すいすいSweet タクティクス/AVG/8800円/2000年10月27日発売)
◎はじめに

すいすいSweet パッケージ タクティクスの今年三発目の作品。まぁ、ばらたくは手抜きだったので、実質は二発目かな。
 買った理由は、タクティクスだから(デフォ買いっていうわけでもないんだけどね)。
 強いて云えば音楽も良さそうだったし、みた感じでハズレではなさそうだったし、といったところ。う〜む、なんだか購入動機としてはイマイチ決め手に欠ける気がする。『夕焼け』のシナリオライターの方もタクティクス辞めちゃったし……。って、まぁいいか。
 初回版はオマケシーデー(仮)付き。ボーカル曲のフル版と、スタッフのコメントと、ちょっとした小説と、壁画なんかが入っている。まぁ、そんなに凄いシロモノっていうわけでもないけど、おまけとしての価値は十分にあるんじゃないかな。チープさは否めないけど。
◎ストーリー

 普通の学園物。人間達に魅力のある日常恋愛ドラマというか。まあ、そんな感じ。
◎キャラクター

 モテモテの主人公。どことなく虚無感が漂うような感じではあるけど、自分というものをしっかりと持っていて、云いたいことはしっかりと云えるというタイプ。結構、癖がある性格でその辺は『ONE』の主人公みたいな感じ。あと、姦しい(かしましい)とか誰も知らないような言葉を知っているところから語彙が豊かだということも伺える。自分勝手なところもあるけど、相手に合わせようとする柔軟な気持ちも持ち合わせている。普段は変な風に振舞っているけれど、いざとなると優しい。まぁ、要するにいいヤツなんだよな。多少、子供っぽい面もあるのだけれど。
 ヒロインは5人。義理の妹とか、幼馴染とか、定番っぽい設定ではあるけれど、キャラクターメイキングの力はある。各キャラ何かしら惹きつけるものを秘めている。付随する頭の良さっていうか。青春時代ならではの悩みとか、自己みたいなものを持っているのも魅力の1つか? なんにせよ、私のツボにはまったことは確か。知的な部分を見せられると弱いんだよなぁ、私。
◎シナリオ

 いきなり主人公が起こされるシーンから始まったので、もしかしたらAパターン(*)か? とか思っていたんだけど平気だった。
 (*Aパターン ヒロインである幼馴染が主人公を起こしに来るというパターン。ざっと挙げるだけで5本以上の作品で採用されている。代表的なものとしては『To Heart』や『ONE』など(笑))
 日常恋愛ドラマだから、特筆すべき事柄っていうのは特に無い。シナリオ重視っていうわけでもないし。っていうか、強いて云うとシナリオは×。感動とか無いし、謎になっている部分が解明されても面白くもなんともないし。描写もあまいし。拍子抜けしちゃう部分もあったし。まぁ、あえてドラマティックにしていないっていう部分は感じられたんだけどね(どこぞやに向けられた反駁心からか)。それでもちょっとは刺激が欲しいじゃない。
 そういうわけでシナリオはちょっとアレだったけど、テキストからはライターの感性というかパッションがヒシヒシと伝わってきた。こういうのっていいね。なんていうか、若くないと書けないテキストだと思う。整合性に欠ける部分なんかが長所になってる部分もあるし(わざとか?)。キャラの持っている生き生き感とかもGood。
 敵がいなかったのも良いところだね。嫌な描写なんて何一つないし。男キャラなんて主人公以外にはいないみたいなものだし。それが作品に暖かさみたいなものを出しているし。
 けど、恋愛部分がちょっとあっさりしすぎている。もうちょっと顔が赤面しちまいそうな恥ずかしい描写があっても良かったんじゃないかな。でも、実際はこんなもんか。それにしても劇的でなさすぎるというか。きちんと起承転結はしてるんだけどねー。まぁ、こういうのがあのキャラクター達には相応しいのかもしれないけど。
 まぁ、それなりに良かった。なんていうか暖かさだろうね。プレイし終わったあとに面白かった、っていうのではなく、プレイしている最中が面白い。
◎システム

■必要環境■
OS:Windows95/98/2000
CPU:Pentium166MHz以上(推奨200MHz以上)
メモリ:32MB以上(推奨64MB以上)
解像度:640*480,ハイカラー以上
HDD:150MB以上
サウンド:CD-DA
 タクティクスにしては随分とスペックが上がった。でも、私の環境も上がったから別に構わないや(ぉぃ。
 システムは今までのエンジンとは別物なのかな。大幅バージョンアップっていう感じもするけど、ちょっとわからないや。今までのタクティクス作品とはレイアウトががらっと変わっている。
 あと今回は回想機能がついた。いやはや良かった。これでタクティクスのシステムもほぼ完璧に……と思いきや、おい、既読、未読のメッセージ判別をしなくなってるじゃねーか、こんちくしょう! って、あれ? マニュアルには判別するって書いてあるぞ? どういうことだ、これは??
 とにかく、当環境で判別してくれなかったのは確か。痛いね。
 ゲームの方は普通のAVG。テキストを読みつつ、途中で出現する選択肢によって分岐するという構成。
 構成的にちょっと変わっていて1話、2話〜っていう感じに話が分かれている。意味あるのか? とは思うのだけど、遊び心としてはいいかな。フラグ管理のしやすさ故とも思うのだけど。ちなみに、各シーン毎にアイキャッチが入ったりする。これも遊び心か。(1〜4シーンで1話)
 一度クリアすると、好きなシーンにジャンプできてユーザーフレンドリー。これによりエロ回想機能の役目も果たせちゃう。一石二鳥。
◎音楽

 パルスノーツの面々の名前はありど、YET11さんの名前がないんだよね……。
 これは好みの問題だと思うのだけど、『夕焼け』の方が良かった。今回は全体的に暖かい、ほのぼの系の曲が多かったので、受けた刺激が少なかったっていうのもあるけど。っていうか、夕焼けの音楽が素晴らしすぎたんだ。
 勿論、今回の音楽も及第点以上はいってると思うのだけど、どうしても……ね。
 ちなみにタクティクス初のボーカル曲が2曲。アニメを意識したオープニングとマッチしていて良い感じだった。まぁ、エンディング曲はあんまり印象に残ってないんだけどね。
◎ボイス

 なし。あった方が良かった。
◎絵

すいすいSweet 通常シーン こんな感じの画面構成。背景CGが少ない。あと、一枚絵以外では、キャラが一人しか表示できないのが寂しいかな。見栄えはいいんだけどね。
 『ばらえてぃたくちくす』で似てない『ONE』、『MOON.』キャラを描いてた人が原画やね(彼女も被害者か)。名前は橘あかりさん。
 原画は好みなんだけど、デッサン的にちょっと甘い部分がある。ポーズが変わると変に見えてしまう部分とか。まぁ、好みな絵柄なので、これからのスキルアップに期待という方向性で。
 タクティクス塗りは相変わらず綺麗……だけど、ちょっと線が太くなってエルフ塗りっぽくなっちゃってるかも。
 枚数は1枚絵が100枚くらい(似たようなの含んで)。
 『夕焼け』みたいな印象に残る絵っていうのは無かったのだけど、いい仕事していることは確か。
◎エロ

すいすいSweet エロシーン ナチュラルな感じでエロシーンに突入するので○。
 そこはほら、例によって例によるご都合主義的な描写もあるけど、それ以外だったらいい線いってる。なかなかのエロさ。
 枚数も一人につき5枚くらいとこの手のジャンルにしては多い方なので好感を覚えた。テキスト描写の方もツボをついたいい感じの描写になっており、十分通用するレベル。
 ただ、ボイスが無いのが苦しい。最近のエロゲーは声入りがメインだからなぁ……。あるか否かで随分と違うものだし。でも、無いものは仕方ないか。
◎総評

 ほどよく纏めたっていうところか。最初から及第作を目指して、そしてそれを作ったって感じ。良くいえば無難、アベレージ、悪く云えば志が低い。
 まぁそれにしても、音声無しで8800円は高い。尤もプレイ時間は13時間くらいあったので、そこそこのボリュームは感じたのだけどね。『夕焼け』よりも、CG枚数もシナリオボリュームもあったし。……でもなあ。
 どかっ、とプレイするのではなく、1日1時間くらいの割合でプレイするのがお勧め。世界観に浸るっていう意味でも、ゆっくりプレイした方が良いと思う。
 私的には結構楽しめた。
 そんなわけで、レビュー終わり。
2000年10月29日 記
2002年3月1日 修正

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