボリュームはあるし。 |
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◎その他
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デスクトップアクセサリー『おさわり時計・らぶらぶパートナー』とか、イラスト・設定集とか、スクリーンセイバーとか、ゲスト作家イラスト壁紙とかサウンドトラックとかが入っている。
デスクトップアクセサリーは、デスクトップ上に駐在させるアクセサリー。時計機能や、クリックするとキャラクター(いろいろ)から様々なアクションがあったりとか、そんな感じのグッズ。そんなに面白みはない。
設定集は、『ラブちゃ箱』にあったものと似たような構成。都築氏のラフ画(色付き)が載っており、各キャラの設定がわかる。
スクリーンセイバーについては、特に云うことなし。
ゲスト作家イラスト壁紙は……やはりCARNELIAN氏の名が。さすがである。
と、この中で価値のあるものといったら、やはりサウンドトラックだろう。『とらハ3』+『リリちゃ箱』の全曲収録のCDが入っているのである。てっきり、サントラは別で売り出すものだと思っていたのだが。商魂出さないところに好感が持てる。これだけで2000〜2500円くらいの価値はあるだろう。 |
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◎総評
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定価6800円、CD-ROM3枚組のファンディスク。サントラの価値を2000円とするなら、『リリちゃ箱』の価値は4800円。コストパフォーマンスは十分だろう。量だけではなく質の方も上等。買うのに躊躇する必要は全くない。
勿論、『とらハ3』未経験者がプレイしてはいけない。怒濤の如く登場するキャラクター達に絶対戸惑ってしまうだろう。それ以外にも、わけわからん部分とかあるだろうし。
兎に角、『とらハ』シリーズもこれで本当に終了というわけで。エロゲ以外のメディアでは、これからも色々とやりそうだけど、エロゲとしての『とらハ』はこれで終わり。そんなフィナーレを飾るに相応しい作品だった。
あ、でも1のリメイクは是非して欲しいところ。。1ってやり残したこと沢山あるだろうし、それ以外にも改善するべき箇所が山ほどあるし。悪くないアイデアだと思うんだけどな。 |