將姫 Syo-Ki シーズウェア/麻雀/8800円/2000年4月07日発売)
◎はじめに

將姫 パッケージ カーネリアン女史とシーズウェアのコンビといえば、その筋では有名であり、それを今ここで改めて記述する必要はないだろう。加えて発売から既に何ヶ月も経っており、各地でのレビューは出揃い済み。云うまでもなく、地雷だというレビューが。
 そんな経緯を知りながら、なぜこの作品を選んでしまったのか? それはつまり、例の件で1年分のエロゲ代を得てしまった私は、どうしようもなく麻雀ゲームがやりたくなってしまったのである。
 麻雀ゲーム。それは私にとって知識の薄い分野であり、思い浮かんだタイトルが『いただきじゃんがりあん』とこれしか無かった。それでも、『いただきじゃんがりあん』の方を買おうとしたのだが、残念ながら店で売っていなかったのだ。だので、こちらの作品をセレクトしたのである。勿論、なんの打算もなく。
◎ストーリー紹介(読み飛ばし可、寧ろ推奨)

 帝都天翔学院。武蔵羽村市に位置する私立校である……がしかしその実は都が運営する超進学校。その由来や詳細は謎に包まれている。ただ世間一般ではエリート校と思われているだけの学院である。その天翔学院の実権を握る【天翔学院生徒会】。
 通称プロヴィデンスと云われる彼らは学院のみならず、武蔵羽村市を掌握する。その中でも生徒会長は【エル・シード】と呼ばれ生徒たちの羨望の的であると同時に敵でもあった。
 エルシードは強いものだけがなれる。全ての生徒会役員をうち倒し、そしてエルシードを倒した者だけが次のエルシードを受け継ぐことができる。
 またエルシードはその座を防衛するために、戦う方法を選ぶ権利を有している。方法とはこの場合、格闘技であったりサッカーであったり、ババ抜きであったり……それは何でも良い。そして現エルシードが指定した戦闘方法とは、【麻雀】だったのである。
 現エルシードとされている將姫【大泉 麟】は麻雀の達人でもありまたケンカの達人でもあった。幾人もの挑戦者が彼女に立ち向かっていったが、誰一人として勝てる者はいなかった。麻雀でも、腕ずくでも決して彼女は負けることはなかった。
 そして3年が過ぎた。
 大泉 麟の卒業の噂が学院内に流れる。
 エルシードを受けつぐのは誰か?
 そんなとき、麻雀同好会に謎の一団が訪れ次々と会員を撃破。部長もろとも敗れ去り、麻雀同好会は事実上廃会。その改質を鉄道研究同好会(通称鉄研)に占拠されてしまった。
 天翔学院に、ただならぬ空気が過ぎる。
◎キャラクター

 千堂和樹(『こみっくパーティー』)に続く、ランスの対抗馬。鬼畜王な主人公である。千堂クンの場合は、曲解しての鬼畜王だったが、この作品の主人公である吉祥寺魁はそのまんま。麻雀で勝ったという理由だけで、見境なしに突っ込んでしまうのだから当然である。登場人物(♀)全員行為可能。勿論、同じ時系列の流れの中で。そんなエロゲも珍しい。
 女性キャラクター。麻雀ゲームということで、他のアドベンチャーゲームなどに比べると総テキスト量は少なくなっている。その中で、キャラクター(10人以上)を描かなければならないのだから、それはもう大変。一言、二言のセリフでキャラクターの個性をユーザーに伝えなければならない。多少の無理もでてくるさ。……ってなぁ。濃いキャラが多すぎて、全部が肉のフルコースみたいだ。
 しかし、麻雀ゲームというのは得てしてこういうものなのかもしれない。『雀偵物語III』なんかもそうだったし。
◎シナリオ

 上に書いたようなあらすじとは、殆ど関連性のない内容だった。というか、あのあらすじは一体なんだったのだろうか? なにか意味があったのだろうか? 理解に苦しむ。
 麻雀ゲームということで、シナリオそのものの量は少ない。それはまあいい。しかし、シナリオライターが2人いるというのがいけない。こんなに短いのだから、1人でもいいだろう。テキストだけだったらエロシーンを含めても1時間程度で読み終わるくらいのボリュームなのだから。1時間といえば、普通のアドベンチャーゲームの10分の1以下である。
 なぜこんなにくどく書くのかというと、短いシナリオなのに整合性がまったくとれていないからである。矛盾がありすぎ。
 一体なんだったのだろう? という疑問だけが残るシナリオだった。
◎麻雀部分

將姫 麻雀シーン 牌が少々小さいような気もするが、4人打ちならレイアウト的にこんなものか。本格派っぽいが、結局はエセである。残念ながら。
 かなり難しい。『スーパーリアル麻雀IV』よりかは簡単だが、これに匹敵するほどの難易度がある。10順以内に敵が和了ってくれちゃうこともしばしば。思考ルーチンは兎に角最短上がりを目指すように作られているらしく、直立のみ、翻牌のみ、タンヤオのみ、といったノミ手で和了られることが多い。
 しかし、私的にはこれくらいが丁度良かった、歯ごたえ的に。それに対抗するために、こちらも安手で和了らないと駄目なのだが、これこそが脱衣麻雀の醍醐味。とにかく早上がり、である。
 しかし、気になるのはイカサマ。ランダムで無制限に使える上に、一発確定、相手を小牌にして上がり不能にさせる、などなど極悪なものが多いのでやる気が萎える。コンピュータゲームの麻雀なのだから、多少のイカサマはわかるのだが、それにしたって隠れてやってほしいものである。隠れてやるどころか、あからさまにイカサマするぞ、と宣言してからやるし。ちなみに、主人公はイカサマ使えない。Why?
 どうでもいいが、5倍役満(天和、単機、四暗刻、字一色、大四喜)になるイカサマはぶっとんでいて良い。一度も使われることはなかったが。
 厳しいのが脱がす為の条件。直撃かツモを成さなければならないのだが、場に敵が2人いた場合、お目当ての方を脱がす為には直撃しかないのである。ツモだと点数の高い方が脱いでしまう。この厳しい仕様の所為で、どれだけ時間が喰われたことか。
◎システム

■必要環境■
OS:Windows95/98/2000Pro/Me/XP
CPU:MMX Pentium166MHz以上
メモリ:64MB以上
解像度:640*480,フルカラー以上
HDD:300MB以上(推奨 600MB以上)
CD-ROM:12倍速以上
サウンド:PCM
 心配していた部分だったが、やはり非道いものだった。確実に5回以上は落ちた。過去プレイしたゲームの中では、間違いなく1番落ちた作品。脱ぎマーならぬ、落ちマーといったところか。実に不名誉な称号だ。はは。まあ、脱衣部分で落ちることが多いのだから、糞味噌に云うのも仕方のないことだろう。
 あと、麻雀部分に入る時3秒くらいブラックアウトするのが×。というか、これはビビる。落ちたかと思っちゃうもの。さすがはシーズウアといったところか。
 それと突っ込んでおきたいのが、HDDへのインストールについて。本作はアニメーションディスクとゲームディスクとに分かれるのだが、フルインストール(600MB程度)を選ぶとアニメーションディスクの方を一切必要としなくなる。一切必要としなくなる、というのはそのまんまの意味でドライブに挿入することがまったくないのである。ゲームディスク一枚でフルインストール可能。勿論、アニメーションデータもその中に入っている。では一体、アニメーションディスクには何が入っているのか? これには高画質のアニメデータが入っているのである。で、高画質のアニメデータを見るには、通常インストール(300MB)を選択し、CD-ROMドライブにアニメーションディスクを入れるしかない。実に複雑な仕様である。お気づきになられたと思うが、高画質のアニメデータをインストールする手段は用意されていない。
 尚、ウインドウモードで起動されることが許されない。最小化はできるのに……。
◎脱ぎっぷり

 脱ぐときはアニメーションで表現される。シーズで得意にされているらしい分野。320×240のサイズで作られている為、640×480のサイズで観ると汚くなってしまう。が、320×240のサイズで観ることも可能なので問題はない。量、質ともども中々の出来である。この辺は見所といっても良いのではなかろうか。全国の將姫ユーザーの大半が、チートしてこの部分とエロ部分だけを観て売ったのだろうなぁ、などと想像するのは難しくない。
◎音楽

 シーズといえば、『EVE』、『Re・leaf』と作り手は違うものの、それぞれなかなか素晴らしい音楽を提供してくれる所である。今回の將姫でも十分に満足できるレベルの音楽を聴かせてくれた。
 が、直立時に音楽が変化しないのは不満。こんな不満を持つ私は『ナイト雀鬼』や『雀偵物語III』好き。
 まぁそれは置いておくにしても、麻雀ゲームの音楽にしてはやや頑張りすぎている。もう少し控えめな旋律でも良かったのではないだろうか。自己主張が強すぎるというか。特にラスボス戦なんかは。
◎ボイス

 フルボイス。上手い人ばかりである。これは文句なし。クレジットでは声優名も表示されていた。最近、こういうの多いね。
 麻雀部分では役名だけではなく、3900(ザンク)といった部分まで声が当てられていて、ちょっとした拘りを感じた。
◎絵とエロ

將姫 エロシーン カーネリアンさん原画。殆どの方がこれ目当てで買い、ほとんどの方がこれだけだったと思ったことだろう。さすがの上手さである。絵目当てなら、損はしない。動画も見られるし。
 というか、原画のインフレ状態だな。かくいう私もこれ目当てで購入しちゃった。
 1人につき3枚程度のエロCGが用意されており、脱衣アニメとは別にCGとテキストで表現されている。主人公の口調にやや癖がある為(妙に偉そう)、その辺は好みが分かれそう。
 麻雀で勝ったという理由のみでヤる為、必然的に強姦になってくる。鬼畜王な主人公の本領発揮である。しかし、どうして麻雀に勝つとエッチシーンになるのだろう? その辺の描写が全くない。実に不思議である。これも脱衣麻雀のエロゲ版であるから、という暗黙の了解故の事なのだろうか。
◎総評

 酷い作品である、ということを念頭に置いて購入した為か、それほどクソゲーだとは思わなかった。しかし、決してお勧めできる作品ではない。5回以上落ちたのが痛かったなー。
 この作品を見ていると思うのだけど、シーズは空回りする事が多すぎるよ。『Re・leaf』にしろ、『DIVI DEAD』にしろ、『かぜおと、ちりん』にしろ。それぞれの素材は良いのに、作品として纏めた途端に脆さを露呈しちゃう。この『將姫』だってそう。幾分かの修正を施せばかなりマシになったと思うよ、マジで。
2001年11月21日 記
2002年2月27日 修正

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