雫〜しずく〜



メーカー  リーフ
ジャンル  ビジュアルノベル
値段 8800円(5680円(税別)でゲット)



(C) Leaf




 さてさて、このリーフというメーカーさま。3大18禁ゲームメーカーの一つでございます。ちなみに3大18禁メーカーとはアリスソフト、リーフ、エルフでございます(書かなくてもわかるか……)。「Write Album」や「To Heart」はすでにプレイしていた私ですが、これまた、Web上で評判がいい。んでもって「リーフゲームを制覇しよう」ってのと、私的にリーフが好きなので買ったわけです。「痕」と同時に……(金が……)(涙)(笑)。まあ、「フィルス」と「ドラドラ」はプレイしていませんが……。
 
 ゲーム構成は小説を読むように画面に文章が展開し、プレイヤーそれを読みながら、いくつかの選択肢を選ぶ事によって、ENDINGが変わってくるというマルチEND方式です。うん、簡単明瞭です。
 
 どうだった? ねえ? どうだった?
  んー、「雫」のことかー? 良かったぞー。何つうか、「ハングリー」さがあったんだな。今のリーフ(三国志に喩えると「呉」)はハングリーさにかけるからな。まあ、エルフ(同じく「魏」に値する)もそうだがな。もう少し簡単いうと「背水の陣成功です」みたいな感じだな。うん、いい喩えだ。アリス(蜀)はこの辺りがいいんだな。
 おっと……。失礼しました。
 良かったですねえ、このゲーム。えっ? 何がいいのかって? まあ、読んでください(笑)。

 まずは、キャラクターです、ハイ。
 濃いね、非常に。登場人物が少ないからかもしれませんが、個性豊かな奴等がそろっています。特に濃いのが主人公とヒロイン(ま、一応のね)、敵さんです。
 主人公。学校の生徒。暗いです、ハイ。碇君を彷彿とさせるタイプですが、こういう奴、中々良いです。なんていうか「冷めている」のですな、コイツ。一生懸命ぼけても、冷静に突っ込むタイプです。ノリがわるいというか、またこれが作品にマッチしてるんですよ。別にこれといった特技も無く、また、(上に書いたこと以外)特殊だな、と思えることもないのです。ただ、毎日の生活に疑問を持っている(これは良くあるパターンですが)、自分はこれでいいのだろうか? みたいな考え方というか、とかくこういうパターン好きです。こういう主人公って(シナリオライターが)扱いづらいんですよ。明るいやつっていうのは、ある意味単純(いい意味でね)だから、扱いやすいんですけど、こういう場合って、描くのが難しいのです。この作品では、それがうまーく仕上っています。まあ、EVAのパクリ的なことも見えなくもないのですが……。
 
その他のキャラも良いです。
 っていうか、敵さん。いい感じです。私的に「狂っている奴」って好きなんですよ(「ラピュタ」の「ムスカ」とかね)。こいつはいい感じに狂っています。くるくるパーです(笑)。
 んでもって、非常に上手にキャラを描いているんです。登場人数が少ないから、ってゆうのもありますが、メインキャラはその性格、エピソード、考え方といったことが、実に詳しく描写されているのです。○。

 ストーリーは……。
ビジュアルノベルっていうジャンルは、はっきりいってストーリー次第です。ストーリーの評価=作品の評価といっても過言ではありません。超重要事項です。
 というように、非常に重要なこの項目、この作品は非常に良く出来ています(思わせぶりな上の文章に特に意味はありません(笑))。
まず思ったのは、「この人、才能あるね」。うまい文章書きますよ、この方。なにより、わかりやすいです。セリフまわしと、作品背景の描き具合、どれをとっても非常にわかりやすかったです。わかりやすい文章を書けるって人、そうはいませんよね? プレイヤーが混乱しないように、すげー、気を配って文章を書いています。
 んでもって内容は?
 面白いんですねー(笑)。実に面白かった。テンポがいいのですよ。無駄なことは書いてなく、いきなりストーリーが展開していきます。展開が早いです。そして、さまざまな仕掛けがこの作品にはあるのですが、これもいいのですよ。ひとつのENDINGに辿り着いたら、選択肢が増えて、別の展開が用意されている、というものなんですが、喩えるなら、「魔王を倒したけど、さらに大魔王がでてきた」みたいな感じです。ただ、敵さんはトゥルーエンド(あるパターンのENDINGの呼び方)の扱いの方が良かったですな。まあ、脚本家の方もそう思っているのでしょうけど。サービスみたいなものだね。パラレルワールドっていう形容がぴったりです。そう、この作品って、パラレルワールドを体験させてくれるのですよ。もし、あの時こうしていれば……、のようなね。そんでもって、それぞれのENDINGに繋がっていくのです。
 あんまり内容って感じではないですね。少し書いておきましょう。
 学校を舞台とした、ホラー系のシナリオです。んでもって、暗いです。この作品。キャラもほとんどが暗い奴等で、ダークって感じです。今では失われてしまったダークリーフ(造語)を体験することができます。くらーい心理世界みたいなことを描いており、プレイ後は見事にブルーな気分にさせてくれます。こう、心に重く、のしかかるようなそんな気分です。
 しかーし、小生がもっとも気に入った、そして評価しているのは、ラストシナリオ(あのシナリオね)です。他の方が何と言おうと、私はこのシナリオが一番好きです。もう、今までのシナリオはなんだったの? みたいな気持ちにさせてくれます。超意外性のあるシナリオです。ってゆうか面白すぎです。こんなにも面白かったことはありません。ここで一番いい存在なのが、主人公です。いい感じに冷めているのですな。突っ込みがほんとにナイスです。それに、ある意味ゲームを壊してます(もちろん、良い意味)。このシナリオを終える、までは「良いゲーム」という評価でしたが、このシナリオが存在していたので「傑作」になったというほどです。こいつをプレイするだけでも一見の価値ありです。勿論、これは反則技です。18禁ゲー、ということと、自由な発想と、やりたいことをやる、という要素が生み出したシロモノで、とてもじゃないが、コンシューマーゲームには真似ができないことをやっております。でも、おもろいから許す(笑)(えらそうね)。

 システムが、ちと難。
 まあ、難と言っても、2つだけです。それはセーブデータで、全体のセーブデータ(どのENDINGをみたか、どの文章を読んだかを記録)を一つのしおりにしかセーブできない、のですよ。つまりは、3つある、しおり(いわゆるセーブファイルのこと)がほとんど役にたたないのです。一度みた文章は、高速スクロールで飛ばすことができるのですが、その機能が使えなくなってしまうからです。
 2つ目は、ENDINGを見たら、全体のセーブデータ以外のセーブデータが消えてしまうということです。文章力がないので、少しわかりにくいかもしれませんが、堪忍しれください。まあ、高速スクロールがあるので、あまり、気にはならないと思いますが、「おやっ?」と思ったので……。
 その他のシステムは○。一度見た文章を早く、一つ前の選択肢に戻る、などの機能で快適にプレイすることができます。なんか紹介文みたいだけどまあいいか……。

 グラフィックについてだニャー。
 人物画、そんなに好きじゃないです。特にヒロイン(多分、瑠璃子がヒロインだと思う)のデザインがイマ2です。発展途中で粗削りなグラフィックです。人物画のデザインはかなりロリ系が入っており、好きにはなれんのでした。何の情報もなく、CDのジャケットのみを見て「こいつを買おう」、と思ったひとは多分いないハズです。
 キャラのとるポーズ数は5種類くらいで、絵で表情が語れています。まあ、喜怒哀楽の表現を文章のみで表現するのは難しいですからね、よく描けていました。
 人物画はイマイチなのですが、背景が非常に良く出来ています。まるで、実写のようです。この作品はすべて主人公の視点からストーリーが展開しているのですが、その主人公が、毎日の生活を「モノクロフィルムを再生しているかのような、退屈かつ流れるような毎日」、みたいな感じに形容しています。すなわち、背景はすべてモノクロ映像のようであり、また、背景にいる人物(いわゆるエキストラのこと)も「人間」としては認識されているが、「個人」としては認識していないんですね、この主人公。主人公の心の中に写っている背景を、そのまま描いているのです。リアリティと作品の雰囲気をうまーく表現しているんですな、ハイ。
まあ、グラフィックは一長一短ということで……。

 Hシーンだよ。
 うーん。さすがはダークリーフ(造語)、今では見られないダークなHシーンをみられますな。もちろん、普通(まあ、あまり普通ではない)のHシーンもありますし。選り取りみどり、って感じですか(笑)。文章もなかなか上手だし。汁系、陵辱系、普通系とね。
 多少の古さはありますが、Hシーンのグラフィックはそれなりにうまくできています。ただ、角度的に好まない絵が多いかも……。私はそうでした……。枚数的には……20枚くらいでしょうか? うん、多分これくらいです(もうちょい多かったかも)。

 音楽はこんな感じー、みたいな(笑)。
 んでもって、こういうような作品の場合って、ストーリーの次に大事なのが音楽なわけです。先ほどから、暗い、という言葉をよく書きましたが、その要因を作るのに、音楽が大きく関係しています。そう、音楽が非常にストーリーに合っているのです。全部で20曲ぐらいありますが、どれも、これも、とても良い出来といえるでしょう。作品内で良く使われる言葉に「狂気」というものがあるのですが、音楽で「狂気」というものを表現できているのです。「狂気」のほかにもキーワードとなる言葉がありますが、それらについても、音楽で表現できています。暗い、当たり障りの無い、退屈、平凡、そんな学園生活みたいなものもキチンと表現できています。
 うーん、こんな感じでどうでしょう? リーフのゲームの音楽にハズレはありませんよ。っていうことで……。

 




 通常シーン。ストーリーを楽しむ、という点ではこれ以上のシステムはないだろう。16色ゆえに、古臭さは否めないが、背景の書き込みは中々のもの。



 Hシーン。やはり、古臭さは否めない。線の書き方も変なのはなぜだろうか? しかし、枚数はそこそこある。Hのパターンもいろいろ。

 まとめましょ(あんまり、まとまってないか)。
 くううう。面白いのですが、値段が……。プレイ時間的に約10時間(全ENDの確認、END数13)で終了するのですが、私的には短かった……。値段的に少し高いかな? って感じですけど、まあ、ここは「人それぞれ」、っていうことで……。それ以外には(細かい点を除いて)特に気になるところはなかったです。
 終わり。



平成10年12月3日 記
平成11年2月7日 画像追加